アパート経営とは?始め方・メリット・デメリットと注意点を解説

こんにちは。住まいをつなぐ「すまつな」の北川です。

私は積水ハウスで自宅を建てた施主である一方、会社経営をしてきた立場でもあるので、アパート経営を見るときは「建物が立派か」だけではなく、事業として長くお金が残る仕組みになっているかをかなり気にします。

アパート経営は、土地が余っているから建てれば家賃が入る、という単純な話ではありません。

入居してくれる人がいるのか、借入金を返しながら修繕費を積み立てられるのか、築年数が進んでも選ばれる建物なのかまで考えて、ようやくスタートラインです。

この記事では、初めてアパート経営を考えるあなたが、何から始めればよいのか、どこにメリットがあり、どんなリスクに気をつけるべきかを順番に解説します。

記事のポイント

  • アパート経営の仕組みと家賃収入の考え方
  • アパート経営のメリットと見落としやすいデメリット
  • 初めてアパート経営を始めるときの手順と必要な準備
  • 土地活用として賃貸住宅を選ぶ前に比較すべき判断材料

アパート経営とは

まずは、アパート経営を「家賃が入る仕組み」ではなく、収入と支出を継続的に管理する不動産事業として捉えてみましょう。

ここを曖昧にしたまま建築会社の提案を見ると、満室時の家賃収入だけが大きく見えてしまい、本当の手残りを見誤りやすくなります。

家賃収入を得る不動産事業

アパート経営とは、所有する土地に賃貸住宅を建てる、または土地と建物を取得し、入居者へ住戸を貸して賃料を得る事業です。

毎月の家賃は重要な売上ですが、それだけで経営成績は決まりません。

入退去の募集、建物管理、設備故障への対応、共用部の清掃、税金、保険、借入金の返済、大規模修繕などが何年も続きます。

つまり、アパートを建てることより、建てた後にどう運営するかの方が長いということです。

利益は家賃の残りではない

家賃収入が月にまとまった金額になっても、その全額がオーナーの利益になるわけではありません。

管理費、修繕費、固定資産税、損害保険料、借入金の利息、募集に関わる費用などが発生し、設備交換が重なる年は支出も増えます。

税務上の不動産所得については、国税庁が「総収入金額から必要経費を差し引いて計算する」と案内しており、固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費などが必要経費の例として示されています。

(出典:国税庁「不動産収入を受け取ったとき」)

アパート経営では「家賃はいくら入るか」より、「空室や修繕を含めても最後にいくら残るか」を見ることが大切です。

利回りと手残りは別物

アパート経営の資料では利回りが目立ちますが、表面上の利回りが高くても、維持費や空室、借入条件まで含めると手残りが少ないことがあります。

逆に、建築費が高く見える計画でも、競争力のある家賃を長く維持しやすく、退去が少なく、修繕計画が読みやすいなら、長期では評価が変わるかもしれません。

数字は一つだけ切り取らず、複数の角度から見る必要があります。

アパート経営のメリット

アパート経営には、土地を売らずに活用しながら継続収入を目指せる魅力があります。

ただし、メリットは土地の立地や資金計画が合って初めて生きるものなので、「誰にでも当てはまる利点」とは考えない方が安全です。

土地から継続収入を目指せる

使っていない土地をそのまま保有しているだけでは、基本的に土地そのものから毎月の収入は生まれません。

そこで賃貸需要が見込める地域なら、アパートを建てて住戸を貸すことで、土地を収益を生む資産へ変える考え方ができます。

入居が安定すれば、給与や事業収入とは別の収入源を持てることも魅力です。

一方で、家賃は入居者がいて初めて発生するので、土地の場所と商品企画が合っていることが大前提になります。

土地を手放さず活用できる

親から引き継いだ土地や、将来も家族で保有したい土地では、売却せずに活用したいという希望もあります。

アパート経営なら土地の所有を続けながら、建物を通じて収益化を目指せます。

「土地を残したい」という気持ちと「経営として成立するか」は別なので、感情と事業性は分けて見た方がいいですよ。

北川家が土地購入時に確認した重要事項説明書と不動産売買契約書。土地活用でも権利関係や法的条件の確認が重要になる

私が自宅用地を購入したときの重要事項説明書と不動産売買契約書です。用途は違っても、土地を使う事業では権利関係や土地条件を最初に確認する姿勢が欠かせません。

管理を外部へ委託できる

アパート経営では、オーナーが毎日現地へ行って家賃回収や清掃をする必要はありません。

入居者募集、契約、家賃管理、建物管理、問い合わせ対応などを管理会社へ委託する方法があります。

本業がある人や遠方の土地を活用する人にとって、専門会社へ任せられることは大きな利点でしょう。

ただし、任せることと、経営判断まで丸投げすることは違います。

管理状況、入退去、家賃、修繕内容、費用の変化は、オーナー側でも把握しておく必要があります。

税金だけを目的にしない

アパート経営では税負担の変化が話題になることがありますが、「税金が下がるから建てる」という順番には注意が必要です。

建築費や借入金、空室、修繕という大きな負担を抱えてまで、その土地で賃貸経営をする意味があるのかを先に考えるべきです。

税金は事業計画を構成する一要素であり、経営そのものの目的ではありません。

デメリットと主なリスク

アパート経営を始めるなら、良い面より先に「想定が外れたとき何が起きるか」を見ておく方が現実的です。

満室時だけの計画ではなく、空室、家賃低下、金利、修繕が重なったときにも持ちこたえられるかを確認しましょう。

空室で家賃収入が減る

最大のリスクは、住戸が空けば家賃収入が減ることです。

一室空くだけなら吸収できても、複数戸の空室が長引けば返済や管理費の負担感は一気に増します。

新築時に入居が決まったからといって、同じ家賃と入居率が何十年も続く保証はありません。

周辺に新しい競合物件が増える、勤務先が移転する、大学や病院の環境が変わる、入居者の好みが変わるなど、外部環境も動きます。

アパート経営の需要調査は、今の入居者数を見るだけでは足りません。

将来もそのエリアで「誰が、なぜ、あなたの物件を選ぶのか」まで説明できる計画が理想です。

きたがわ
私なら「満室になるか」だけでなく、「築年数が進んだとき、近くの新築と比べても選ばれる理由が残るか」を聞きます。ここが曖昧だと、最初の数字が良くても怖いんですよ。
妻つな
新しいときは綺麗だから入ってもらいやすいけど、古くなった後のことまで考えるのが経営なんだね。

家賃が下がる可能性がある

賃貸住宅は築年数が進むにつれて、新築時と同じ条件で募集し続けることが難しくなる場合があります。

周辺相場が変われば、募集家賃を見直す場面も出てくるでしょう。

一方、設備更新、外観維持、間取りの使いやすさ、防音、断熱、インターネット環境、セキュリティなど、入居者が価値を感じる部分へ再投資することで競争力を保てる可能性があります。

家賃下落を完全に防ぐ発想ではなく、下がりにくい理由を設計段階から積み上げる発想が大切です。

金利と返済の影響を受ける

建築資金を借りる場合、返済は長期間続きます。

変動金利であれば金利上昇によって返済負担が増える可能性があり、固定金利では当初の返済額が高く見えることもあります。

だから、現在の金利だけで「返せる」と判断するのは少し怖いです。

複数の金利条件、空室率、家賃低下を組み合わせて、返済後に現金が残るかを見る必要があります。

北川家が住宅ローン手続きで受け取った借入手続きの案内。アパート経営でも融資条件と支払い時期の確認が重要

私が自宅建築で融資を利用した際の借入手続き資料です。アパート経営でも、借入額だけでなく金利、返済期間、実行時期を細かく確認する必要があります。

修繕と設備交換が続く

アパートは建てた瞬間から少しずつ年齢を重ねます。

外壁、屋根、防水、給湯器、エアコン、インターホン、水栓、照明、共用設備など、点検や交換が必要になる部分は少なくありません。

突発的な故障が複数戸で同時に発生することもあり、修繕費を家賃収入から計画的に積み立てる考え方が欠かせます。

毎年の収支が黒字でも、その利益を全部使ってしまえば、大きな工事の年に資金が足りなくなるかもしれません。

災害やトラブルも経営リスク

火災、風水害、地震などの災害に加え、漏水、騒音、ゴミ出し、無断駐車など、賃貸住宅ならではの問題が起こる可能性があります。

保険で備えられる範囲と、管理体制で減らせる範囲を分けて考えることが重要です。

土地自体に浸水や土砂災害のリスクがある場合は、建物の仕様だけでは解決できないこともあります。

だから、賃貸需要と同じくらいハザードや避難経路も見ておきたいところです。

サブリースも契約を読む

一括借上げやサブリースは、管理の負担を減らしやすい一方で、賃料の見直し、免責期間、修繕負担、契約解除などの条件を理解する必要があります。

国土交通省は賃貸住宅管理業法のポータルサイトで、管理受託や特定賃貸借契約に関する制度、標準契約書、注意事項を公開しています。

(出典:国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」)

「家賃保証」という言葉だけで安心せず、何年間、どの条件で、どんなときに賃料が変わるのかを契約書で確認してください。

始める前に確認する条件

アパート経営の成否は、建物を何階建てにするかより前の段階で大きく決まります。

賃貸需要、土地条件、競合、入居者像、出口まで確認し、その土地で本当に賃貸住宅が合うのかを考えていきましょう。

賃貸需要がある土地か

一番に調べたいのは「その地域で部屋を借りたい人がいるか」です。

駅への距離だけではなく、通勤先、商業施設、学校、医療機関、道路事情、駐車場需要、周辺の世帯構成などを見ます。

車移動が中心の地域なら駐車台数が物件選びに影響しやすく、単身者が多い地域とファミリーが多い地域では求められる間取りも変わります。

土地の広さを先に戸数へ変換するのではなく、入居者像から必要な住戸を逆算する方が自然です。

法規と敷地条件を確認する

土地が広くても、建ぺい率、容積率、用途地域、接道、道路幅、斜線、日影、防火上の条件などによって、建てられる規模は変わります。

さらに駐車場、駐輪場、ゴミ置き場、避難動線、外構、植栽、設備置き場も必要です。

土地の図面だけを見て「ここなら十戸ぐらい入る」と決めつけるのは危険でしょう。

建築会社から配置計画を出してもらい、収益を生む床面積と、生活や管理に必要な余白のバランスを見ることが重要です。

北川家の土地購入時に確認した地積測量図。アパート計画でも敷地形状や境界、道路との関係の確認が必要

私が土地購入時に確認した地積測量図です。アパート計画でも、敷地形状や境界、道路との関係を曖昧にせず確認することが基本になります。

競合物件を実際に見る

周辺の募集サイトを見るだけでなく、可能なら現地も歩いてみてください。

近くにどんなアパートがあり、築年数、外観、駐車場、共用部、間取り、募集家賃がどう違うのかを見ると、その地域の競争が具体的になります。

新築物件だけではなく、築年数が進んでも入居が続いていそうな物件を見るのも参考になります。

なぜその物件が残っているのか、逆に空室が多そうな物件にはどんな共通点があるのか。

こうした現地感覚は、提案書の数字だけでは得にくいものです。

きたがわ
私は家づくりでも土地を何度も見ましたが、地図では分からないことが本当に多いです。アパート経営なら、平日と休日、昼と夜で周辺の雰囲気を見るくらいでも発見がありますよ。
妻つな
入居する人の目線で歩くと、スーパーまでの道や夜の明るさ、駐車しやすさも気になるね。

出口まで決めておく

アパート経営を始める前に、将来どのように終える可能性があるのかも考えておきます。

長期保有して家族へ引き継ぐのか、一定期間後に売却するのか、建て替えるのかで、最初に選ぶ建物や借入期間も変わってきます。

相続人が複数いる場合は、不動産をどう分けるかという問題も出てくるでしょう。

「今、建てられるか」だけではなく、「将来、扱いやすい資産か」という視点が大切です。

アパート経営の始め方

初めてアパート経営をする場合、いきなり建築会社へ「何戸建ちますか」と聞くより、目的と土地の状況を先に言葉にしておくと話が進めやすくなります。

ここでは、一般的な流れを、判断しやすい順番に並べます。

目的と資産状況を確認する

最初に、なぜアパート経営をしたいのかを書き出します。

遊休地を活用したいのか、将来の収入源をつくりたいのか、土地を次世代へ残したいのかで、選ぶ方法は変わります。

同時に、土地の名義、既存借入、現金、他の不動産、今後の大きな支出も確認しておきます。

アパート一棟だけを切り離して考えるのではなく、家族全体の資産と負債の中で見た方が判断しやすいです。

市場調査を行う

次に、その土地周辺の募集家賃、空室、間取り、築年数、駅距離、駐車場条件などを調べます。

建築会社の調査も参考になりますが、自分でも賃貸サイトを見て、どんな物件がどの価格帯で募集されているかを把握しておくと、提案内容を理解しやすくなります。

特に「満室想定家賃」が相場より高く設定されていないかは確認したいところです。

経営計画の売上になる数字なので、ここが楽観的だと後の計算も全部ずれてしまいます。

複数の活用案を比較する

アパート経営を考えていても、一度は他の土地活用と比較してください。

駐車場、事業用定期借地、戸建て賃貸、賃貸併用住宅、土地売却など、土地によって向き不向きがあります。

「親からアパート経営を勧められたから」という理由だけで決めず、投資額、収入、手間、換金性を並べることが重要です。

比較した結果でアパート経営が残るなら、その判断にはかなり納得感が出ます。

建築会社の提案を比べる

賃貸住宅を建てる方向になったら、建築会社やハウスメーカーから事業計画を取ります。

比較するのは建築費だけではありません。

想定家賃、戸数、間取り、管理方式、修繕計画、保証、募集力、入居後の対応、将来の改修提案まで見ます。

同じ土地でも、会社によって配置や住戸構成が違い、収支も変わることがあります。

安い建物が一番得とは限らず、高い建物なら安心とも限りません。

価格と長期運営をセットで比較することが大切です。

収支と融資条件を詰める

計画が絞れてきたら、家賃収入、管理費、修繕費、税金、保険、返済を入れた収支を確認します。

満室だけでなく、空室が増えた場合、家賃が下がった場合、金利が上がった場合も試算してください。

自己資金をどこまで入れるかも重要です。

借入を減らせば返済負担は下がりますが、現金を入れすぎると手元資金が薄くなり、修繕や別の投資に対応しにくくなります。

北川家の積水ハウス建築時の見積書。アパート経営でも建築費だけでなく総事業費を確認する必要がある

私の自宅建築でも、当初の見積もりから希望を加えると総額は増えました。アパート経営では、建物本体だけでなく外構や造成、融資関連費用まで含めて総事業費を見ることが欠かせません。

契約から建築へ進む

事業性と融資条件に納得できたら、設計、見積もり、管理条件などを確認して契約へ進みます。

契約前には、まだ金額が決まっていない項目や、追加費用が発生する可能性がある項目を残さないようにしたいところです。

地盤、造成、給排水、外構、電気設備など、土地によって費用差が大きい部分は特に確認します。

工事中も、変更内容と追加費用を記録し、完成時の総額がどこまで増えているかを追い続けます。

募集と管理を開始する

完成が近づいたら入居者募集を始め、引き渡し後は管理運営が本格化します。

また、入居後の問い合わせや修理対応は、物件の評判にもつながります。

アパート経営は、入居者に長く住んでもらうことも立派な空室対策です。

初年度から記録を残す

家賃、共益費、管理費、修繕、税金、保険、募集費、返済などを月ごとに記録しておくと、計画と実績の差が見えてきます。

「思ったより儲からない」で終わらせず、どの支出が増え、どの収入が減ったのかを確認することが経営改善につながります。

数年分の記録があれば、大規模修繕や借り換えを考えるときの材料にもなります。

必要なものと身につけたい知識

アパート経営をするには、建物だけでなく、資金、知識、相談できる人が必要です。

資格の有無よりも、オーナーとして何を判断し、どこを専門家へ任せるかを理解しておくことの方が重要だと私は思います。

自己資金と予備資金

融資を利用する場合でも、手元資金をまったく用意せずに経営を続けるのは不安があります。

完成直後から満室になるとは限らず、設備故障や追加工事が発生する可能性もあるからです。

自己資金の割合に唯一の正解はありませんが、建築時に現金を使い切らず、運営開始後の予備資金を残す考え方は大切でしょう。

収支を読める知識

専門的な会計を全部自分で処理できる必要はありません。

ただ、家賃収入、必要経費、減価償却、元金返済、利息、キャッシュフローの違いは理解しておきたいです。

会計上の利益が出ていても現金が少ない場合があり、逆に減価償却によって利益と現金の動きが一致しないこともあります。

ここを理解すると、営業資料の「利益」という言葉に振り回されにくくなります。

管理の基礎知識

管理会社へ委託しても、オーナーが管理契約の内容を理解していなければ比較できません。

管理料に含まれる業務、別料金になる業務、入居者募集の方法、修繕の発注ルール、退去時の対応、報告頻度などを確認します。

大きな修繕を誰が判断し、いくら以上なら事前承認が必要なのかも決めておくと安心です。

必要な資格はあるのか

自分が所有するアパートを貸し、自分の物件を管理するだけなら、オーナー本人に宅地建物取引士などの資格取得が必須という仕組みではありません。

一方で、他人の物件の仲介や管理を業として行う場合は別の法規制が関係します。

そのため、初めてのオーナーが「資格を取ってからでないと始められない」と考える必要はありません。

むしろ、契約、税務、融資、建築、管理について、必要な場面で適切な専門家や事業者と連携できる体制を作る方が実務的です。

チームで経営する感覚

アパート経営は一人で全部抱える必要はありません。

建築会社、管理会社、金融機関、税務の専門家、保険会社など、それぞれ役割が違います。

ただし、最終的に土地と借入を背負うのはオーナー側なので、誰かの説明をそのまま受け入れるだけではなく、比較しながら判断してください。

収支計画で見るべき項目

アパート経営の計画書では、最初に目へ入る家賃収入より、その下に並ぶ支出項目を丁寧に見てください。

ここを細かく見るほど、「思っていた経営」と「実際の経営」の差を小さくできます。

利回りと借入返済後の手残りは分けて確認すると、収支計画を具体的に点検しやすくなります。

家賃は保守的に置く

想定家賃は、周辺の新築物件だけでなく、築年数が進んだ物件も見ながら考えます。

新築プレミアムを含んだ家賃を長期間固定して計算すると、収支が実態より良く見える可能性があります。

家賃を下げたケースも作り、それでも返済と修繕が回るかを確認しておきましょう。

空室をゼロにしない

長期間ずっと満室という前提だけで事業計画を作るのはおすすめしません。

退去から次の入居までには募集期間があり、原状回復や清掃の期間も必要です。

そのため、一定の空室が発生した場合も計算に入れ、資金に余裕を持たせます。

経営では「理想の一年」ではなく、「少し悪い一年」を基準にした方が安心できます。

経費を細かく入れる

管理費、修繕、保険、固定資産税などに加え、共用部の電気代、清掃、植栽、設備点検、募集に関わる費用なども考えます。

土地によっては擁壁、排水、舗装、駐車場維持などの負担もあります。

きたがわ
事業計画を見ていて、私は収入より先に「この経費、本当に全部入っているかな」と見てしまいます。売上は派手ですが、利益を決めるのは地味な支出の積み重ねなんですよね。
妻つな
家計でも同じだね。毎月の小さな支払いを入れずに「これだけ余る」と考えたら、実際は全然違うもんね。

修繕積立を別に考える

毎月の収支が黒字でも、将来の修繕費を差し引いたら実質的な余裕は小さくなる場合があります。

設備交換や外装工事は毎年同じ金額で発生するわけではなく、ある年にまとまって出るからです。

だから、利益の一部を修繕用の資金として分けておく考え方が重要です。

融資返済が終わるまで建物が何も壊れない、という前提は置かない方がいいでしょう。

確認ケース 変化させる項目 見るポイント
標準ケース 想定家賃と通常の空室 基本的な返済後の手残り
家賃低下ケース 募集家賃を下げる 返済余力が残るか
空室増加ケース 空室期間を長くする 現金が不足しないか
金利上昇ケース 借入金利を上げる 返済額の増加に耐えられるか
修繕集中ケース 設備交換や外装費を追加 予備資金で吸収できるか

税引き前だけで判断しない

収支計画を見るときは、税務上の利益と実際の現金の動きが違うことにも注意します。

借入金の元金返済は現金が出ていきますが、必要経費の扱いは利息とは異なります。

逆に減価償却は現金支出と同じタイミングではありません。

そのため、税引き前のキャッシュフローと、納税後にどれくらい残るのかを分けて確認すると経営の実感に近づきます。

北川家が土地決済時に受け取った領収書の山。アパート経営でも建築費以外の諸費用を漏れなく把握することが重要

土地決済時には、建物代とは別にさまざまな支払いが発生しました。賃貸経営でも「建築費以外」を拾い切ることが、資金計画の精度につながります。

他の土地活用とも比較する

土地活用には、アパート経営以外にも選択肢があります。

投資額、収益性、管理の手間、将来の変更しやすさが異なるため、その土地に合う方法を比べてから決めましょう。

駐車場経営と比べる

駐車場は、建物を建てる土地活用に比べて初期投資を抑えやすく、将来別の用途へ変更しやすいことがあります。

その一方で、土地の広さに対して得られる収入がアパートより小さくなる場合もあります。

駅前や商業地なら時間貸し、住宅地なら月極など、需要の種類も違います。

大きな借入を避けたい場合には比較対象になります。

土地を貸す方法と比べる

自分で建物を持たず、土地を事業者などへ貸す方法もあります。

建築と建物管理を自分で負わない分、経営の手間を減らしやすい一方、契約期間や用途に制約が生じます。

立地によっては店舗、福祉施設、事業所など別の活用提案が出ることもあるでしょう。

アパート以外の需要がある土地なら、比較しないのはもったいないです。

売却と比べる

土地を保有し続けることにこだわらないなら、売却も選択肢です。

アパート経営は長期にわたり資金と管理の責任を負うため、家族に経営を引き継ぐ意思がない場合は、売却して資産を組み替える方が合うケースもあります。

「先祖代々の土地だから絶対に残す」という気持ちは大切ですが、次の世代が同じ考えとは限りません。

家族で将来像を話しておくことも、立派な土地活用の準備です。

立地から選択肢を決める

アパート経営をしたいから土地をアパート向けに見るのではなく、土地の需要から最も合う活用方法を選ぶ方が自然です。

賃貸住宅の需要が弱い場所で無理に戸数を増やしても、空室を抱えるだけになりかねません。

土地活用は「何を建てたいか」より、「その土地で何が求められているか」から考えるのが基本です。

シャーメゾンも候補なら

賃貸住宅がその土地に合い、長期保有を前提に品質や管理体制まで重視したい場合、積水ハウスのシャーメゾンも比較候補になります。

ここでは、シャーメゾンだけを先に決めるのではなく、一般的なアパート経営の判断軸と照らし合わせながら検討する考え方をお伝えします。

まずブランドの特徴を知る

シャーメゾンは積水ハウスが展開する賃貸住宅ブランドです。

建物だけでなく、入居者募集や管理、長期運営まで含めて検討する商品なので、賃貸経営を一体で相談しやすいことが特徴です。

基本的な位置づけやアパート経営との関係は、シャーメゾンとは何かを解説した記事で詳しくまとめています。

一般的なアパート経営を理解したうえで読むと、ブランド名だけではなく、どこを比較すべきかが分かりやすくなると思います。

建築費と収支を比較する

シャーメゾンを検討するときも、「大手だから安心」という理由だけで決めるのはおすすめしません。

建築費、想定家賃、管理条件、修繕、長期の収支を数字で確認してください。

特に表面利回りだけでなく、借入返済後と修繕積立後の手残りを見ることが重要です。

シャーメゾンの建築費・坪単価・利回りと収支計画では、費用と収益をどう見るかを掘り下げています。

建てた後の管理も確認する

賃貸経営は建築会社を決めたら終わりではありません。

入居者募集、管理、退去、修繕、リフォームまで続きます。

そのため、建物の性能と同じくらい、管理体制や長期の再投資計画を確認してください。

管理や空室対策については、シャーメゾン経営の管理・空室対策・リノベの考え方も参考になるはずです。

問い合わせ前の相談も選択肢

もし賃貸住宅が有力で、シャーメゾンも具体的に比較したい段階なら、積水ハウスへ公式に資料請求や問い合わせをして担当者が決まる前に、すまつなへ相談していただく方法があります。

注文住宅と土地活用では紹介条件や値引きの考え方が同じではありませんが、土地活用に詳しい担当ルートを確保し、最初から事業計画を比較しやすい体制で始めることには意味があります。

私は「シャーメゾンを建てること」を先に決めてほしいわけではありません。

その土地に賃貸住宅が合うのかを確認し、他の土地活用や他社提案と比較したうえで、それでもシャーメゾンが良いなら進める。

その順番が、後悔しにくいと思っています。

きたがわ
土地活用の相談は、最初の担当者が収支の見方まで丁寧に説明してくれるかで印象がかなり変わります。建物の話だけでなく、空室や修繕の悪いケースも出してくれる担当者の方が私は信頼できます。
妻つな
良い話だけじゃなくて、うまくいかなかったときの数字も一緒に見せてもらえる方が、家族として判断しやすいね。

アパート経営のよくある質問

最後に、初めてアパート経営を検討する方から出やすい疑問を、判断に使える形でまとめます。

Q1. アパート経営は何から始めればいい?

A. 最初にやることは、建築会社を決めることではなく、土地の賃貸需要と自分の目的を確認することです。

その土地でどんな人が部屋を借りるのか、周辺家賃はいくらか、他の土地活用よりアパートが合うのかを調べてから、複数の事業提案を比較してください。

Q2. アパート経営に資格は必要?

A. 自分が所有するアパートを賃貸し、自分の物件を管理するために、オーナー本人が宅地建物取引士などの資格を必ず取得しなければならないわけではありません。

ただし、他人の物件の仲介や管理を事業として行う場合は別の規制が関係するため、自分の立場と業務範囲は分けて考えてください。

Q3. 土地があればアパート経営は有利?

A. 土地代を新たに支払わずに始められる点は有利になり得ますが、その土地に賃貸需要がなければ経営は成立しにくいです。

土地を持っていることと、その土地が賃貸住宅に向いていることは別なので、需要、法規、駐車場、競合、将来性まで確認してください。

Q4. アパート経営はどのくらい儲かる?

A. 土地、建築費、戸数、家賃、借入条件、管理費、空室、修繕で大きく変わるため、一律の金額では判断できません。

満室時の年間家賃ではなく、管理費、税金、保険、修繕積立、借入返済を差し引いた後の現金がどれくらい残るかで比較するのが現実的です。

Q5. 初心者でもアパート経営できる?

A. 初めてでも始められますが、分からない部分を全部営業担当者へ任せる進め方はおすすめしません。

需要、収支、融資、管理、修繕という最低限の判断軸を持ち、複数案を比較しながら、必要な専門分野を外部へ任せる形が現実的です。

アパート経営のまとめ

アパート経営とは、土地に建物を建てて家賃を受け取るだけではなく、入居者に選ばれる住宅を長く維持し、収入と支出を管理し続ける事業です。

メリットは、土地を保有しながら継続収入を目指せることですが、その裏には空室、家賃低下、金利、修繕、災害、管理というリスクがあります。

だから私は、「土地があるから建てる」「節税になるから建てる」「家賃保証があるから大丈夫」だけで決めないことをおすすめします。

最初に賃貸需要と土地条件を調べ、他の土地活用と比較し、複数の事業計画を並べ、少し悪い条件でも返済と修繕が続けられるかを見る。

この順番を守るだけでも、アパート経営の見え方はかなり変わるはずです。

そして、賃貸住宅が有力で、積水ハウスのシャーメゾンも候補に入るなら、公式へ資料請求や問い合わせをする前に、すまつなへご相談ください。

土地活用に詳しい担当者へつながる入口を整えたうえで、建築費だけではなく、収支、管理、長期修繕まで含めて具体案を比較していきましょう。

アパート経営は長い事業です。

最初の一歩を急ぐより、最初の判断を丁寧にする方が、私はずっと大切だと思います。

シャーメゾン賃貸経営を
ご検討中の方へ

積水ハウスで始めるなら
“担当者と情報の差”で損しないでください。

同じ積水ハウスでも、誰につながるか、どんな情報を早く得られるかで、 その後の進めやすさは大きく変わります。
展示場訪問・資料請求・問い合わせの前に先に全体像を確認しておくのがおすすめです。

店長ルート・未公開情報・相談前の注意点をまとめています。
※まだ本格検討前でもOKです

  • この記事を書いた人
プロフィール画像

北川 晴夫

住まいをつなぐ「すまつな」運営者・株式会社リバティアース代表取締役。積水ハウスで建てた自宅が2026年3月に完成し、現在は実際に暮らしている「現役オーナー」です。住み心地は非常に快適で、「絶対に後悔したくない」という想いから徹底的に比較・検討した判断は間違っていなかったと実感しています。元店舗経営者(4店舗の運営管理経験)の視点も活かし、ハウスメーカー各社を徹底比較。最終的に、積水ハウスの「人」の誠実さと「技術」の圧倒的なレベルの違いに感動し、このリアルな体験を共有するため「すまつな」を設立しました。当サイト経由のご相談で公式制度にはない「3%以上の紹介割引」の実現と、私が全幅の信頼を寄せる橋爪店長による「最大限の交渉サポート」を現役オーナーとして全力でバックアップします。