こんにちは。住まいをつなぐ「すまつな」の北川です。
狭小住宅は、単純に「小さな家を建てる」のとは少し違います。
間口が狭い、隣家が近い、道路斜線が厳しい、建物を上へ伸ばしたい、駐車場も欲しい、それでも室内を暗くしたくない。
こうした条件を一つずつ解きながら、限られた敷地からできるだけ多くの居住空間を引き出していく家づくりです。
私も積水ハウスで家を建てるまで複数の住宅会社を見てきましたが、狭小地では会社による設計の差がかなり出やすいと感じています。
同じ土地を渡しても、会社によって建てられる延床面積、窓の位置、駐車方法、LDKの広さまで変わるからです。
この記事では、狭小住宅を検討するときに候補へ入れやすいハウスメーカー8社について、3階建てへの対応、設計自由度、敷地への対応、価格の考え方、保証まで比較していきます。
記事のポイント
- 狭小住宅に対応しやすいハウスメーカー8社の違い
- 3階建てや変形地で見るべき設計ポイント
- 大手メーカーと工務店や設計事務所の違い
- 同じ土地で複数社を比較する具体的な方法
狭小住宅の会社選び
狭小住宅で会社を選ぶとき、私は坪単価や知名度だけで決めない方がいいと考えています。
むしろ確認したいのは、その土地から何平方メートルの床面積を取り出し、どんな暮らしへ変換できる会社なのかです。
同じ土地でも間取りが変わる
一般的な広さの整形地であれば、多くの住宅会社が比較的似た条件でプランを作れます。
ところが狭小地では、数十センチ単位の寸法や柱位置、屋根形状の違いが、そのまま室内の広さにつながります。
例えば道路斜線に合わせて上階を削らなければならない土地でも、屋根形状や階高を工夫できれば居住空間を残せる場合があります。
また、1階へ駐車場を設ける場合には、上階を張り出せる構造なのか、ガレージ横に柱が必要なのかによっても間取りは変化します。
だから私は、狭小住宅こそ土地を決めた状態で同じ要望を複数社へ渡して比較することをおすすめしています。
狭小住宅で比較したいものは「坪単価」より「その土地から出てきた図面」です。
延床面積、LDKの広さ、収納量、駐車方法、窓、階段位置まで並べると、会社ごとの得意分野がかなり見えてきます。
延床面積だけでも決めない
もちろん、床面積が大きければ優れた設計というわけでもありません。
廊下を減らして居室へ面積を回したプランと、単純に部屋を細かく増やしたプランでは、暮らしたときの感覚が違います。
狭小住宅では「何坪取れたか」に加え、「その面積を何に使っているか」まで見るのが大切です。
施工条件まで確認する
狭小地では、完成後の家だけでなく工事そのものにも制約が出ます。
前面道路が狭ければ大型車両が入りにくく、クレーンの設置場所が取れないこともあります。
隣地との距離が小さければ足場を組むスペースも限られるでしょう。
つまり設計図が成立していても、実際にその建物を施工できるかは別の話です。
住宅会社へ相談するときは、前面道路幅、電線、隣家との距離、資材の搬入方法、足場条件まで確認してもらってください。
狭小住宅メーカー8社比較
ここでは、狭小住宅や都市型3階建てを考えるときに比較候補へ入りやすい8社を紹介します。
順位を付けるのではなく、それぞれの構造や設計思想から「どんな敷地で比較したいか」を見ていきましょう。
| 会社 | 主な特徴 | 狭小地で注目する点 | 価格の考え方 |
|---|---|---|---|
| 積水ハウス | 重量鉄骨3・4階建て | 250mm刻み、斜線対応、大開口 | 高価格帯になりやすい |
| ヘーベルハウス | 都市型鉄骨住宅 | 3階建て、20坪台、屋上活用 | 高価格帯になりやすい |
| 大和ハウス | 都市型3階建て | 変形地、斜線、無足場施工 | 中高価格から高価格帯 |
| パナソニック ホームズ | 都市型多層住宅 | 3階建て、併用住宅 | 中高価格から高価格帯 |
| ミサワホーム | 狭小住宅専用提案 | 斜線対応、収納、3階建て | 中高価格帯中心 |
| 住友林業 | 木造BF構法 | 大開口、木質感、3・4階建て | 高価格帯になりやすい |
| 一条工務店 | 高断熱木造3階建て | 狭小敷地実例、温熱性能 | 仕様込みで比較しやすい |
| オープンハウス | 都市部の狭小地 | 土地と3階建ての一体提案 | 総予算を抑えたい場合も比較 |
価格帯は土地条件、延床面積、階数、構造、地盤、外構、設備で大きく変わります。
このため「○万円なら必ず建つ」という見方ではなく、同じ要望を入れた見積総額で比べてください。
積水ハウス
積水ハウスを狭小住宅で比較するなら、鉄骨3・4階建てのフレキシブルβシステムがポイントになります。
都市部のコンパクトな敷地、二世帯、店舗併用、ビルトインガレージなどへ対応できる重量鉄骨の構造です。
250mm刻みで設計できる
積水ハウスの鉄骨3・4階建てでは、各階を250mm刻みで設計でき、狭小敷地や変形敷地へ合わせやすい仕組みがあります。
さらに各階の柱位置を変えやすい梁勝ちラーメン構造のため、1階を駐車場、2階をLDK、3階を個室といった構成を考えるときにも候補になります。
道路斜線や北側斜線に合わせるための屋根形状も用意されているので、高さ制限が厳しい土地ほど一度プランを見てみたい会社です。
積水ハウス公式「フレキシブル3・4階建て」では、250mm刻みの設計や斜線制限への対応が紹介されています。
大開口と上階リビング
狭小住宅は隣家が近いため、1階へ大きな窓を付けてもカーテンを閉めっぱなしになることがあります。
そこで2階や3階へLDKを上げ、道路や隣家から視線を外しながら採光を取る方法が有効です。
積水ハウスは重量鉄骨による大開口を取りやすいため、都市型住宅でも「床面積はコンパクトだけれど、視線は遠くへ抜ける」という設計を狙いやすいでしょう。
保証まで含めて比較する
積水ハウスでは、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について初期30年保証制度があります。
その後も必要な点検と工事を行うことで再保証を続けられる仕組みが用意されています。
狭小住宅は外壁同士が近く、将来の補修作業が通常より難しくなるケースもあるので、私は新築時の価格だけでなくアフター体制まで見ておく方がいいと思います。
積水ハウスを候補にするなら、公式サイトへの資料請求や展示場で顧客登録する前に、すまつなの積水ハウス紹介サポートへ相談してください。
狭小地では担当者の経験がプランへ出やすいため、できるだけ都市型住宅や3・4階建てを経験している担当者につながることが大切だと私は考えています。
ヘーベルハウス
都市型の狭小住宅を検討するとき、ヘーベルハウスも比較しやすい会社です。
公式サイトでも20坪台の狭小地を使った3階建てが紹介されており、都市部で縦方向へ床面積を確保する考え方を前面に出しています。
都市型3階建ての実績
ヘーベルハウスは3階建て住宅を長く扱っており、限られた敷地での多層住宅を検討したい場合に候補となります。
1階へガレージ、2階へLDK、3階へ個室という都市住宅らしい構成だけでなく、屋上を活用するプランとの相性も考えられます。
道路から十分な庭を確保できない土地では、屋上や上階バルコニーを外部空間として利用する考え方も面白いですね。
外部空間まで比べる
ただし屋上や大型バルコニーを採用すると、防水や排水、手すり、将来の補修も関係してきます。
「庭が取れないから屋上」と即決せず、初期費用と将来の維持管理をセットで比較しましょう。
大和ハウス
大和ハウスは、狭小住宅でチェックしておきたい具体的な敷地対応技術を数多く公開しています。
特に変形地や斜線制限がある土地では、比較プランを依頼する価値があります。
変形地への細かな対応
3階建ての「skye3」では、斜線制限、隅切り、三角敷地、変形敷地、狭小地への対応例が紹介されています。
91cmモジュールを基本としながら、一部では約11.5cm刻みで調整できる設計があり、土地の端まで使いやすいのが特徴です。
また、上階を張り出すキャンチルームによって、1階を駐車スペースとして使いながら上部へ居室を確保する提案もあります。
大和ハウス公式の敷地対応力を見ると、狭小地だけでなく三角敷地や隅切り敷地まで具体例が掲載されています。
無足場施工も注目
大和ハウスには、条件によって敷地境界線と建物の間が小さい場所でも施工へ対応する狭小無足場工法があります。
狭小住宅では、これは意外と大きなポイントです。
完成する建物だけを見ていると忘れやすいのですが、足場を組めない土地では施工方法そのものがプランを左右します。
大和ハウスの費用面まで比較したい場合は、すまつなの大和ハウスの坪単価と総額の記事も参考にしてください。
パナソニック ホームズ
パナソニック ホームズには、都市型3階建ての「ビューノ3E/S」があります。
狭い敷地で住居を上へ展開するだけでなく、店舗や賃貸スペースを組み合わせる選択肢まで考えられるのが特徴です。
縦方向へ用途を分けやすい
例えば1階をガレージや仕事場、2階を個室、3階をLDKという構成。
あるいは1階を賃貸や店舗として使い、上階を自宅にする方法もあります。
都市部では土地価格が高いため、単純な一戸建てだけでなく敷地から得られる価値を縦方向へ増やす考え方も検討できます。
初期保証も比較材料
パナソニック ホームズでは、対象仕様に条件がありますが35年の初期保証を案内しています。
狭小住宅の場合、外壁や屋根のメンテナンス時に作業条件が厳しくなりやすいため、保証内容と保証延長条件は契約前に見ておきたい部分です。
ミサワホーム
ミサワホームは公式サイトに「狭小住宅」という独立した案内ページを設けています。
そのため、狭小住宅を明確に検討対象としていることが分かりやすいメーカーです。
斜線と収納を工夫する
都市部では高さを取ろうとしても、道路斜線や北側斜線によって建物上部を削る必要が出ます。
ミサワホームでは、こうした条件へ建物形状を合わせながら3層の空間を利用する都市住宅の提案があります。
さらに狭小住宅では収納不足が起こりやすいため、床面積だけでなく収納を立体的に考えられることも比較ポイントです。
23坪前後の間取り例もある
公式の間取り例には、23坪程度の3階建てで3LDKやビルトインガレージを組み込んだプランも掲載されています。
大きな展示場だけを見るより、自分の土地に近い坪数の実例を見る方が参考になりますよ。
住友林業
木造で都市型3階建てや4階建てを考えたい場合、住友林業も比較候補です。
独自のBF構法を使った3・4階建て「PROUDIO」があり、木造でありながら大開口を取り入れた都市住宅を検討できます。
木造で大開口を狙える
狭小住宅では、壁に囲まれた小部屋を並べるだけだと実際の面積以上に窮屈に感じやすくなります。
その点、大きな開口から視線を外へ抜いたり、LDKを一体空間にしたりできる構造は魅力です。
住友林業のBF構法では、大断面の柱と梁を使いながら都市型3・4階建てへ対応しています。
木の質感を前面に出した内装も住友林業らしい部分なので、「狭くても素材感にはこだわりたい」という人は比べてみるといいでしょう。
柱と壁厚も図面で確認する
ただし狭小住宅では数センチの壁厚も積み重なると有効寸法に響きます。
構法の名前だけで判断せず、実際のプラン上で廊下幅、収納内部、家具を置いた後の残り寸法まで確認してください。
住友林業の価格感については、すまつなの住友林業の坪単価と総額の記事でも詳しくまとめています。
一条工務店
一条工務店は、高断熱・高気密を重視しながら木造3階建てを検討したい人に候補となります。
公式サイトでは17坪台、20坪台の敷地を使った3階建て実例も紹介されています。
3階建ての温度差へ配慮
3階建て住宅では、暖かい空気が上へ移動しやすく、1階と3階の温度差が気になる場合があります。
そのため、狭小住宅で3階建てを検討するなら、単に床面積を増やすだけではなく断熱、気密、空調まで一緒に見なければなりません。
一条工務店は、この温熱環境を住宅性能から解決する方向性が明確です。
設計ルールとの相性を見る
一方で、住宅性能を一定水準へ保つための独自ルールもあります。
狭小地では「この場所だけあと少し壁を動かしたい」という細かな要望が出やすいので、希望間取りがルール内で成立するかは早めに確認したいところです。
すまつなでは一条工務店の設計ルールと自由設計の違いも紹介しています。
オープンハウス
東京や大阪など、土地価格が高い都市部で土地取得から狭小住宅を考える場合、オープンハウスも比較対象になります。
狭小地や変形地の仕入れと3階建てを組み合わせ、土地と建物を一体で考えるのが特徴です。
土地取得から考えやすい
注文住宅の会社選びでは、どうしても建物性能や設備へ目が向きます。
しかし都市部では、建物より土地代の方が家計へ大きく影響するケースも珍しくありません。
そこで「広い土地を買って2階建て」ではなく、「土地をコンパクトにして3階建て」という選択肢が出てきます。
オープンハウスは、狭小地の土地供給と3階建て住宅を組み合わせる点で比較しやすい会社です。
自由度の範囲を確認する
一方、オープンハウスの注文住宅はセミオーダー型の考え方も含まれるため、完全自由設計を期待している場合は変更できる範囲を確認してください。
価格だけでなく、窓位置、階段、構造壁、設備、外観など、どこまで変更できるかを先に聞いておくと比較しやすくなります。
大手以外も比較する
狭小住宅の依頼先は、大手ハウスメーカーだけではありません。
地域工務店や設計事務所にも、狭小住宅を多く手掛ける会社があります。
土地条件によっては、むしろこうした会社から非常に面白いプランが出てくることもあります。
工務店のメリット
工務店は、会社によって工法や設計力の幅が大きいものの、細かな寸法調整や造作へ柔軟に対応できることがあります。
大手の工業化住宅では構造上使える寸法や部材が決まっている一方、工務店では敷地に合わせて一から納まりを考えられる場合があるためです。
特に道路が狭い密集地で施工経験が豊富な工務店は、搬入や近隣対応を含めて頼もしい存在になります。
設計事務所のメリット
変形地、旗竿地、極端に間口が狭い土地などでは、建築家や設計事務所も比較候補です。
住宅商品へ土地を合わせるのではなく、その土地から建物を組み立てていくため、クセのある敷地ほど個性的な回答が出る場合があります。
例えば階段そのものを採光装置として使う、吹き抜けから下階へ光を落とす、中庭ではなく小さな光庭をつくるなど、設計手法は多彩です。
施工と保証も見る
ただ、設計力だけで依頼先を決めるのはおすすめしません。
実際に施工する工務店の実績、現場監理、保証、引き渡し後の修理窓口まで確認してください。
有名な建築家だから狭小住宅が必ず暮らしやすくなるわけではありません。
作品性と毎日の生活は別物なので、洗濯、収納、ゴミ出し、家具搬入、冷暖房、将来の修理まで図面上で確認しましょう。
東京と大阪での選び方
狭小住宅メーカーを東京や大阪で探す場合、会社名だけでなく、その地域の都市住宅経験を見るのがポイントです。
同じ会社でも、担当する支店や設計者によって過去の経験は異なります。
東京では斜線条件を見る
東京の住宅密集地では、狭い前面道路、道路斜線、北側斜線、防火規制、隣家との距離などが同時に関係するケースがあります。
土地面積だけを見て「この広さなら3階建てが建つ」と判断するのは早すぎます。
土地購入前なら、候補メーカーへ敷地図を渡し、希望する延床面積を確保できるか確認してもらうのが安全です。
大阪でも施工条件を見る
大阪の既成市街地にも、間口が小さく奥行きの長い土地や、前面道路が細い住宅地があります。
こうした場所では間取りだけでなく、解体、資材搬入、クレーン、足場の設置まで総額へ影響します。
建物本体が安くても、狭小地対応の追加工事が増えれば最終金額は変わります。
そのため東京でも大阪でも、土地条件を反映した見積書で比べることが重要です。
ローコスト住宅の注意点
狭小住宅のハウスメーカーを調べると、「ローコストで建てられないか」と考える人も多いと思います。
もちろん総予算を抑えることは大切ですが、狭小住宅だからこそ価格の見方には注意してください。
小さければ安いとは限らない
住宅には、延床面積が減ってもなくならない費用があります。
キッチン、浴室、給湯設備、玄関、階段、分電盤などは、20坪の家でも40坪の家でも必要です。
さらに3階建てにすれば構造計算、基礎、階段、場合によっては耐火仕様などの負担が増える可能性があります。
このため、狭小住宅は延床面積が小さいから坪単価まで安くなるとは限りません。
土地と建物の総額を見る
一方、都市部では土地面積を小さくできることで、土地と建物を合わせた総事業費を抑えられる可能性があります。
ここが狭小住宅のお金を考えるうえで大事なところです。
建物の坪単価が多少高くても、土地代を大きく抑えられれば家づくり全体では合理的になるケースがあります。
狭小住宅で見る設計力
ここからは、メーカー名より重要になる具体的なチェックポイントを紹介します。
同じ土地でプランを取ったら、次の項目を並べて比較してください。
間口をどこまで使えるか
間口が狭い土地では、外壁厚や柱、隣地との離隔によって室内幅が決まります。
例えば外寸では十分に見えても、壁の内側へ入るとソファとテレビの距離が取れない場合があります。
図面を見るときは建物幅だけでなく、内法寸法を確認しましょう。
斜線制限への対応
3階建てを希望しても、道路斜線や北側斜線によって上階がそのまま載らない土地があります。
会社によって、屋根を斜めにする、階高を調整する、上階をセットバックさせるなど対応方法が違います。
ここは営業担当者の口頭説明だけでなく、実際の立面図や断面図を見せてもらうと分かりやすいです。
2階リビングの採光
隣家に囲まれた土地では、1階リビングにこだわると昼でも照明が必要になることがあります。
そこで2階へLDKを上げ、大きな窓、高窓、吹き抜け、バルコニーなどから光を取り込む方法があります。
ただし2階リビングにすると、買い物袋を運ぶ階段動線や老後の生活も考えなければなりません。
3階リビングも選択肢
周囲を3階建てに囲まれているような土地では、3階をLDKにする案もあります。
眺望や採光を得やすくなる一方、玄関からLDKまで2階分上がるため、毎日の移動負担は増えます。
ホームエレベーターを検討する場合は、本体だけでなく設置スペースと将来の維持費も計画へ入れてください。
ビルトインガレージ
狭小地で駐車場を確保するなら、1階をビルトインガレージにする案がよく出てきます。
ただし駐車スペースを取ると、その分だけ1階の居室や収納が減ります。
さらに車の横を通って玄関へ入れるのか、雨の日に荷物を下ろしやすいのか、車を買い替えても入る寸法なのかまで見てください。
家具を入れて確認する
狭小住宅では「6畳」「16畳」といった畳数表示より、家具を置いた後の寸法が重要です。
ダイニングテーブルを引くスペース、冷蔵庫の扉、ソファ前の通路など、数十センチが使い勝手を左右します。
私は図面を見るなら、必ず実寸に近い家具を書き込んでもらうことをおすすめします。
狭小住宅の価格比較
狭小住宅の会社選びで価格を比較するとき、坪単価ランキングだけを見るのはおすすめしません。
条件の厳しい土地ほど、本体価格以外の差が大きくなりやすいためです。
見積範囲をそろえる
比較するなら、建物本体だけでなく、設計、申請、地盤、給排水、外構、解体、狭小地施工費までそろえてください。
| 比較項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 建物 | 延床面積、施工面積、階数、構造 |
| 狭小地対応 | 搬入、足場、クレーン、近隣養生 |
| 地盤 | 調査費、改良予算、杭工事 |
| 設備 | キッチン、浴室、空調、換気 |
| 外構 | 駐車場、門柱、フェンス、排水 |
| 申請 | 確認申請、性能評価、各種手続き |
| 諸費用 | 登記、ローン、保険など |
我が家でも本体と総額は違った
私の積水ハウスの自宅でも、建物本体価格は約4,999万円でしたが、オプション等を含む建築工事費は約7,260万円まで増えました。
これは狭小住宅の事例ではありませんが、「本体価格だけでは家づくりの費用を判断できない」という点は共通しています。
保証と維持費も比較する
狭小住宅では、建築時だけでなくメンテナンス時にも隣家との距離が影響します。
そのため会社を選ぶときは、保証年数だけでなく「将来どうやって直すのか」まで聞いておきたいところです。
保証年数だけを見ない
30年保証、35年保証、60年保証といった数字は分かりやすいですが、すべてが無条件で保証されるわけではありません。
対象部位、点検条件、有償補修の有無、延長条件が会社ごとに異なります。
パンフレットの大きな数字だけではなく、構造と防水がそれぞれ何年なのかまで確認してください。
外壁を直せるか確認する
隣家との距離が非常に近い住宅では、将来足場を組んで外壁を補修できるかも重要です。
敷地ギリギリまで建物を寄せるほど床面積は増やせますが、その反面、点検や補修スペースは小さくなります。
新築時の「あと10cm広く」に夢中になりすぎず、30年後の修理までイメージしたいですね。
失敗しにくい比較方法
狭小住宅で住宅会社を比較するなら、私は同じ条件を各社へ渡す方法をおすすめします。
条件が違うままでは、会社の差なのか要望の差なのか分からなくなるからです。
同一条件でプランを取る
敷地図、家族人数、希望する部屋数、駐車台数、LDKの希望、収納量、予算をそろえます。
そのうえで、各社へ「この土地ならどうしますか」と提案してもらいます。
完全に同じ間取りを依頼する必要はありません。
むしろ各社の考え方を見たいので、生活条件だけ同じにして設計方法は任せる方が比較しやすいです。
延床面積を並べる
完成した提案では、まず延床面積を見ます。
同じ土地なのにA社は30坪、B社は33坪取れているなら、その理由を聞いてください。
壁厚なのか、斜線対応なのか、建物配置なのか、構造なのか。
この質問をするだけでも、各社の設計思想がかなり見えます。
面積当たりではなく総額
次に、その延床面積を実現するための総額を比べます。
1坪当たりの単価が安くても、付帯工事を加えたら高くなる会社もあります。
反対に本体価格は高くても、外構や設備まで含めると差が小さくなる場合もあります。
最終的に比較するのは「同じ土地、近い要望、入居できる状態までの総額」です。
担当者の経験も確認する
同じハウスメーカーなら誰が担当しても同じ、と考えたくなりますが、注文住宅ではそうとも限りません。
特に狭小地は、担当者が過去にどれだけ難しい土地を扱ってきたかで初動が変わることがあります。
狭小地の実例を見せてもらう
「狭小住宅はできますか」と聞けば、多くの会社が「できます」と答えるでしょう。
そこで一歩踏み込み、「似た間口」「似た坪数」「3階建て」「ビルトインガレージ」の実例を見せてもらってください。
具体的な図面や完成事例がすぐ出てくる担当者なら、話も進めやすくなります。
設計担当を早めに入れる
狭小住宅では営業担当者だけで土地の可否を判断せず、なるべく早い段階で設計担当者にも確認してもらいたいところです。
斜線制限、防火条件、構造、窓、階段を同時に考える必要があるためです。
特に土地購入前なら、契約してから「希望する3階建てが入らない」と判明する事態は避けたいですよね。
積水ハウスなら接触前に相談
積水ハウスを候補へ入れている場合、私は狭小地や3・4階建てを扱った経験のある担当者につながることが大切だと思っています。
すまつなでは積水ハウスの施主である私から、建築予定地域に合わせて担当者の調整をお願いしています。
展示場へ行ったり、公式サイトから資料請求したりすると、すでに担当者が決まってしまう場合があります。
まだ初回接触前であれば、積水ハウスの紹介サポートへ先に相談してもらう方が選択肢を残しやすいです。
紹介を受けたから積水ハウスと契約する必要はありません。
狭小住宅では他社のプランと並べて比較し、「この土地を一番うまく使えているのはどこか」をあなた自身で判断してください。
狭小住宅メーカーのよくある質問
狭小住宅の依頼先を比較するときによく出てくる疑問をまとめます。
Q1. 狭小住宅に最適なハウスメーカーはありますか?
A. 一社だけを最適と決めるより、あなたの土地で実際にプランを比較する方法がおすすめです。
狭小住宅では間口、道路、斜線制限、用途地域、隣家との距離などによって条件が大きく変わります。
3階建てに対応している会社でも、その土地で確保できる床面積や窓、駐車方法は違うため、同一敷地で比較してください。
Q2. 狭小住宅は大手と工務店のどちらが向いていますか?
A. どちらにも利点があり、敷地と優先順位で変わります。
大手ハウスメーカーは構造、保証、施工体制を一定の仕組みで提供しやすく、都市型3階建ての商品を持つ会社もあります。
一方、狭小住宅を多く扱う工務店や設計事務所は、細かな寸法や特殊な土地へ柔軟な提案が出る場合があります。
設計だけでなく施工実績とアフターサービスまで比べることが大切です。
Q3. 狭小住宅は3階建てにした方がいいですか?
A. 床面積を確保するには有効ですが、すべての土地で3階建てが最善とは限りません。
斜線制限や容積率によって3階部分を十分に取れない土地もあります。
また階段面積が増え、上下移動の負担も大きくなるため、2階建てで吹き抜けやロフトを使った方が暮らしやすい場合もあります。
Q4. 狭小住宅はローコストで建てられますか?
A. 延床面積を小さくできるため総額を抑えられる可能性はありますが、坪単価まで安くなるとは限りません。
水回り設備や玄関、階段などは家が小さくても必要ですし、3階建てや狭い道路での施工によって追加費用が発生する場合があります。
土地代を含めた総予算で判断してください。
Q5. 土地購入前でもメーカーへ相談した方がいいですか?
A. むしろ狭小地ほど土地購入前の相談がおすすめです。
土地面積だけを見ても、希望する延床面積が確保できるとは限りません。
候補地の資料を住宅会社へ渡し、3階建ての可否、駐車場、斜線制限、概算総額まで確認してから土地を判断すると、購入後の想定違いを減らしやすくなります。
狭小住宅メーカーのまとめ
狭小住宅に強いハウスメーカーを探すとき、知名度や坪単価ランキングだけで決めるのはもったいないです。
狭い間口、変形地、道路斜線、北側斜線、隣家との距離、前面道路、搬入条件まで含めて、その土地をどう料理できるかを見る必要があります。
積水ハウス、ヘーベルハウス、大和ハウス、パナソニック ホームズ、ミサワホーム、住友林業、一条工務店、オープンハウスには、それぞれ異なる都市住宅へのアプローチがあります。
そして、大手以外にも狭小住宅を得意とする工務店や設計事務所があります。
会社名から一社へ絞るのではなく、同じ土地を複数社へ渡してプランを出してもらう。
これが、狭小住宅の会社選びで私が一番おすすめしたい方法です。
比較するときは、延床面積、LDK、収納、採光、ガレージ、階段、メンテナンス性、保証、そして入居できる状態までの総額を横に並べてください。
図面を並べた瞬間、「この会社は土地の使い方がうまいな」と感じる提案が出てくることがあります。
狭小住宅は土地が小さいからこそ、設計者の工夫が家全体へ伝わりやすい住まいです。
あなたなら、限られた数十坪を「狭い土地」と考えるでしょうか。
それとも、設計次第で面白くなる土地と考えるでしょうか。
積水ハウスが比較候補に入っている場合は、展示場や公式資料請求で担当者が決まる前に、すまつなの積水ハウス紹介サポートへご相談ください。
狭小地や都市型3・4階建ては担当者の経験が提案へ表れやすい分野なので、良い入口をつくったうえで、他社も含めてじっくり比較してもらえればと思います。





