こんにちは。住まいをつなぐ「すまつな」の北川です。
私は積水ハウスで土地探しから注文住宅を建てましたが、お金の流れで最初に戸惑ったのが「住宅ローンはいつ申し込み、いつ銀行からお金が出て、住宅会社にはいつ払うのか」という部分でした。
建売住宅なら完成した家を購入して決済するイメージを持ちやすいのですが、注文住宅はそう単純ではありません。
土地を購入する場合は土地代が先に必要になり、その後も建物の契約金、着工金、中間金、完成時の残金など、家が完成する前から何度か大きな支払いが発生する可能性があります。
ところが、住宅ローンの商品によっては建物完成時まで全額を受け取れないことがあります。
そこで登場するのが、分割融資やつなぎ融資です。
注文住宅では、住宅ローンの金利だけを見るのではなく「必要な日に必要なお金を出してもらえるか」まで確認することがかなり大切ですよ。
この記事では、注文住宅の住宅ローンをいつから動かすのか、審査のタイミング、支払い時期、融資実行、分割融資、つなぎ融資、頭金なしで建てる場合の注意点まで、私自身の経験も交えながら順番に説明します。
注文住宅全体の費用や進め方、依頼先については、注文住宅とは?費用・流れ・依頼先を実際に建てた施主が解説でまとめています。
記事のポイント
- 注文住宅で住宅ローンを始めるタイミング
- 事前審査から融資実行までの流れ
- 土地代・着工金・中間金・残金の支払い時期
- 分割融資・つなぎ融資・頭金なしの注意点
注文住宅ローンの全体像
注文住宅の住宅ローンを理解するには、まず「住宅会社への支払い」と「銀行からの融資」を別々に見る必要があります。
家づくり全体の順番から確認したい場合は、先に注文住宅の流れと家づくりの手順を読んでおくと、住宅ローンがどこに入るのか分かりやすいですよ。
審査と支払いは別に進む
注文住宅では、住宅ローンの審査を受けたからといって、すぐに借入金の全額が口座へ入るわけではありません。
一般的な住宅ローンでは、事前審査、正式審査、ローン契約、融資実行という段階を踏みます。
一方、住宅会社との間では、工事請負契約を結び、契約内容に応じて契約金、着工金、中間金、完成時の残金などを支払っていきます。
つまり、銀行側のスケジュールと住宅会社側の支払予定を重ね合わせなければなりません。
注文住宅の資金計画で見るべきなのは総額だけではありません。
「いつ・誰に・いくら支払うのか」と「その日にどの資金を使うのか」まで決めて、初めて実際に動かせる資金計画になります。
住宅ローンの一般的な手続きについても、金融機関では事前審査、正式審査、契約、借入という段階が案内されています。
参考として、三菱UFJ銀行「住宅ローンのお手続きの流れ」でも基本的な手続きの順番を確認できます。
住宅ローンはいつから動くか
私は、注文住宅を建てるなら住宅会社との契約直前まで住宅ローンを放置する進め方はおすすめしません。
かなり早い段階で事前審査を行い、自分がどの程度の借入を検討できるのか確認しておく方が家づくりを進めやすいからです。
特に土地から探す場合、気に入った土地が見つかった後に初めて住宅ローン審査を始めると、土地の契約や決済期限との兼ね合いで慌ただしくなることがあります。
ただし、事前審査には予定する土地や建物価格などの情報が必要になる場合があります。
私も土地が完全に確定する前から、想定する土地と建物の計画を作ってもらい、それを基に仮審査へ進みました。
住宅ローンの流れ
ここからは、注文住宅で住宅ローンを利用するときの流れを、家づくりの進行と重ねながら見ていきます。
金融機関や土地の有無によって順番が前後するため、以下は一般的なイメージとして見てください。
総予算と自己資金を決める
最初に考えるのは「銀行からいくら借りられるか」ではなく、土地・建物・諸費用を合わせていくらまで使うのかです。
注文住宅では建物本体価格以外にも、付帯工事、地盤対策、外構、登記、住宅ローン関連費用、火災保険、家具、家電、引っ越しなどの支出があります。
土地から購入する場合は、土地価格だけでなく仲介手数料や登記などの土地取得費も加わります。
この全体額から自己資金として出す金額を決め、その残りを住宅ローンでどこまで賄うか考えていきます。
注文住宅そのものにどのような費用がかかるかは、注文住宅の費用相場と土地込み総額でも詳しくまとめています。
事前審査を受ける
次に住宅ローンの事前審査、いわゆる仮審査です。
ここでは、申込者の収入や勤務状況、既存の借入、希望借入額、予定する物件などを基に審査が行われます。
注文住宅の場合は完成した物件がまだ存在しないため、土地の資料、建物の見積もり、予定している工事内容などを使って手続きを進めることがあります。
私の場合も、土地と建物を合わせた大きな計画だったので、家づくりのかなり早い段階から仮審査を進めました。
その時の実体験は、住宅ローン1億2千万円の仮審査に挑んだ記録で公開しています。
事前審査の承認は、住宅ローンの最終的な融資を確約するものではありません。
その後の正式審査や団体信用生命保険の確認、物件条件などによって結果が変わる可能性があります。
土地契約と決済へ進む
土地を持っていない場合は、注文住宅の建築より前に土地代の支払いが発生するケースがあります。
土地売買契約では手付金を支払い、その後の決済日に残代金を支払うという流れが一般的ですが、金額や条件は売買契約によって異なります。
ここで問題になるのが、建物完成時に住宅ローンをまとめて実行する商品を利用する場合です。
土地代を先に払わなければならないのに、建物完成はまだ先。
そのため、土地先行融資、分割融資、つなぎ融資などを利用できるかが重要になってきます。
建物の請負契約を結ぶ
住宅会社とのプランや見積もりが固まってきたら、工事請負契約へ進みます。
この時点で必ず確認してほしいのが契約書に記載される支払条件です。
「契約時に必ず何%」「着工時は必ず何%」という全国共通の割合があるわけではありません。
住宅会社、契約内容、工事工程などによって支払い時期や金額は異なります。
だから契約前に、住宅会社から支払予定を出してもらい、金融機関にも共有しておくのが大事ですよ。
請負契約で見るべき項目については、注文住宅の契約前チェックと重要確認事項も合わせて確認してください。
正式審査へ進む
土地や建物の内容、借入希望額などが具体化した段階で、住宅ローンの正式審査へ進みます。
事前審査より詳細な書類が必要になり、収入関係の資料、本人確認資料、土地や建物に関する資料、工事請負契約書などを求められる場合があります。
団体信用生命保険へ加入する住宅ローンでは、健康状態についての告知も重要です。
私自身、この団信の確認では診断書の提出が必要になりました。
団信の診断書提出と仮審査結果までの経緯は、【我が家の住宅ローン全記録 Vol.3】最大の山場! 団信の診断書と仮審査の結果で詳しく紹介しています。
ここは「事前審査が通っているから大丈夫だろう」と軽く見ず、必要な書類を正確にそろえて進めるべきところです。
ローン契約を締結する
正式審査で承認された後は、金融機関との住宅ローン契約へ進みます。
本審査の承認から金利決定までの経緯は、【我が家の住宅ローン全記録 Vol.4】ついに本審査承認! 金利決定と感謝で紹介しています。
住宅ローンの契約は「金銭消費貸借契約」と呼ばれることがあります。
ここでは借入額、金利タイプ、返済期間、毎月の返済方法、融資実行日、団信、手数料などを確認します。
特に注文住宅では「いつ融資されるのか」を金利と同じくらい丁寧に見てください。
融資実行日と住宅会社への支払日がずれていたら、その期間の資金を別に準備しなければならないからです。
融資実行と引き渡し
建物が完成して必要な手続きがそろうと、住宅ローンの最終的な融資実行へ進みます。
融資された資金から住宅会社への残金などを支払い、登記や抵当権設定などの手続きを経て、建物の引き渡しとなる流れがあります。
ただし、分割融資を利用している場合は、それ以前に土地や建築途中の資金として一部が実行されていることもあります。
したがって、「住宅ローンは引き渡し日に一度だけ実行される」と覚えてしまうのは避けた方がいいでしょう。
注文住宅の支払い時期
注文住宅の資金計画で一番イメージしにくいのが、住宅会社や土地売主へ実際にお金を支払うタイミングです。
代表的な支払いを時系列で並べると、次のようになります。
| 段階 | 主な支払い | 主な資金候補 |
|---|---|---|
| 土地契約 | 土地の手付金など | 自己資金など |
| 土地決済 | 土地残代金・取得費 | 自己資金・土地先行融資・分割融資など |
| 建物契約 | 契約金 | 自己資金など |
| 着工 | 着工金 | 自己資金・分割融資・つなぎ融資など |
| 建築途中 | 中間金 | 自己資金・分割融資・つなぎ融資など |
| 完成・引き渡し | 建物残金・精算金 | 住宅ローンの融資など |
これはあくまで代表例であり、すべての注文住宅がこの順番や名称になるわけではありません。
土地代は建築前に必要
土地から購入する人にとって、最初の大きな資金需要が土地です。
土地の所有権を取得してから住宅を建てる場合、建物が完成するずっと前に土地代の決済を迎えることがあります。
土地代を現金で支払えるなら話は比較的単純ですが、土地代から借入を利用する場合は金融機関の対応方法を早めに確認する必要があります。
「建物の住宅ローンが通れば土地も何とかなるだろう」ではなく、土地代をいつ、どの融資で払うのかまで決めておきましょう。
契約金はローン前の場合もある
住宅会社との工事請負契約時に契約金が必要になる場合があります。
この時点では住宅ローンの最終融資がまだ行われていないこともあるため、自己資金から支払うケースも考えられます。
頭金なしで家を建てる予定でも、こうした先行支払いがあれば、一時的な現金がまったく不要とは限りません。
着工金と中間金が大きな山場
建物工事が始まると、工事請負契約に基づき着工金や中間金の支払いが設定される場合があります。
金額が大きくなりやすいため、注文住宅の住宅ローンで最も資金調達方法を確認しておきたい部分です。
この段階の資金に住宅ローンを分けて実行してもらえるのか、つなぎ融資が必要なのか、それとも自己資金で支払うのかを確認します。
残金は引き渡し前後に確認
完成時には、それまで支払った金額を差し引いた建物代金の残金などを精算します。
追加工事や減額変更があった場合は、契約当初の金額と最終支払額が変わっていることもあります。
このため、引き渡し前には住宅会社の最終精算額と金融機関の融資実行額を照らし合わせてください。
外構、家具、カーテン、設備などが建物とは別契約になっている場合は、住宅ローンの借入対象に含まれるかも別途確認が必要です。
分割融資とつなぎ融資
注文住宅では完成前に支払いがあるため、住宅ローンの融資タイミングが家づくりと合わないことがあります。
その資金差を埋める代表的な方法が分割融資とつなぎ融資です。
二つの仕組みは別物
どちらも完成前の資金に対応するために使われますが、仕組みは同じではありません。
分割融資の考え方
分割融資は、住宅ローンの借入金を一度に全額実行するのではなく、土地取得や建物完成などのタイミングに合わせて複数回に分けて実行する仕組みです。
金融機関によって対応回数、対象資金、返済開始方法、手数料、抵当権の扱いなどが異なります。
土地購入時と建物完成時の二回に分ける商品もあれば、着工金や中間金への対応方法が別になっている商品もあります。
つなぎ融資の考え方
つなぎ融資は、住宅ローンの本融資が実行されるまでの間に発生する費用を一時的に借りるための融資です。
住宅を新築する場合、土地代や着工金、中間金などの資金需要が本融資より前に来るため、その間を「つなぐ」という考え方ですね。
金融機関によって取扱いの有無や対象になる支払いは異なります。
例えば、住信SBIネット銀行「つなぎ融資とは何ですか?」でも、住宅の引き渡し前に発生する着工資金や中間資金などへ対応する仕組みが案内されています。
分割融資が使えるからつなぎ融資が不要、つなぎ融資があるから自己資金が不要、と一律には言えません。
土地、契約金、着工金、中間金などのうち、どこまで対象になるかを一つずつ確認してください。
金利以外も比較する
住宅ローン比較では、どうしても表示されている金利へ目が向きます。
もちろん金利は重要ですが、注文住宅ではそれだけでは決められません。
土地先行融資に対応するか、分割実行できるか、つなぎ融資が必要か、融資手数料はいくらか、実行ごとに費用がかかるかなども確認する必要があります。
さらに、本融資の適用金利が申込時に決まるのか融資実行時に決まるのかも商品によって確認しておきたい項目です。
注文住宅は申込みから建物完成まで時間が空くため、この違いも資金計画へ影響します。
ローン審査のタイミング
注文住宅のローン審査は、土地や住宅会社の契約と無関係に後から行うものではありません。
契約の順番と審査の進行を合わせることが大切です。
事前審査は早めに行う
土地を探し始め、住宅会社からある程度の建物予算が見えてきた頃には、事前審査を検討できる段階に入ります。
早めに審査を行う最大の理由は、借入可能額いっぱいまで借りるためではありません。
自分たちの計画そのものが金融機関から見て現実的なのか確認するためです。
希望する建物が六千万円、土地が三千万円だから九千万円借りたい、と家族だけで決めても、その条件で融資を受けられるとは限りません。
逆に高額の承認が出たとしても、その金額まで使わなければならないわけではありません。
「借りられる額」と「無理なく返し続けられる額」は別に考えてください。
正式審査は計画を具体化して進む
正式審査では、事前審査よりも具体的な計画を基に確認が進みます。
土地売買契約書、工事請負契約書、見積書など、金融機関が指定する書類の提出を求められることがあります。
必要書類や提出時期は金融機関によって違うため、住宅会社側にも審査予定を共有しておくと進めやすいでしょう。
審査後の大きな変更に注意
住宅ローンの審査後に借入額が大幅に増えたり、転職したり、ほかの借入を増やしたりすると、確認が必要になる場合があります。
車のローンやカードローンなどを新たに利用する予定がある場合も、住宅ローンの手続き中は自己判断で進めない方が無難です。
また、注文住宅では契約後の仕様変更によって建築費が増えることがあります。
我が家でも希望を追加していく中で総額は当初計画より大きくなりました。
借入承認額と最終的な建築総額の差を常に確認しておくことが大切です。
頭金なしでも建てられるか
注文住宅を考えていると、「頭金なしで住宅ローンを組めるのか」という疑問も出てきます。
住宅ローンの商品や審査結果によっては、頭金を入れずに住宅取得費の大部分を借りる選択肢があります。
ただし、頭金なしと自己資金ゼロは同じ意味ではありません。
フルローンでも現金は要る
いわゆるフルローンを利用できたとしても、注文住宅では融資実行より前に支払いが発生する場合があります。
土地の手付金、建物の契約金、各種手続き費用、引っ越し、家具家電など、住宅ローンですべてを同じ日に賄えるとは限りません。
金融機関によっては一部の諸費用を借入対象にできる場合がありますが、対象範囲は商品ごとに異なります。
「頭金なしで借りられる」と「一円も現金を用意しなくていい」を混同しないこと。
これは注文住宅ではかなり大事です。
頭金を入れすぎない考え方
反対に、住宅ローンの借入額を減らしたいからと自己資金をほとんど使い切ってしまうのも慎重に考えたいところです。
新居への引っ越し後には家具や家電の追加購入が発生することがありますし、固定資産税、保険、車、教育費など家以外のお金も続きます。
設備の故障や家族の収入変化など、予想していなかった支出もあるでしょう。
頭金は多ければ多いほど正解という単純な話ではなく、借入額を減らす効果と、手元に残す現金の安心感を両方見ながら決めるものだと思います。
月々の支払いはいつからか
注文住宅の住宅ローンでは、「月々の返済はいつから始まるのか」も金融機関へ確認しておきたいポイントです。
特に土地先行融資や分割融資を利用する場合は、建物完成前から何らかの支払いが始まる商品もあります。
返済開始日は商品で異なる
通常の住宅ローンなら、融資が実行され、その後に返済が始まる流れをイメージしやすいでしょう。
しかし土地先行融資などでは、土地分の融資が先に実行されるため、建物完成前の返済方法を確認する必要があります。
元金返済を始める商品もあれば、一定期間は利息を中心に支払う仕組みの商品もあります。
つなぎ融資についても利息や手数料が発生するため、「建物完成後の住宅ローン返済額」だけを見ていると完成前の負担を見落とします。
家賃との重なりも計算する
賃貸住宅に住みながら家を建てる場合は、現在の家賃と建築中の融資負担が重なる可能性があります。
さらに土地の固定資産税、駐車場代、仮住まいなどが発生するケースも考えられます。
そのため月々の支払いを見るときは、入居後の住宅ローン返済額だけでなく、土地購入から引き渡しまでの毎月の現金収支も見てください。
住宅ローンの返済額を比較するときは、金利だけでなく、土地購入後・着工後・引き渡し後の三つの期間に分けて家計を見ると分かりやすくなります。
北川家の住宅ローン実例
ここでは、私が積水ハウスで注文住宅を建てたときの住宅ローンを一例として紹介します。
これはあくまで北川家固有の計画であり、同じ借入額や条件がほかの人にも適用されるものではありません。
最初は一億二千万円で仮審査
我が家は土地の購入から始めたため、土地と建物を合わせると非常に大きな資金が必要でした。
そこで家づくりの早い段階で、土地と建物の想定資料を基に一億二千万円の仮審査へ進みました。
これを早く行ったことで、「この家を建てたい」という希望だけで進むのではなく、融資の見通しを持ちながら土地や建物を検討できました。
高額な注文住宅ほど、この確認は後回しにしない方がいいと私は感じています。
銀行との手続きも多かった
仮審査の後も銀行選び、必要書類の提出、団信、正式審査、契約と手続きは続きました。
注文住宅は住宅会社との打ち合わせだけでも決めることが多いのですが、その裏では金融機関とのやり取りも同時進行します。
私は団信の確認で診断書の提出も必要になり、「仮審査に通ったらあとは自動的に進む」という感覚ではありませんでした。
銀行から求められた情報にはその都度正確に対応し、住宅会社ともスケジュールを共有しながら進めています。
最終的な借入と自己資金
北川家では、土地取得費用が諸費用込みで約四千百万円、建物本体価格が約四千九百九十九万円、建築工事費が約七千二百六十万円となりました。
土地・建物・諸費用まで含めた家づくり全体では約一億三千万円規模になり、最終的な銀行借入は約一億一千万円、自己資金は約二千万円です。
当初は自己資金を約一千万円と考えていましたが、仕様や中庭、設備、外構など希望を積み重ねたことで計画も変わっていきました。
この経験からも、住宅ローンは最初に一度決めたら終わりではなく、建築費の変化と一緒に見ていく必要があると感じています。
支払予定表を契約前に作る
私が注文住宅の住宅ローンでおすすめしたいのは、難しい金融知識を覚えることより、まず一枚の支払予定表を作ることです。
住宅会社と金融機関の資料を並べて、日付と金額を書いていきます。
六つの項目を記入する
支払予定表には、少なくとも「支払予定日」「支払先」「支払額」「自己資金」「融資額」「融資方法」を入れておくと分かりやすくなります。
土地の手付金なら自己資金、土地残代金なら土地先行融資、着工金ならつなぎ融資というように、それぞれのお金に出どころを割り当てます。
未確定は未確定のまま残す
まだ決まっていない支払いを都合のいい数字で埋めないことも重要です。
例えば外構費が概算なら「確定前」と記載し、最終見積もりが出た時点で更新します。
融資手数料や登記費用なども同様です。
未確定な費用があること自体が問題なのではなく、未確定なのに予算へ入っていないことの方が怖いんですよね。
契約金・着工金・中間金の割合をインターネット上の一般例だけで決めないでください。
実際の支払条件は、あなたが締結する工事請負契約書と住宅会社の支払予定を基準にしてください。
住宅ローンで避けたい失敗
注文住宅では、建物の設計とローンを別々に進めてしまうことで資金計画が崩れることがあります。
ここでは契約前から意識しておきたいポイントをまとめます。
金利だけで銀行を決める
表示金利が低い銀行を見ると魅力的に感じますが、注文住宅では融資実行の方法も同じくらい大切です。
土地先行融資が必要なのに対応していない、着工金や中間金に別の融資が必要、つなぎ融資の費用が加わるとなれば、当初想定した資金計画と変わります。
金利、手数料、団信、分割融資、つなぎ融資、返済開始時期まで一つのセットとして比較してください。
借入可能額を予算にする
銀行から高額な住宅ローンの承認を得られると、「ここまで家に使っていい」と感じてしまうかもしれません。
ですが住宅ローン審査の承認額は、あなたの家族が今後ずっと快適に暮らせる予算上限を決めてくれるものではありません。
入居後には住宅ローン以外にも固定資産税、保険、光熱費、設備交換、車、教育、旅行などさまざまな支出があります。
家を建てるために生活を苦しくするのでは本末転倒です。
私は「建てられる家」ではなく、建てた後も普通に暮らせる家を基準に予算を見る方がいいと思っています。
追加工事をローン任せにする
注文住宅では契約後も設備や内装、外構などの変更で金額が増えることがあります。
「住宅ローンで借りればいい」と追加を続けても、借入承認額を超えればその差額は自己資金で用意する必要が出てきます。
また、追加した項目が住宅ローンの借入対象になるかどうかも金融機関の条件によります。
変更のたびに最終総額、自己資金、借入額の三つを更新していくことをおすすめします。
融資日と支払日を確認しない
これは注文住宅ならではの注意点です。
融資が実行される日より住宅会社への支払日の方が早ければ、その差を埋める資金が必要になります。
だから住宅会社から支払日が提示されたら、そのまま金融機関へ伝えてください。
逆に金融機関から融資可能日が示された場合も住宅会社へ共有します。
双方の担当者が同じ予定を把握している状態を作るだけでも、資金移動の行き違いを防ぎやすくなります。
注文住宅ローンのよくある質問(FAQ)
注文住宅の住宅ローンについて、実際に検索されやすい疑問をまとめます。
Q1. 注文住宅の住宅ローンはいつから申し込みますか?
A. 住宅会社や土地の検討が進み、予定する土地・建物価格のイメージができた段階から事前審査を検討できます。
土地購入を伴う場合は、土地契約後まで待つより早い段階で融資の見通しを確認しておく方が資金計画を立てやすくなります。
ただし、事前審査に必要な資料や申込条件は金融機関によって異なります。
Q2. 注文住宅の融資実行はいつですか?
A. 融資実行の時期は利用する住宅ローンによって異なります。
建物完成時に本融資を実行する商品もあれば、土地購入時と建物完成時など複数回に分けて融資する商品もあります。
注文住宅では完成前に土地代、着工金、中間金などが必要になる場合があるため、それぞれの支払日に対応できるかを契約前に金融機関へ確認してください。
Q3. 注文住宅では分割融資とつなぎ融資のどちらを選びますか?
A. どちらが合うかは住宅会社の支払条件と金融機関の商品によって変わります。
住宅ローン自体を複数回に分けて実行できるなら分割融資で対応できる場合があります。
本融資までの土地代や着工金などを一時的に別の融資で賄う場合は、つなぎ融資を利用する形があります。
対応範囲、金利、手数料、利用期間、返済方法まで比較してください。
Q4. 注文住宅は頭金なしでも住宅ローンを組めますか?
A. 頭金を入れずに借入できる住宅ローンはありますが、頭金なしだから自己資金がまったく不要とは限りません。
土地や建物の手付金・契約金、住宅ローン対象外の諸費用、家具、家電、引っ越しなど、融資実行前後に現金が必要になる可能性があります。
借入対象にできる費用は金融機関によって異なるため、項目ごとに確認してください。
Q5. 住宅ローンの月々の支払いはいつから始まりますか?
A. 返済開始時期は融資実行方法と住宅ローン商品によって異なります。
建物完成時に一括して融資する場合と、土地購入時などから分割して融資する場合では、建築中の支払い方も変わります。
賃貸住宅に住んでいる場合は家賃と融資負担が同時期に発生する可能性もあるため、土地購入から引き渡しまでの毎月の支出も確認しておくと安心です。
注文住宅ローンを成功へつなぐ
注文住宅の住宅ローンは、単に銀行からお金を借りて完成した家の代金を払う仕組みではありません。
土地を購入するなら土地代が先に必要になり、住宅会社との契約後には契約金、着工金、中間金、完成時の残金などが発生する可能性があります。
一方、銀行側では事前審査、正式審査、住宅ローン契約、融資実行という手続きを進めます。
この二つの流れを一枚の予定表に重ねることが、注文住宅の資金計画ではかなり重要です。
「支払予定日」「金額」「支払先」「自己資金」「融資方法」を契約前に見える形にしてください。
そのうえで、土地先行融資や分割融資に対応しているのか、つなぎ融資が必要なのか、金利や手数料はいくらなのかを金融機関へ確認します。
頭金なしやフルローンを考える場合も、融資対象外の費用や融資実行前の支払いに備える現金は考えておきましょう。
私自身、一億二千万円の仮審査からスタートし、団信の診断書提出や銀行との手続きを経て、最終的には約一億一千万円を借り入れ、約二千万円の自己資金を使って家づくりを進めました。
実際に経験すると、住宅ローンで一番怖いのは「借りられるかどうか」だけではありません。
必要なお金が必要な日に間に合わないことも、注文住宅では避けなければならない問題です。
だからこそ、住宅会社との契約前に支払予定表を作り、審査条件、融資実行時期、分割融資やつなぎ融資への対応、金利、手数料を金融機関ごとに確認してください。
積水ハウスを検討していて、住宅ローンを含めて「何から進めればいいのか分からない」「土地や予算がまだ固まっていない」という段階なら、私への相談でも大丈夫です。
すまつなでは、私自身が積水ハウスで土地探し、住宅ローン、設計、契約、建築、引き渡しまで経験した立場から、家づくりの入口についてお話ししています。
まだ積水ハウスへ来場や資料請求をしていない場合は、担当者が決まる前に相談していただいた方が、紹介ルートを含めた選択肢を残しやすくなります。


