こんにちは。住まいをつなぐ「すまつな」の北川です。
間取り図を初めてじっくり見ると、LDKやWICは何となく分かっても、SIC、FCL、PS、MB、DS、VOIDあたりから急に暗号のように見えてきます。
さらに、方眼の一マスは何mmなのか、910mmと書いてあるのに完成した通路はなぜ910mmないのか、6畳なら実際にどれくらい家具を置けるのかなど、図面を読み込むほど新しい疑問も出てきます。
私も積水ハウスで自宅を建てる際は、部屋数や畳数だけではなく、建具の開き方、収納内部の寸法、家具を置いた後の通路、配管の位置まで図面上で何度も確認しました。
完成後に実際に暮らして感じるのは、間取り図は部屋の配置を見るものではなく、完成後の暮らしを先に体験するための資料だということです。
この記事では、代表的な間取りの記号や英語表記から、910mmモジュール、マス、畳数、坪数、有効寸法まで、図面を読むために必要な知識を一通り解説します。
記事のポイント
- LDK・WIC・SICなど代表的な間取り記号の意味
- PS・MB・DS・VOIDなど設備系略語の読み方
- 910mmモジュールと方眼一マスの考え方
- 家具配置まで含めた有効寸法の確認方法
間取り図は暮らしの設計図
間取りの見方を覚えるときは、記号を暗記するより先に「この図面から何を読み取りたいのか」を決めると分かりやすくなります。
最初に凡例と縮尺を見る
間取り図を受け取ったら、最初に確認したいのが図面名、縮尺、方位、凡例、寸法線です。
同じ住宅でも、提案用の間取り図、設計図、電気設備図、給排水図では、記号の意味や記載される情報量が違います。
特に略語は住宅会社や設計事務所によって異なる場合があるため、記事やネット上の一覧だけで意味を決めつけず、図面の凡例を優先してください。
国土交通省が公開している確認申請図書の作成例でも、平面図には室名、方位、寸法、通り芯、建具、設備など多数の情報が記載されています。
部屋数だけでは判断しない
3LDKや4LDKという表記を見れば部屋数は分かりますが、それだけでは暮らしやすさまでは判断できません。
例えば同じ4LDKでも、玄関からキッチンまで遠い家、洗濯機と物干し場所が離れた家、収納扉を開けると通路が塞がる家では使い勝手がかなり変わります。
収納の奥行きや柱の出っ張り、PSの位置によって、同じ畳数でも家具を置ける面積が変わる点も見逃せません。
より広い視点で間取りを考えたい場合は、親記事の積水ハウスの間取り実例と暮らしやすい設計の考え方も参考にしてください。
図面を暮らしへ変換する
私が図面を見るときに意識したのは、紙の上の線を実際の行動へ置き換えることでした。
玄関から買い物袋を持ってキッチンへ行く、朝に家族が洗面室へ集まる、椅子を引いて後ろを通る、掃除機を持って階段を上がる、といった場面を一つずつ想像します。
すると、単なる「廊下」や「収納」という四角形が、毎日何度も使う場所として見えてきます。
間取り図を見る目的は、記号を読めるようになることではなく、完成後に起こりそうな小さな不便を着工前に見つけることです。
間取りの記号一覧
まずは住宅の間取り図でよく使われる代表的な英語表記と略語を一覧で確認しておきましょう。
| 表記 | 主な意味 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| LDK | リビング・ダイニング・キッチン | 畳数、家具配置、通路 |
| DK | ダイニング・キッチン | 食卓を置いた後の余裕 |
| BR | ベッドルーム | ベッドと通路の寸法 |
| WIC | ウォークインクローゼット | 収納量と内部通路 |
| SIC | シューズインクローゼット | 靴以外の収納用途 |
| FCL | ファミリークローゼット | 家事動線と家族動線 |
| CL | クローゼット | 内部の有効奥行き |
| STO | 収納・物入れ | 棚の有無と奥行き |
| S | サービスルームなど | 居室として扱われない理由 |
| DEN | 書斎・小部屋 | 用途と換気・採光 |
| PS | パイプスペース・パイプシャフト | 配管位置と音 |
| MB | メーターボックス | 設備点検用スペース |
| DS | ダクトスペース・ダクトシャフト | 換気ダクトの経路 |
| UB | ユニットバス | 浴室サイズと入口 |
| UT | ユーティリティ | 洗濯や家事用途 |
| EV | エレベーター | 昇降路と周囲寸法 |
| VOID | 吹き抜けなどの床がない空間 | 上下階のつながり |
| TR | トランクルーム | 専用・共用の区分 |
| SB | 下足入れなど | 図面ごとの定義 |
| FL | 床レベルなど | 高さを示す数値 |
| R | 冷蔵庫置場など | 凡例による意味確認 |
この表は代表例であり、同じアルファベットでも住宅会社や図面の種類によって別の意味になることがあります。
特にSB、R、FLなどは決めつけず、必ず図面の凡例や担当者の説明と照らし合わせましょう。
収納の略語を読む
WICやSICのような収納表記は分かりやすそうに見えますが、名称よりも内部寸法と動線を読む方が重要です。
WICは歩ける収納
WICとはWalk In Closetの略で、人が内部へ入って衣類などを出し入れできる収納を指します。
普通のCLより広く見えますが、ウォークインするための通路部分にも床面積を使うため、同じ面積なら壁一面のクローゼットの方が収納量を確保できる場合があります。
間取り図でWICを見る際は、広さの数字だけではなく、ハンガーパイプを設ける壁の長さ、棚の奥行き、入口の位置を確認してください。
SICは玄関収納
SICとはShoe In Closetの略で、玄関から入れる大きめの靴収納として使われる表記です。
シューズクロークやSCと表記されることもあります。
靴だけではなく、ベビーカー、傘、アウトドア用品、子どもの外遊び用品、コートなどを収納する計画もあります。
ただし、何でも置ける場所にすると床に物が増えやすいため、棚板の高さや奥行きまで決めておく方が使いやすいです。
FCLは家族共用収納
FCLはFamily Closetの略として使われ、家族の衣類などをまとめて収納する空間を指すことが一般的です。
ファミリークローゼットを洗面室やランドリールームの近くへ置けば、洗う、乾かす、しまうという洗濯動線を短くできます。
一方、家族全員が朝に同じ場所へ集まると混雑する可能性もあるので、入口の位置や通路幅まで見ておきたいところです。
CLとSTOも寸法を見る
CLは一般的なクローゼット、STOはStorageの略として収納や物入れを示すことがあります。
同じ一畳程度の収納でも、扉の位置、棚の奥行き、柱型の有無によって収納できる物はかなり変わります。
掃除機を置くならコンセント、布団を置くなら棚の奥行き、スーツケースなら入口幅まで必要です。
設備と配管の略語
PSやMBは居室ではありませんが、家具配置や音、将来の点検にも関係するため見逃したくない表記です。
PSは配管スペース
PSはPipe SpaceまたはPipe Shaftの略として使われ、給水管、排水管などを通すためのスペースです。
特に二階にトイレや洗面、浴室がある住宅では、上下階をつなぐ配管経路が必要になります。
PSが寝室やリビングの壁際にある場合は、排水音がどの程度聞こえる設計なのか確認しておくと安心です。
また、図面上では小さな四角形でも、その部分には家具を置けなかったり壁面が短くなったりするため、実際に使える壁の長さを見る必要があります。
MBはメーターボックス
MBはMeter Boxの略として使われ、電気、ガス、水道などのメーターを収めるスペースを示すことがあります。
マンションの間取り図では玄関付近で見かけることが多い表記ですが、戸建住宅では設備の配置や図面の表記方法が異なります。
MBと書かれているから収納に使えると考えず、設備用の場所として見てください。
DSはダクトスペース
DSはDuct SpaceまたはDuct Shaftの略として、換気や空調のダクトを通すスペースに使われます。
レンジフードや浴室換気、全館空調などの設備は、機器本体だけでなく空気を外へ運ぶ経路が必要です。
天井をすっきり見せたい場合でも、梁やダクトによって一部だけ天井が下がることがあるため、平面図だけではなく天井伏図や断面図も見ておくと分かりやすいです。
UBとUTの意味
UBはUnit Bathの略でユニットバスを示し、UTはUtilityの略として洗濯や家事を行うユーティリティ空間を示す場合があります。
UTは住宅会社によって洗面脱衣室やランドリールームに近い意味で使われることもあるため、具体的な用途を確認しましょう。
部屋名と用途の表記
LDK、DK、S、DENなどは単なる英語の略ではなく、その空間をどのように使うのかを読み解く手掛かりになります。
LDKとDKの違い
LDKはLiving Dining Kitchen、DKはDining Kitchenの略です。
LDKは居間、食事、調理の機能が一つの空間にあり、DKは食事と調理の機能を持つ空間として使われます。
不動産広告ではDKやLDKと表示する場合の広さについて指導基準があり、居室が一部屋ならDK4.5畳、LDK8畳、居室が二部屋以上ならDK6畳以上、LDK10畳以上が一つの目安とされています。
ただし、これは住宅設計そのものの最低基準ではなく、不動産広告でDK・LDKという表示を行う際の基準です。
(出典:不動産公正取引協議会連合会「DK・LDKの広さの目安」)
Sはサービスルーム
間取りの「S」はService Roomを意味する表記としてよく使われ、納戸と説明されることもあります。
見た目は普通の洋室に近くても、建築基準法上の居室に必要な採光などの条件を満たさない場合に、洋室ではなく納戸やサービスルームとして表示されることがあります。
そのため、2LDK+Sの「S」が実質的に三つ目の部屋として使えそうに見えるケースもあります。
ただし、窓、換気、コンセント、空調、収納などの条件は物件ごとに違うので、寝室として使えると最初から決めつけない方がよいでしょう。
納戸と洋室は何が違う
納戸と洋室の違いを考えるときは、床面積や見た目ではなく、法律上の居室として必要な条件を満たしているかを見る必要があります。
大きな納戸だから必ず洋室として表示できるわけではなく、反対に小さな部屋でも条件を満たしていれば居室となる場合があります。
注文住宅では、将来その空間をどのように使いたいのかを設計段階で伝えておくことが大切です。
DENは小さな個室
DENは書斎、趣味室、ワークスペースなどの小さな部屋を示す名称として使われます。
DENという言葉そのものに全国共通の厳密な広さが決まっているわけではありません。
図面にDENと書いてあれば、おしゃれな名称だけを見るのではなく、窓、空調、コンセント、机を置いた後の通路まで確認してください。
VOIDは吹き抜け
VOIDは直訳すると空洞という意味で、住宅の図面では吹き抜けなど床がない空間を示す表記として使われます。
二階の平面図にVOIDや「吹抜」と書かれている場所は、一階から天井まで上下につながるため、二階の床として使える場所ではありません。
吹き抜けは開放感や採光を得やすい一方、音、空調、照明交換、高所の窓掃除まで考える必要があります。
建具と方位の見方
間取り図では部屋の広さ以上に、ドアや引き戸、窓、方位を丁寧に見ると暮らしの不便を発見しやすくなります。
開き戸は円弧を見る
開き戸は、図面上で扉と円弧のような線を組み合わせて開く方向が示されることがあります。
この円弧を見れば、どちら側へ開くのか、家具や人の動線とぶつからないかを想像できます。
例えばトイレや洗面室の扉が廊下側へ開く場合、通行中の家族と干渉しないか確認したいところです。
収納扉も同じで、扉を全開にした状態で人が後ろを通れるかまで見てください。
引き戸は壁との関係を見る
引き戸は開閉時に扉が横へ移動するため、開き戸のような大きな開閉スペースを取りにくいことが利点です。
ただし、引き戸を引き込む壁にはスイッチ、コンセント、家具を配置しにくい場合があります。
窓は位置と高さを見る
間取り図では窓の横幅は把握しやすいものの、床からどの高さに付くのかまでは平面図だけで分からないことがあります。
同じ幅の窓でも、掃き出し窓、腰窓、高窓では家具の置き方や外からの視線がまったく違います。
テレビやベッド、収納家具を置く予定の壁なら、窓の位置だけでなく高さも立面図で確認しましょう。
方位は日差しを想像する
間取り図に方位記号があれば、北の向きを確認し、窓から入る光を時間帯ごとに想像します。
南側だから必ず快適、西側だから必ず悪いという単純な話ではありません。
隣家、道路、軒、植栽、窓の大きさによって光の入り方や視線は変わります。
910mmとマスの基本
住宅の間取り図に方眼が引かれている場合、その一マスが設計上の基準寸法を表していることがあります。
910mmは尺モジュール
日本の木造住宅などでは、約910mmを一つの基準寸法とする尺モジュールが広く使われています。
図面の寸法を見ると910mm、1,820mm、2,730mm、3,640mmという数字が並ぶことがありますが、これは910mmの倍数です。
一辺910mmの正方形なら、面積は約0.828平方メートルになります。
四マスで約3.31平方メートルとなるため、計算上はおおむね一坪に近い面積です。
一マスと半マス
一般的な910mmグリッドなら、一方向の一マスが910mm、半分が455mmです。
そのため「0.5マス」と言われた場合、910mmの半分である455mmを意味しているケースがあります。
ただし、図面ソフトや住宅会社によってマスの表示方法は違うので、方眼だけから寸法を断定しないでください。
910mmは内寸ではない
ここは間取りの見方でかなり大切です。
図面上で910mmと書かれていても、完成した室内の有効幅が910mmあるとは限りません。
柱や壁には厚みがあり、石こうボードや仕上げ材、巾木なども付くためです。
芯々と内法は別物
柱や壁の中心から中心まで測る寸法を「芯々」、仕上がった壁の内側から反対側の壁の内側までを「内法」と考えると分かりやすいです。
家具を置いたり人が歩いたりするときに重要なのは、基本的に完成後の内法や有効寸法です。
図面に1,820mmと書かれているから幅1,820mmの家具が入る、と考えるのは危険です。
910mmの尺モジュールと1,000mmを基準にするメーターモジュールの違いは、積水ハウスのメーターモジュールと有効寸法の解説でも詳しく紹介しています。
面積と畳数の計算
間取り図を比較するときは、畳、平方メートル、坪という三つの単位を行き来できると全体の広さをつかみやすくなります。
平方メートルと坪の関係
一坪は約3.3058平方メートルとして換算できます。
反対に、一平方メートルは約0.3025坪です。
例えば床面積100平方メートルなら、単純換算では約30.25坪になります。
ただし、延床面積と施工面積は同じとは限らないため、見積もりや坪単価を比較するときは何の面積を使っているのか確認してください。
畳数は目安として読む
不動産広告では、畳一枚当たり1.62平方メートル以上という基準が使われます。
単純計算なら、10畳は16.2平方メートル以上という考え方になります。
しかし、注文住宅の打ち合わせで使う「畳」や「帖」の表示方法がすべて同じとは限りません。
住宅会社の図面では、その会社の設計基準やモジュールに基づいて畳数を表示している場合があるため、実寸を確認するのが確実です。
畳数より部屋の形を見る
同じ六畳でも、正方形に近い部屋と細長い部屋では家具の置きやすさが違います。
柱が室内へ出ていれば、ベッドを壁へぴったり寄せられない場合もあります。
クローゼットの扉を開ける場所や室内ドアの軌跡も必要なので、床面積の全部を家具に使えるわけではありません。
そのため、何畳あるかを確認したら、次は壁面の長さを確認するのがおすすめです。
有効寸法で暮らしを読む
間取り図が読めるようになったら、次は家具や設備を置いた後に残る「本当に使える幅」を見ていきます。
家具を実寸で入れる
ソファ、ダイニングテーブル、冷蔵庫、ベッドなどの大きな家具は、予定しているサイズを図面へ実寸で入れてもらうと分かりやすくなります。
家具そのものが収まるだけでは足りません。
椅子を後ろへ引く、冷蔵庫の扉を開く、収納の引き出しを出す、人がその後ろを通るという動きまで必要です。
キッチンは扉まで描く
キッチンでは、冷蔵庫、食器棚、食洗機、収納扉を開いた状態を想像してください。
通路の両側から引き出しを開ける設計なら、同時に開いたときに干渉しないかを見る必要があります。
冷蔵庫は本体寸法だけでなく、放熱に必要な余裕や扉の開き方によって必要スペースが変わります。
買い替えで将来少し大きな冷蔵庫を選ぶ可能性も考えておくと安心です。
洗面室は設備後を見る
洗面室や脱衣室は、図面だけを見ると十分な広さに感じても、洗濯機、洗面台、収納を置くと通路が細くなることがあります。
ドラム式洗濯機では扉を開いた状態、縦型洗濯機では上部の棚との関係も確認したいところです。
洗濯かごを床へ置いた状態で家族が通れるかまで想像すると、完成後の使い勝手に近づきます。
廊下は最小幅を見る
廊下全体が広くても、柱、手すり、建具枠などによって一か所だけ狭くなっていれば、家具搬入や日常動線ではそこが基準になります。
特に大型ソファ、冷蔵庫、マットレスは、玄関を通った後の曲がり角や階段で入らなくなることがあります。
担当者には「この廊下は何mmですか」だけではなく、完成後の最も狭い部分で何mm残りますかと聞くと具体的です。
図面比較で確認すること
複数の間取り案を比較するときは、部屋数や延床面積だけを横に並べるのではなく、生活の場面ごとに確認していくと違いが見えてきます。
収納面積より場所を見る
収納が多い間取りでも、使う場所から遠ければ片付けにくくなります。
玄関には外で使う物、キッチンには食品や調理家電、洗面室にはタオルや洗剤というように、持ち物と収納場所を対応させてください。
一か所の大きな納戸へすべて集めるより、小さな収納を適切な場所へ分けた方が便利な家庭もあります。
PSや柱の出を確認する
間取り図の隅にある小さなPSや柱型は、つい無視しがちです。
しかし、その数十cmによってベッド、机、テレビボードが予定していた位置へ置けなくなることがあります。
家具を配置するときは、部屋の面積ではなく、連続して使える壁の長さを見るのがコツです。
最新版の図面を使う
注文住宅では打ち合わせのたびに図面が更新されます。
一つ前の図面と最新版を混ぜて確認すると、変更したはずの建具や収納、コンセントが分からなくなります。
私も家づくりでは、図面の版と見積もりの内容が合っているかを確認することを大切にしました。
設計担当者がいつ加わるのか、契約前にどこまで図面を詰めるべきかについては、積水ハウスの設計士が加わる時期と契約前の確認事項も参考になります。
分からない記号は聞く
図面を前にして「こんな基本的なことを聞いていいのかな」と遠慮する必要はありません。
むしろ、PSとは何なのか、この数字は芯々なのか内法なのか、扉を開けたら何mm残るのかという質問こそ、完成後の後悔を減らします。
住宅会社ごとに図面のルールや略語が違う以上、分からないまま契約判断する方が危険です。
「たぶんこの意味だろう」で図面を読むのは避けましょう。
特に略語、寸法、床レベル、設備スペースは、凡例や担当者の説明で確定させることが大切です。
図面を契約判断に使う
間取り図を読めるようになると、提案を受けたときに「広くて素敵ですね」で終わらなくなります。
収納は使う場所にあるか、冷蔵庫を開けても通れるか、PSで家具の壁面が減っていないか、窓の前にテレビを置くことにならないかと、具体的な質問ができます。
積水ハウスに限らず、担当者の提案力を見る意味でも、あなた自身が最低限図面を読める状態になっておくことは大きなメリットです。
積水ハウスを候補に入れていて、まだ展示場訪問や資料請求などの初回接触前であれば、担当者選びや紹介ルートについてすまつなの無料相談も利用できます。
間取りを本格的に作り始める前から良い担当体制をつくることで、設計の相談もしやすくなります。
間取り図に関するよくある質問
最後に、間取り図の記号や寸法について特に質問が多いポイントをまとめます。
Q1. WICとCLの違いは?
A. 大きな違いは、人が収納内部へ入って使うことを前提としているかどうかです。
WICは内部に通路を持つことが多く、CLは居室側から直接物を出し入れする収納が一般的ですが、名称より実際の寸法と収納方法を確認してください。
Q2. PSは収納に使えますか?
A. 基本的には収納スペースとして考えない方がよいです。
PSは給排水などの配管を通すための場所なので、家具配置を考える際はPSを除いた壁面や有効寸法を確認してください。
Q3. 910mmは実際の幅ですか?
A. 必ずしも完成後の有効幅が910mmになるわけではありません。
910mmが壁や柱の芯を基準とした寸法なら、壁厚や仕上げ材を差し引いた室内の有効寸法は小さくなるため、内法寸法を確認しましょう。
Q4. Sは普通の部屋ですか?
A. Sはサービスルームや納戸を意味することが多く、一般的な居室と同じ扱いとは限りません。
採光などの条件によって居室として表示されていない場合があるため、実際に寝室や仕事部屋として使う予定なら窓、換気、空調、コンセントまで確認してください。
Q5. 畳数だけで広さは分かる?
A. 大まかな目安にはなりますが、家具を置いた後の使いやすさまでは分かりません。
同じ六畳でも部屋の縦横比、柱、収納扉、窓、室内ドアによって家具配置が変わるため、実寸と壁面の長さまで確認するのがおすすめです。
まとめ
間取り図を読むときは、LDK、WIC、SIC、PSといった記号の意味を知ることが入口になります。
ただし、略語を全部覚えること自体が目的ではありません。
大切なのは、その記号が完成後の暮らしへどのような影響を与えるのかまで読むことです。
WICなら収納内部の通路、SICなら玄関動線、PSなら家具を置ける壁の長さ、VOIDなら上下階の音や空調まで見てください。
910mmという数字を見つけたときも、そのまま使える幅だと思わず、芯々なのか内法なのかを確認します。
畳数や坪数は家全体の広さを把握するには便利ですが、毎日の暮らしを決めるのは家具を置いた後に残る有効寸法です。
私自身、積水ハウスで家を建てて感じたのは、図面を読めるようになるほど設計担当者との会話が具体的になるということでした。
「ここは狭いですか」ではなく、「冷蔵庫を開けた状態で何mm残りますか」と聞ければ、答えもずっと具体的になります。
注文住宅は、契約した瞬間ではなく、図面の一本一本を確認していく時間の積み重ねで完成します。
あなたも間取り図を部屋の配置図として見るだけではなく、家族が実際に動いている場面を想像しながら読んでみてください。
そこで感じた小さな違和感こそ、完成前に解消しておきたい大事なサインです。





