こんにちは。住まいをつなぐ「すまつな」運営者の北川晴夫です。
積水ハウスで家づくりを検討し始めると、UA値(ユーエー値)やC値(シー値)といった、断熱・気密性能を示す専門的な数値が気になりますよね。
「他社は“UA値0.xx!”とか“C値0.x!”とか数値を大々的にアピールしているのに、積水ハウスはそういう話をあまり前面に出さないけど、実際どうなの?」
「本当に夏涼しくて、冬暖かい家が建つの?」
こうした不安を持たれるあなたも、本当に多いのではないでしょうか。
私自身、すでに引き渡しが完了し、積水ハウスの自宅(イズ)にメチャクチャ快適に住んでいる現役のオーナーとして、契約前にこの「性能」について、それこそ徹底的に調べ上げました。
そして、信頼できる担当店長や凄腕の担当設計士にも、納得がいくまで、かなり深く突っ込んだ質問をぶつけてきました。
この記事では、積水ハウスがなぜスペック競争と距離を置いているように見えるのか、その根底にある哲学から、UA値・C値の現実的な考え方、標準で採用されることが多い窓の性能、そして「設計の工夫」まで、私がオーナーとして掴んだ情報を、できるだけ誠実にお伝えします。
ただし、住宅性能は建築地域、商品、時期、プラン、選ぶオプションによって変わります。
この記事ではできる限り正確に整理しますが、最終的には必ずご自身の図面・仕様書・見積書で、積水ハウスの担当者に確認してください。
ぜひ、あなたの家づくりの参考にしてください。
記事のポイント
- 積水ハウスがUA値・C値だけでなく「総合的な快適性」を重視する理由
- 断熱性能(UA値)の基本的な考え方と、断熱等級5・6の現実的な見方
- C値(気密性)の注意点と、気密施工・気密測定を確認すべき理由
- SAJサッシや防犯安全合わせ複層ガラスなど、窓まわりの性能
- 断熱・気密だけでなく、日射設計や間取りで快適さが大きく変わること
積水ハウスの「心地よさ」の秘密
積水ハウスの住宅性能を評価する上で、まず最初に理解していただきたいのが、他社とは少し異なる「哲学」の部分です。
単に数値を追いかけるだけでは得られない、積水ハウスが目指す本当の「心地よさ」とは何なのか。
ここを理解しておくと、UA値やC値の見方もかなり変わってきます。
スペック競争より「総合的な快適性」
先ほども触れましたが、積水ハウスはUA値やC値といった個別の性能数値を、前面に出してアピールする会社ではないように見えます。
私も最初のうちは、「なぜ業界トップクラスのハウスメーカーなのに、数値をはっきりと大きく出さないんだ?」
「もしかして、性能に自信がないんじゃ…」と、正直、少し不安に感じていました。
しかし、担当の店長と家づくりの打ち合わせを幾度も重ね、じっくりと話を聞く中で、彼らが目指しているのは「数値のための家」ではなく、「そこに住む家族が、30年、50年と、真に心地よく、幸せに暮らせる家」なのだと、深く理解しました。
例えば、最高の数値を追求するあまり、積水ハウスの大きな魅力である「設計の自由度」(柱の少ない大空間リビング、開放的な大開口、ダイナミックな吹き抜け、コートハウスなど)が著しく制限されてしまうことを、彼らは良しとしません。
あくまで「施主の夢を叶える設計の自由度」と「高いレベルでの総合的な快適性」のバランスを最重要視しているのです。
とはいえ、この「総合力」を重視する姿勢は、裏を返せば、性能、特に気密性=C値のように、標準仕様だけでは数値を判断しにくい部分が見えにくくなる側面もあります。
ですから私は、積水ハウスを検討する人ほど、「大手だから全部お任せで大丈夫」と考えるのではなく、断熱・気密・換気・窓・日射設計をセットで確認していくことが大切だと考えています。
施主としての結論:哲学への「甘え」は禁物
積水ハウスの「総合的な快適性」という哲学は、本当に素晴らしいものです。
私も心から共感しています。
しかし、だからといって施主側が「積水ハウスに任せておけば、全部最高の性能にしてくれるだろう」と、その哲学に甘えて思考停止してはいけません。
もしあなたが、積水ハウスが誇るデザイン性や品質と、「UA値0.46前後を目指す断熱性能」や「C値1.0以下を目指すような高気密」を本気で両立させたいのであれば、その知識を持ち、施主側から具体的に仕様を確認・相談する姿勢が必要だと私は考えています。
特に、UA値は建物の形、窓の大きさ、方位、地域区分によって変わりますし、C値は気密測定をしなければ実測値が分かりません。
担当者任せにするのではなく、「我が家はどの断熱等級を目指しているのか」「気密施工や気密測定はできるのか」を早めに聞いておくことが、後悔を減らす一番の近道です。
私が体感した「ぐるりん断熱」
私が積水ハウスの技術力に「これなら任せられる」と納得した大きな理由の一つが、鉄骨造の「イズ」などで採用されている独自の「ぐるりん断熱」という考え方です。
鉄骨造の最大の弱点は、熱を伝えやすい鉄骨自体がヒートブリッジ(熱橋)になりやすいことです。
つまり、断熱材をしっかり入れていても、鉄骨部分を通じて外の暑さや寒さが室内側に伝わりやすくなる可能性があります。
冬場には、その温度差が原因で結露リスクにつながることもあります。
「ぐるりん断熱」は、この鉄骨造の弱点を抑えるために、天井、壁、床、梁下、鉄骨柱まわりなど、熱の逃げ道になりやすい部分をできるだけ連続的に包み込むように断熱する考え方です。
単純に「断熱材を厚くする」だけではなく、熱橋になりやすい部分や隙間が生まれやすい部分に配慮して、家全体の温度ムラを減らしていく発想だと理解すると分かりやすいです。
私も、契約前に参加した工場見学会(住まいの夢工場)で、その仕組みをカットモデルで実際に見て、「鉄骨造の弱点をかなり細かく潰そうとしているんだな」と感じました。
公式情報でも、積水ハウスの鉄骨住宅は「ぐるりん断熱」によって断熱等級6にも対応可能とされています。
私が選んだ「イズ」でも、この断熱思想が大きな安心材料になりました。
ただし、ここでも大切なのは、最終的な断熱等級やUA値は、あなたの地域・間取り・窓の大きさ・選ぶ仕様によって変わるということです。
「ぐるりん断熱だから必ず等級6」「積水ハウスだから必ずUA値0.46以下」といった単純な話ではありません。
必ず設計段階で、目標とする断熱等級とUA値の計算結果を確認することをおすすめします。
断熱性能(UA値)はZEH水準を基本に確認
とはいえ、哲学がいかに素晴らしくても、基本的な断熱性能が低くては話になりませんよね。
UA値とは「外皮平均熱貫流率」のことです。
簡単に言うと、家全体からどれくらい熱が逃げやすいかを示す数値です。
数値が小さいほど、断熱性能が高いと考えてください。
積水ハウスの断熱性能は今、どのレベルにあるのか。
そして、さらに上のレベルを目指すためには何を確認すべきなのか。
ここから具体的に解説します。
参考:熱ロスを抑える第一種熱交換換気(SMART-ECS)の仕組みはこちら
参考:大開口でも寒くない!積水ハウス施主が語る断熱術はこちら
基本は「ZEH水準」を満たす家づくり
まず結論から言うと、現在の積水ハウスの戸建て住宅は、ZEH水準を基本にした省エネ住宅として考えてよいと思います。
住宅性能表示でいうと、断熱等性能等級5がZEH水準に相当します。
6地域、たとえば東京・静岡・大阪などの温暖地では、断熱等級5のUA値の目安は0.60 W/m²K以下です。
これは、ひと昔前の最高等級だった断熱等級4のUA値0.87と比べると、かなり高い水準です。
積水ハウスは「グリーンファースト ゼロ」など、ZEHを意識した住まいづくりを早くから進めてきた会社でもあります。
そのため、標準的な提案の段階でも、現代の省エネ住宅として必要な断熱性能はしっかり確保されていると感じます。
ただし、ここで注意したいのは「標準仕様」という言葉です。
積水ハウスは地域、商品、契約時期、建物の形、窓の仕様によって提案内容が変わります。
ですから、「標準仕様=必ず全国一律で同じUA値」と考えるのではなく、自分のプランのUA値計算書で確認することが大切です。
断熱仕様は「厚み」だけで判断しない
断熱材については、天井・壁・床などの部位ごとに、グラスウール、ロックウール、ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォームなど、プランや商品に応じた断熱材が使われます。
ただし、断熱材は「種類」や「厚み」だけを見ても、家全体の性能は判断できません。
なぜなら、UA値は外壁、屋根、床、基礎、窓、玄関ドアなどを含めた外皮全体で決まるからです。
さらに、同じ断熱材でも施工精度や熱橋対策によって、体感は変わります。
特に鉄骨造では、鉄骨部分の熱橋をどう処理しているかが重要です。
積水ハウスの「ぐるりん断熱」は、この熱橋対策を意識した考え方として評価できます。
一方で、読者の方に誤解してほしくないのは、ネット上に出ている「天井何mm」「壁何mm」といった断熱材の厚み情報を、そのままあなたの家に当てはめるのは危険だということです。
正確な仕様は、必ずご自身の仕様書で確認してください。
ただし、ここが重要なポイントです。
標準的なZEH水準でも、現代の住宅としては十分に快適なレベルです。
しかし、今の住宅市場では、国の基準強化や、年度ごとに実施される住宅補助金、住宅ローン減税の優遇措置などを最大限に活用する流れが強まっています。
2024年の「子育てエコホーム支援事業」はすでに受付終了しており、2026年時点では「みらいエコ住宅2026事業」など、その年度ごとの制度を確認する必要があります。
こうした制度では、長期優良住宅、ZEH水準住宅、GX志向型住宅など、住宅の省エネ性能や認定区分によって補助額や対象要件が変わります。
ここで間違えてはいけないのが、長期優良住宅=断熱等級6以上、という意味ではないという点です。
長期優良住宅の省エネ性は、基本的に断熱等性能等級5、一次エネルギー消費量等級6などが基準になります。
つまり、長期優良住宅を目指すことと、断熱等級6を目指すことは、関連はありますが同じ意味ではありません。
この点は、補助金や住宅ローン減税を考えるうえでかなり大切です。
「標準的なZEH水準を満たす家にするのか」
「さらに断熱等級6レベルまで高めるのか」
「補助金や税制優遇を含めて、どの仕様が最も合理的なのか」
このあたりは、契約前から担当者に確認しておくべきポイントです。
参考:等級6の家で“電気代に効く”換気設計とメンテ実例を見る
断熱等級6は現実的に相談しやすい
ここからが、さらに重要なポイントです。
積水ハウスの公式情報でも、鉄骨住宅の「ぐるりん断熱」や木造のシャーウッドでは、断熱等級6にも対応可能とされています。
そのため、積水ハウスで断熱性能にこだわるなら、断熱等級6を目指したいと早い段階で伝えることはかなり現実的な選択肢です。
6地域における断熱等級6のUA値の目安は0.46 W/m²K以下です。
これはHEAT20 G2相当の水準として語られることが多く、冬の暖房負荷を減らし、室温の安定感を高めるうえで大きな意味があります。
一方で、断熱等級7については注意が必要です。
6地域ではUA値0.26 W/m²K以下という非常に高い水準になります。
現行制度上の最高等級であり、断熱性能としてはかなり厳しい基準です。
積水ハウスで等級7相当を目指せるかどうかは、商品、地域、窓の大きさ、間取り、構造、コスト、仕様の組み合わせによって大きく変わるはずです。
そのため、この記事では「積水ハウスなら等級7も簡単に可能」とは言い切りません。
本気で等級7相当を目指したい場合は、契約前に「この商品・この地域・この間取りで断熱等級7相当を狙えるのか」「その場合の窓・断熱材・換気・費用はどう変わるのか」を必ず確認してください。
- 断熱等級5:ZEH水準。6地域ではUA値0.60 W/m²K以下が目安
- 断熱等級6:より高断熱な水準。6地域ではUA値0.46 W/m²K以下が目安
- 断熱等級7:現行制度上の最高水準。6地域ではUA値0.26 W/m²K以下が目安
等級6レベルになると、断熱等級5と比べて冷暖房負荷を抑えやすくなり、冬場の室温低下や夏場の熱の入り込みを抑える効果が期待できます。
もちろん、実際の体感は断熱だけで決まりません。
日射取得、日射遮蔽、換気方式、空調計画、窓の大きさ、間取り、生活スタイルまで含めて快適性は決まります。
ただ、断熱等級6を目指すことは、積水ハウスの設計自由度やデザイン性を活かしながら、温熱環境の安心感を高める現実的な選択肢だと思います。
戦略の違いを理解することが重要です
例えば、一条工務店さんのように、非常に高い断熱・気密性能を標準仕様として強く打ち出すメーカーとは、積水ハウスの戦略は根本的に異なります。
積水ハウスは、ZEH水準を基本にしながら、大空間、大開口、設計自由度、デザイン性、防犯性、耐久性、アフター体制などを含めた総合力で勝負している会社です。
そのうえで、より高い断熱性能を求める施主には、断熱等級6対応などの高性能仕様を提案できる体制があります。
ですから、ご自身の希望と予算に合わせて、契約前の打ち合わせ段階で「我が家は断熱等級6を目指したい」「UA値の計算結果を確認したい」「等級7相当を狙う場合に何が必要か知りたい」と明確に相談することが、後悔しないために非常に大切です。
| 仕様レベル | 断熱等性能等級 | 相当する省エネ水準 | UA値の目安(6地域の場合) | 期待される快適性の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 基本水準 | 等級5 | ZEH水準 | ≦ 0.60 | 適切な冷暖房で快適に暮らしやすい現代住宅の標準的な高水準 |
| 高断熱仕様 | 等級6 | HEAT20 G2相当として語られることが多い水準 | ≦ 0.46 | 冷暖房負荷を抑えやすく、室温の安定感を高めやすい |
| 最高水準を目指す仕様 | 等級7 | HEAT20 G3相当として語られることが多い水準 | ≦ 0.26 | 非常に高い断熱性能。ただし商品・地域・プラン・費用の確認が必須 |
C値は公表? 気密性の考え方
さて、積水ハウスを検討する上で、UA値(断熱)と並んで、いや、それ以上に気になるのが「C値(シー値=相当隙間面積)」ですよね。
C値は、家全体にどれだけの隙間があるかを示す数値で、小さいほど「高気密」な家と言えます。
断熱材が「防寒着」なら、気密性能は「風を通さない上着」のようなものです。
いくら高性能なダウンジャケットを着ていても、隙間だらけでは暖かさを保てません。
ここでは、積水ハウスが公式に大きく語っていないC値について、私がオーナーとして掴んだ「実態」と「必ず確認したい対策」を、正直にお話しします。
なぜC値を大きく公表しないのか
まず事実として、積水ハウスは、少なくとも一般向けの公式ページで、全棟共通のC値目標やC値保証を大きく公表している会社ではありません。
これは、C値が建物ごとの施工条件、間取り、開口部、配管まわり、コンセント位置、気密処理の有無などによって大きく変わる数値だからです。
ネット上の施主ブログや実測例を見ると、積水ハウスのC値にはかなり幅があります。
標準的な仕様で建てた場合、C値1.5〜2.0cm²/m²前後、あるいはそれ以上の数値が紹介されているケースもあります。
一方で、気密施工にしっかり取り組み、気密測定を行った施主さんの例では、C値1.0以下、0.5以下、さらにかなり優秀な数値が出ているケースも見られます。
ただし、これらはあくまで個別の実測例であり、積水ハウスが全棟で保証している公式数値ではありません。
ここを混同してはいけません。
一般的に「高気密住宅」と呼ばれる水準としては、C値1.0以下をひとつの目安にすることが多いです。
さらに高性能を売りにする工務店では、C値0.5以下を目指すケースもあります。
この感覚で見ると、積水ハウスは「標準でC値を強く打ち出す会社」というより、施主側が気密施工や気密測定を相談することで、高気密側に寄せていく会社と考えたほうが現実的です。
オーナーが知るべき「気密施工」
しかし、ここで「なんだ、積水ハウスは気密性が低いのか…」と諦めるのは早計です。
積水ハウスに、高い気密性能を実現する技術がないわけでは、決してありません。
これが、積水ハウスで後悔しないための、おそらく最重要ポイントです。
積水ハウスで高気密を目指したい場合は、打ち合わせの早い段階で、「気密施工を強化したい」「C値を確認したい」「気密測定を実施したい」と伝えることが大切です。
具体的には、コンセントまわり、配管まわり、天井・床・壁の取り合い部分、換気設備まわりなど、隙間が生まれやすい場所を丁寧に処理していく必要があります。
また、気密性能は図面だけでは分かりません。
本当に確認したいなら、気密測定を行う必要があります。
気密測定をすれば、完成した家、または施工途中の家のC値が数値として分かります。
もし施工途中で測定できれば、数値が思ったより悪かった場合に、隙間を探して改善できる可能性もあります。
このため、断熱性能だけでなく気密性能にもこだわる人は、「気密施工の可否」と「気密測定の実施可否」を早い段階で確認しておくべきです。
◆北川のワンポイントアドバイス:気密は「要求」すべし! ただし「目標値」とのバランスが重要
もしあなたがC値1.0以下、あるいは0.5以下のような高気密住宅を、積水ハウスが誇る美しいデザインと両立させたいなら、「気密施工を強化したい」「気密測定をしたい」と営業担当者や設計士に早めに相談してください。
ただし、高気密を追求することには、トレードオフも存在します。
C値を極限まで高める、つまり数値を下げるには、隙間の原因となる外壁面のコンセントやスイッチの数を減らしたり、設置場所を内壁側に寄せたりするといった、生活の利便性やデザインの自由度を一部調整する提案がなされる場合があります。
当然、施工の手間が増える分のコストアップにもつながります。
ですから、ご自身の予算や設計の自由度と相談し、「我が家はC値1.0以下を目指そう」あるいは「0.5以下を目標にするなら、コンセント位置の制約も許容しよう」といった、明確な目標ラインを設定することが重要です。
そして、その決めた目標に近づけているかを確認するため、「気密測定(できれば施工途中と完成後の2回)」の実施を相談することをおすすめします。
ただし、この測定は外部業者への委託が必要になる場合があり、家の面積や依頼先にもよりますが施主負担で十数万円から二十万円前後の追加費用が見込まれることがあります。
また、C値は「実際に測ってみないと分からない」側面があり、必ずしも希望した目標値が達成できるとは限りません。
そのため、「C値○○以下を保証してほしい」と契約書に盛り込むのは難しいケースもあると思います。
現実的には、まず「気密施工を強化する」「気密測定を実施する」という項目を見積もりや打ち合わせ記録に残してもらい、どこまで対応できるかを確認するのが良いステップです。
窓の性能:断熱・デザイン・防犯性
家の熱の出入りが最も激しい場所、それは「窓」です。
冬場、室内から逃げる熱の多くは窓などの開口部から逃げると言われています。
当然、ここの性能が家全体の快適性を大きく左右します。
積水ハウスは、この窓にも独自の哲学があります。
単なる断熱性能だけでなく、デザインや、私が特に感動した「安全面」でも、かなり魅力的な仕様を持っています。
参考:積水ハウスの窓は外から見えない?オーナーが語る設計の答えはこちら
標準採用されることが多い「SAJサッシ」の特徴
積水ハウスの窓まわりでよく紹介されるのが、独自の「SAJサッシ(超高断熱アルミ樹脂複合サッシ)」です。
(※商品、地域、時期、一部サッシにより異なる場合があります)
SAJサッシは、一般的なアルミ樹脂複合サッシよりも高い断熱性能を目指した、積水ハウス独自のサッシです。
公式情報では、枠部のアルミに断熱樹脂を挟み込む構造や、アルゴンガス入りの高性能複層ガラスなどによって、断熱性・防露性・気密性を高めていると説明されています。
ここで注意したいのは、「Low-Eペアガラス16mm」といった一つの仕様に決め打ちしないことです。
積水ハウスの窓仕様には、遮熱断熱複層ガラス、防犯安全合わせ複層ガラス、寒冷地向けの高断熱ガラス、薄板トリプルガラスなど、選択肢や仕様差があります。
そのため、あなたの家で実際に何が採用されるかは、必ず仕様書で確認してください。
私がSAJサッシで特に素晴らしいと感じたのは、性能とデザインの高度な両立です。
工場見学で実物を見ましたが、一般的なサッシに比べてフレーム(框)がスリムに見え、野暮ったさがありません。
とてもスタイリッシュで、ガラス面積が広く見えることで、室内からの眺望や開放感にもつながります。
積水ハウスが大開口やコートハウス、内外のつながりを重視した設計を得意とする背景には、こうした窓まわりの独自仕様も関係していると感じます。
なぜ「樹脂サッシ」が標準ではないのか?
ここで、「あれ? 今は高性能といえば“樹脂サッシ”じゃないの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
確かに、YKK AP社の「APW330」などに代表されるオール樹脂サッシは、一般的にはアルミ樹脂複合サッシより断熱性能の面で有利とされることが多いです。
この事実から私なりに分析すると、積水ハウスのSAJサッシは、断熱性能の絶対値だけを追求したものではなく、高い断熱性能、スリムフレームによるデザイン性、大開口との相性、施工品質、保証体制、ブランドとしての統一感をバランスさせた戦略的な製品なのだと思います。
購入者は、この統合された設計思想に対しても対価を支払っていると言えるでしょう。
もちろん、寒冷地や高断熱仕様を目指す場合には、ガラスやサッシのグレードをさらに上げる提案が必要になることもあります。
「窓はどの仕様ですか?」「断熱等級6を目指す場合、窓はどう変わりますか?」「南面と西面でガラスの種類は変えますか?」と聞いておくと、かなり具体的な打ち合わせができます。
驚いた「防犯安全合わせ複層ガラス」
そして、これです。
これが私が積水ハウスに決めた理由の一つでもあるのですが、防犯性能が非常に高い点です。
私も契約前の仕様確認で知って、本当に驚きました。
わが家では、1階の大きな窓まわりに防犯安全合わせ複層ガラスが採用されていました。
(※標準採用の範囲は、商品、地域、窓の種類、プラン、契約時期によって異なる可能性があります。必ずご自身の仕様書で確認してください)
防犯安全合わせ複層ガラスは、ガラスの間に防犯性を高める中間膜を挟むことで、ガラス破りによる侵入をしにくくする仕様です。
泥棒がバールなどでガラスを破ろうとしても、簡単には貫通しにくく、侵入に時間がかかりやすくなります。
警察庁などの防犯情報でも、侵入に時間がかかるほど泥棒は諦めやすいとされています。
つまり、防犯ガラスは「絶対に侵入されない魔法のガラス」ではありませんが、侵入リスクを下げるための非常に重要な要素です。
他社では、これが高額なオプションになることも多い中、積水ハウスでは防犯性を意識した窓仕様が用意されています。
家の「性能」というと、どうしてもUA値やC値といった温熱環境ばかりに目が行きがちですが、家族の生命と財産を守る「安全・安心」という性能が高いレベルで考えられていることは、積水ハウスの非常に大きな強みだと私は感じています。
設計で決まる本当の快適さ
いくら高性能な断熱材や窓を使っても、それを活かす「設計」が伴わなければ意味がありません。
積水ハウスが「総合的な快適性」として最も得意とする、太陽の熱や光、風といった自然の力をコントロールする「パッシブデザイン」の考え方をご紹介します。
夏冬の日差しを操るパッシブ設計
パッシブデザインとは、エアコンなどの機械(アクティブ)に頼りすぎず、建物の形状や窓の配置といった「設計の工夫」によって、快適な環境を作ろうとする設計思想です。
その基本は、太陽との付き合い方、つまり「日射取得」と「日射遮蔽」という、相反する二つの概念をコントロールすることにあります。
- 日射取得(冬): 冬の低い角度から差し込む暖かい太陽光を、室内の奥まで積極的に取り入れ、天然の暖房として利用します。
- 日射遮蔽(夏): 夏の高い角度からの強い日差しを、室内に入れないように遮り、室内の温度上昇を防ぎます。
積水ハウス、特に木造のシャーウッドでは、日本の伝統的な建築のように「深い軒(のき)」や「庇(ひさし)」を活かすことで、これを非常に巧みに実現しやすいです。
夏の日差しは軒でカットし、冬の日差しは軒の下をくぐって室内を暖める、というシンプルな理屈です。
また、Low-Eガラスにも、日射を取り込みやすいタイプと、日射を遮りやすいタイプがあります。
私が担当設計士と綿密な打ち合わせをした際も、我が家の方位や日当たりを計算し、「南面は冬の日射取得を意識する」「西日は暑さ対策を優先する」といった形で、窓ガラスの考え方を戦略的に整理する提案を受けました。
こうした、一邸一邸の敷地条件に合わせた最適解を考えてくれるのが、積水ハウスの設計力だと感じています。
私が「イズ」で求めたこと
私は鉄骨造の「イズ」を選びました。
鉄骨造は、その構造上、木造のシャーウッドに比べて深い軒を出しにくいケースもありますが、そこを「設計力」でカバーしてもらっています。
例えば、以前のプラン提案の記事でもご紹介しましたが、私はプライバシーの確保と採光の両立のため、建物で中庭を囲む「コートハウス」のプランを強く希望しました。
当然、外からの視線を遮るために壁を高くすると、通常は室内が暗くなってしまいがちです。
そのジレンマを、担当のベテラン設計士は見事に解決してくれました。
リビングの階段上に吹き抜けを作り、その上部に大きな高窓(ハイサイドライト)を設けることで、外部からの視線は抑えながら、安定した天空光を室内の奥まで明るく届ける、という見事なプランを提案してくれたのです。
これがまさに「設計で快適さを実現する」好例だと思います。
ただ、ここで絶対に忘れてはいけないことがあります。
こうしたパッシブデザイン(特に冬の日射取得)の効果を最大限に引き出すには、「高断熱・高気密」が大前提となる、という厳然たる事実です。
せっかく昼間に太陽の熱(無料の暖房)で室内をポカポカに暖めても、家の断熱性能(UA値)が低ければ壁や窓から熱がどんどん逃げていきます。
また、家の気密性能(C値)が低ければ、隙間風や想定外の空気の出入りによって、その暖かさが外に逃げやすくなります。
積水ハウスが誇る、この洗練された設計思想の恩恵をしっかり受けるためにも、やはり、施主側が標準仕様だけで満足するのではなく、断熱性能の確認、断熱等級6への対応可否、気密施工や気密測定の相談を積極的に行うことが、最も論理的な結論と言えるでしょう。
積水ハウスの断熱・気密に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 積水ハウスのUA値は結局いくつですか?
A. 積水ハウスはZEH水準を基本にした家づくりを進めており、断熱等性能等級5相当をひとつの基準として考えると分かりやすいです。
6地域であれば、断熱等級5のUA値の目安は0.60 W/m²K以下です。
さらに、公式情報でも鉄骨住宅のぐるりん断熱や木造シャーウッドは断熱等級6にも対応可能とされています。
6地域で断熱等級6を目指す場合、UA値0.46 W/m²K以下がひとつの目安になります。
ただし、UA値は地域、商品、間取り、窓の大きさ、方位、仕様によって変わります。
「積水ハウスだから全国一律でこのUA値」とは言えないため、必ずご自身のプランのUA値計算結果を確認してください。
Q2. C値が2.0程度と聞きましたが、寒い家ではないですか?
A. まず、UA値(断熱性)がZEH水準を満たす設計であれば、断熱材はしっかり入っているため、極端に寒い家になるとは考えにくいです。
しかし、C値2.0前後という数値は、一般的に「高気密住宅」と強く言える水準ではありません。
冷暖房の効率や、24時間換気システムが計画通りに機能するか、といった点に影響が出る可能性があります。
隙間風による足元の冷えなどを感じる可能性もゼロではありません。
もし、あなたが冷暖房効率を最大化し、計画換気を正しく機能させ、隙間風による不快感をできるだけ減らしたいと考えるなら、気密施工の強化と気密測定の実施を相談することを強くおすすめします。
積水ハウスでも、気密にしっかり取り組んだ施主さんの実測例では、C値1.0以下や0.5以下の優秀な数値が出ているケースがあります。
ただし、それは公式の一律保証値ではないため、必ず担当者と個別に確認してください。
Q3. 鉄骨造(イズ)と木造(シャーウッド)で断熱性や気密性は違いますか?
A. 断熱性能(UA値)については、鉄骨造でも木造でも、高い断熱等級を目指すことは可能です。
鉄骨造は「ぐるりん断熱」で熱橋対策を行い、木造のシャーウッドは木造構造の特性を活かして断熱性能を高めています。
公式情報でも、どちらも断熱等級6に対応可能とされています。
気密性能(C値)については、一般論として、木造のほうが気密施工の考え方を整理しやすく、良い数値を出しやすいと言われることがあります。
一方、鉄骨造は部材の取り合いが複雑になりやすく、熱橋対策や気密処理の確認がより重要になります。
ただし、これはあくまで一般論です。
鉄骨造であっても、気密施工を丁寧に行い、気密測定で確認すれば、高い気密性能を目指すことは十分に可能です。
私も鉄骨造のイズで、断熱・気密・日射設計のバランスをかなり意識しました。
Q4. 窓を他社製の樹脂サッシ(APWなど)に変更できますか?
A. 原則として、積水ハウスのメインブランドでは難しいケースが多いと思います。
これは、積水ハウスがSAJサッシなど、自社の設計・施工・品質管理・保証体制に組み込まれたサッシを採用しているためです。
窓は単なる部材ではなく、断熱、防露、気密、防犯、デザイン、施工性、保証まで関わる重要な部分です。
どうしても他社製サッシを使いたい場合は、契約前に設計担当者に強く相談してみるしかありません。
ただし、実現は簡単ではないケースが多いと認識しておいたほうが良いと思います。
現実的には、積水ハウスの用意している窓仕様の中で、ガラスや断熱仕様をどう高めるかを相談するほうがスムーズです。
Q5. 断熱等級を上げる(例:等級6)と、費用はどれくらい上がりますか?
A. これは、建物の大きさや形状、窓の数と大きさ、建築地域、目指す等級、選ぶガラスや断熱仕様によって大きく変動するため、一概に「いくらです」とは言えません。
一般的には、断熱材の仕様変更、窓ガラスやサッシのグレードアップ、換気・空調計画の見直しなどが必要になる場合があります。
そのため、数十万円単位で収まるケースもあれば、プランによっては百万円単位で追加費用が発生する可能性もあります。
大切なのは、単純に「断熱等級6はいくらですか?」と聞くのではなく、「我が家のプランで断熱等級6を目指す場合、どの部位の仕様が変わり、いくら上がるのか」を具体的に確認することです。
【ご注意】必ずご自身のプランで確認を!
ここで記載している費用や数値は、あくまで一般的な目安と、私が家づくりの中で確認してきた考え方です。
仕様は日々進化していますし、あなたの家のプランによって金額は全く異なります。
正確な金額については、必ずご自身のプランと最新の見積もりを積水ハウスの担当者にご確認ください。
最終的なご判断は、専門家とよく相談の上、ご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。
まとめ:積水ハウスの性能は「引き出す」もの
ここまで、積水ハウスの断熱・気密性能について、一人の施主としての視点で、良い面も、そして注意すべき面も、率直にお話ししてきました。
結論として、積水ハウスは「ZEH水準を基本に、十分に快適な家」を提供してくれる会社だと私は感じています。
それに加えて、他社にはなかなか真似のできない「卓越したデザイン性」「大空間・大開口を実現する設計力」「高い防犯性能」「長期にわたる安心感」という、非常に大きな強みも持っています。
しかし、もしあなたが「UA値0.46前後の断熱等級6レベル」や「C値1.0以下を目指す高気密」といった、いわゆる数値的な高性能も、その美しいデザインと両立させたいのであれば、その性能は「何も言わなくても自動的についてくるもの」と考えないほうが良いです。
それは、施主であるあなたがその価値を理解し、積水ハウスが対応できる高性能な仕様や気密施工、気密測定について、「私はこれを確認したい」「この水準を目指したい」と自ら能動的に相談することで、初めて引き出しやすくなるものなのです。
積水ハウスで家を建てることは、美しく、品質が高く、そして安心して暮らせる住まいを手に入れる大きなチャンスです。
だからこそ、UA値やC値だけに振り回されるのではなく、断熱、気密、換気、窓、防犯、日射設計、間取り、空調計画まで含めて、総合的に考えてほしいです。
ぜひ本稿で得た知識を活用し、担当者と深い議論を交わし、適切な質問と要求をすることで、そのプレミアムな価格とデザインに見合った、最高に納得できる「世界一幸せなわが家」を実現してください。










