こんにちは。住まいをつなぐ「すまつな」の北川です。
親が一人になったことをきっかけに、同じ家の中で暮らせる二世帯住宅を考え始める方は少なくありません。
ただ、親一人の住戸は、広ければ暮らしやすいわけでも、狭ければ費用を抑えられるわけでもないんですよ。
部屋を増やしすぎると、建築費だけでなく、冷暖房、掃除、設備交換の負担まで増えていきます。
一方で、今の元気な暮らしだけを基準に小さくしすぎると、ベッド生活、介助、来客、荷物の置き場に困るかもしれません。
親世帯は一階の1LDKを基本に、十年後の身体状況と、使われなくなった後まで見通して設計することが大切です。
この記事では、親一人と子世帯が無理なく暮らすための平屋・1LDKの間取り、完全分離の考え方、35坪前後での工夫、費用と将来対策まで順番に解説します。
記事のポイント
- 親一人に合う1LDKと2LDKの違い
- 平屋と平屋+二階建ての間取り
- 介護や生活音に備える設計方法
- 親世帯が空いた後の使い方
親一人の二世帯住宅の基本
親一人の住戸を考えるときは、現在の部屋数ではなく、一日の過ごし方と将来の変化から必要な空間を決めます。
まずは、1LDKを基本にする理由と、2LDKへ広げるべき条件を確認しましょう。
親世帯は1LDKを基本にする
親一人の二世帯住宅では、LDK、寝室、洗面、トイレ、浴室、収納を一階にまとめた1LDKが扱いやすい形です。
寝室と居間を分けることで、来客時にベッドや介護用品を見せずに済み、体調が悪い日も静かな場所で休めます。
また、ワンルームのように生活を一室へ詰め込むより、食事、睡眠、着替えの場所が分かれ、暮らしのリズムを保ちやすくなるでしょう。
ただし、部屋数を減らしても、玄関、キッチン、トイレなどの設備費は残ります。
そのため、面積だけを削るのではなく、廊下を短くし、引き戸や収納を壁面へまとめ、使える床を増やすことが重要です。
親一人の1LDKで優先したい順番は、寝室からトイレまでの近さ、室内の温度差、収納、来客への対応、そして窓から見える景色です。
積水ハウスの二世帯住宅に関する間取り・価格・後悔対策も合わせて読むと、親世帯だけでなく家全体の分け方を考えやすくなります。
2LDKが向いている親もいる
親一人だからといって、必ず1LDKで足りるとは限りません。
遠方のきょうだいが泊まりに来る、仏間を残したい、在宅で仕事や趣味を続ける、介護者が泊まる可能性があるなら、2LDKも候補です。
ただ、使うか分からない部屋を一室増やすと、建築費だけでなく、窓、照明、空調、収納、掃除の範囲も広がります。
そこで、独立した個室を最初から増やすのではなく、LDKの一角を引き戸で区切れるようにする方法もあります。
普段は居間の延長として使い、来客時だけ閉じれば、床面積を有効に使えるからです。
将来ベッドを置ける広さ、出入口、コンセント、下地を準備しておけば、客間、介護室、趣味室へ変えられます。
親の希望を先に聞き切る
子世帯が良かれと思って考えた間取りでも、親本人が落ち着けなければ意味がありません。
例えば、親は小さなキッチンで十分だと思っているのに、子が立派な対面キッチンを用意すると、使わない設備へ予算をかけることになります。
逆に、料理を毎日続けたい親へ簡易的なミニキッチンだけを置けば、作業台や収納が足りず、不満が残るでしょう。
今の家で気に入っている場所、困っている動線、残したい家具、来客頻度、入浴方法、夜中のトイレ回数まで聞いてみてください。
「お母さん一人だから、これで十分だよね」と決めるのではなく、本人の暮らしを一つずつ図面へ移す感覚が大切です。
平屋と二階建ての組み合わせ
親世帯を平屋で完結させ、子世帯を同じ階または二階へ配置する方法には、いくつかの形があります。
土地の広さ、日当たり、生活音、玄関の分け方を見ながら、家族に合う構成を選びましょう。
親が一階で子が二階に住む
敷地を使いすぎずに親世帯を一階へ置くなら、親が一階、子世帯が二階で暮らす上下分離が現実的です。
親は階段を使わずに生活でき、子世帯は二階にLDKと個室をまとめられます。
しかし、上下分離では、子どもの足音、椅子を引く音、洗濯機、トイレや浴室の排水音が親世帯へ届きやすくなります。
親の寝室の真上へ子世帯のLDKや水回りを置かず、収納、廊下、子世帯の寝室など比較的静かな場所を重ねる方が安心です。
また、水回りを上下で近づけると配管はまとめやすいものの、排水管が親の枕元を通らないように経路を確認する必要があります。
床材だけで音を止めようとせず、部屋の配置、床、天井、配管をまとめて考えてください。
詳しい対策は、積水ハウスの遮音性能と間取りによる音対策で解説しています。
平屋を左右に分ける
土地にゆとりがあるなら、平屋を左右に分け、親世帯と子世帯を横並びにする方法があります。
上下の足音がなく、親世帯のすべてを地面に近い一階へまとめられることが魅力です。
一方で、平屋は同じ延床面積の二階建てより、基礎と屋根の面積が増えやすく、敷地も広く使います。
左右分離では世帯の境となる壁が長くなるため、隣り合う部屋の音や振動にも配慮が必要でしょう。
親の寝室と子世帯のLDKを直接隣り合わせず、収納、洗面、階段、廊下を間へ挟むと、お互いの気配を和らげられます。
また、親世帯を道路側の余った場所へ押し込むのではなく、庭や空が見える窓を確保してください。
面積が小さい住戸ほど、窓の先に緑や光があるだけで、感じる広さが変わります。
平屋と二階建てをつなげる
親世帯だけを平屋のように張り出し、子世帯を二階建てにする「平屋+二階建て」の形もあります。
親世帯の上に部屋を載せないため、上下の生活音を避けやすく、子世帯は必要な個室を二階へ確保できます。
ただし、建物の形に凹凸が増えると、外壁、屋根、基礎、防水の範囲が増え、総二階より費用が上がりやすくなります。
構造上の接続部分や雨仕舞も増えるため、見た目だけでなく長期の点検方法まで確認したいところです。
親世帯の静けさへ予算を使うのか、建物を単純な形にして費用を抑えるのかを、早い段階で比べましょう。
35坪なら共有範囲を決める
延床35坪前後で親一人と子世帯が暮らす場合、親1LDKと子2LDK程度を基本に考えると、現実とのズレを減らせます。
子世帯に3LDK以上を求め、玄関、浴室、洗面、キッチンもすべて二つにすると、収納と通路が不足しやすくなるでしょう。
そのため、完全分離にこだわるなら、親世帯の浴室をシャワー中心にする、親のLDKと寝室を引き戸でつなぐ、廊下を減らすなどの工夫が必要です。
ただし、面積を削るためにトイレ前の動作スペースや収納を削ると、将来の暮らしに響きます。
35坪で大切なのは、部屋の数を最大化することではなく、どこを共有し、どこだけは分けるかを家族で決めることです。
図面に書かれた畳数だけを見て「入る」と判断しないでください。
冷蔵庫、食器棚、洗濯機、ベッド、室内物干し、ゴミ箱を置くと、通れる幅は想像以上に小さくなります。
親世帯1LDKの間取り
親一人の住戸は、部屋数よりも、寝室、トイレ、洗面、玄関をどうつなぐかで暮らしやすさが変わります。
毎日繰り返す動作を短くし、夜や体調不良時にも移動しやすい配置をつくりましょう。
玄関から居間を近くする
親世帯の玄関からLDKまで長い廊下をつくると、床面積と冷暖房の効率を使う割に、暮らしの便利さは増えません。
玄関の近くに上着、靴、杖、買い物カート、宅配の荷物を置ける収納を設け、そのまま居間へ入れる流れが使いやすいです。
ただし、玄関を開けた瞬間に寝室やトイレが見える配置は避けたいところ。
短い壁や収納で視線だけをずらせば、廊下を増やさずに落ち着きをつくれます。
親が車を使うなら駐車場から玄関まで、車を使わないなら道路や門から玄関まで、雨の日の移動も確認してください。
段差をなくすだけでなく、暗い場所、滑りやすい場所、荷物を一度置ける場所まで見ることが大事です。
LDKと寝室を隣接させる
親世帯のLDKと寝室は、壁一枚または短い移動でつながる位置が便利です。
体調が悪い日はベッドから居間へ移りやすく、将来介助が必要になった場合も、食事や洗濯物を運ぶ距離を短くできます。
引き戸を開ければ一室のように使える配置なら、普段は広がりを感じながら、就寝時や来客時には分けられるでしょう。
寝室のベッドは壁へぴったり寄せず、少なくとも片側から介助できる余白を検討してください。
さらに、ベッドの向きを変えてもコンセントや照明が使えるようにすると、身体状況の変化へ対応しやすくなります。
キッチンは料理量で決める
二世帯住宅の親世帯へミニキッチンを置くか、一般的なキッチンを置くかは、親の料理量で決めます。
湯を沸かす、朝食をつくる、惣菜を温める程度なら、小さな流し台と加熱機器でも足りるかもしれません。
一方で、毎日三食をつくり、鍋や食器を多く持つ親には、作業台、収納、冷蔵庫置き場、換気が必要です。
小さなキッチンでも、電子レンジ、炊飯器、電気ケトルを同時に使うためのコンセントと置き場を忘れないでください。
また、親が火を不安に感じるなら、加熱機器を使わない日も含め、操作の分かりやすさを優先します。
設備を豪華にするより、重い鍋を持って何歩歩くか、冷蔵庫から作業台へ物を置けるかを見る方が実用的です。
浴室かシャワーかを選ぶ
親世帯へ浴槽付きの浴室を設けると、好きな時間に入浴でき、完全分離の暮らしに近づきます。
しかし、浴室は設備費だけでなく、給湯、換気、清掃、将来の交換にも費用が掛かる部分です。
親が普段から子世帯の浴室を使うことに抵抗がなく、生活時間も合うなら、親世帯はシャワー室だけにする方法があります。
逆に、入浴時間が違う、嫁と義母の関係で気を使う、感染症のときにも分けたいなら、浴室を別にする価値は高いでしょう。
「一緒に使えるか」ではなく、毎回声を掛けずに使えるかを想像してみてください。
共有のたびに遠慮が生まれる設備は、家族仲が良くても負担になりやすいものです。
洗面とトイレを寝室へ寄せる
親世帯では、寝室からトイレまでの距離が暮らしやすさへ直結します。
夜中に廊下を曲がり、扉を何枚も開ける配置より、寝室から短い直線で行ける配置が安心です。
トイレの扉は、開いた扉が人や歩行器の邪魔になりにくい引き戸を検討すると使いやすくなります。
洗面台は、脱衣室の中へ閉じ込めず、廊下や寝室の近くから使える位置も候補です。
朝の身支度、服薬、手洗い、加湿器への給水など、洗面は入浴以外にも何度も使うからです。
車椅子や椅子に座って使う可能性があるなら、洗面台の前に身体を寄せられるか、収納扉が膝へ当たらないかも確認しましょう。
収納は一か所へ集めすぎない
親一人の住戸では、大きな納戸を一つつくるより、使う場所の近くへ収納を分けた方が便利です。
玄関には外出用品、LDKには薬や書類、寝室には衣類、洗面には下着とタオルを置きます。
必要な物を取りに何度も歩かずに済み、家族が手伝うときも場所を共有しやすいからです。
ただし、長年暮らした実家から移る場合、親の荷物は想像より多くなります。
新居へ持ち込む物を決めないまま収納を小さくすると、LDKへ段ボールや家具があふれるかもしれません。
図面を決める前に、残す家具の幅、高さ、奥行きを測り、収納の棚割りまで落とし込みましょう。
老後と介護に備える設計
親が今は元気でも、二世帯住宅は長く住む家です。
大掛かりな介護仕様へする必要はありませんが、後から直しにくい通路、建具、下地、温度差は先に備えておきましょう。
引き戸と有効幅を確認する
開き戸は、扉を開けるときに身体を後ろへ引く必要があり、廊下やトイレでは動きにくくなることがあります。
引き戸なら開閉のための床を取りにくく、杖や歩行器を使う場面でも扱いやすいでしょう。
ただし、引き戸を壁の中へ引き込むと、手すりの下地やスイッチ、コンセントを置けない部分が生まれます。
扉だけを見ず、壁の使い方まで合わせて決めてください。
廊下や出入口は、図面上の壁芯寸法ではなく、仕上がった後に実際に通れる有効幅を確認します。
有効幅800mm以上を一つの確認目安にしつつ、車椅子、介助者、家具搬入を想定する場所にはさらに余裕を持たせると安心です。
ベッドと介助の位置を決める
寝室は、ベッドが一台置ければ完成ではありません。
掛け布団を整える、着替えを手伝う、車椅子から移る、介護用品を置くといった動きには、ベッドの横や足元の余白が必要です。
現在は布団で寝ている親でも、将来ベッドへ変える可能性を考え、窓、収納扉、出入口がぶつからない位置を決めます。
エアコンの風が顔へ直接当たらないか、照明を寝たまま操作できるか、夜間の足元灯を設けられるかも確認しましょう。
将来の介護ベッドを想定して、近くにコンセントと手すり下地を準備しておけば、暮らしを大きく壊さずに対応できます。
室内の温度差を小さくする
親世帯を一階へ置くと、子世帯の二階より日が入りにくく、床や窓の近くで寒さを感じることがあります。
特に北側へ寝室や洗面を寄せると、冬の朝や夜間に温度差が生まれやすくなるでしょう。
LDKだけを暖かくするのではなく、寝室、トイレ、洗面、脱衣まで含めて空調の届き方を考えてください。
親世帯が小さい場合は、一台の空調で全体を暖めやすい反面、扉を閉めると温度が届かないこともあります。
断熱性能、窓の大きさ、日射、換気、空調機器の位置をまとめて確認することが大切です。
大きな窓は気持ちよいですが、外からの視線や冷気を避けるため、軒、植栽、カーテンまで一緒に計画しましょう。
見守りとプライバシーを両立する
親一人との二世帯住宅では、近くにいる安心と、常に見られている息苦しさが隣り合わせです。
内部ドアを開ければすぐ行き来できる一方、親の玄関やLDKまで子世帯の生活動線にすると、来客や外出のたびに気を使います。
完全分離に近い形でも、施錠できる内扉を一か所設ければ、体調不良や災害時に行き来しやすくなります。
ただし、内扉を普段から自由に開けるのか、呼び鈴や連絡をしてから入るのかは、家族で決めておく必要があります。
見守り機器を使う場合も、生活のすべてを把握するのではなく、玄関の開閉や緊急時の連絡など、親が納得できる範囲にとどめましょう。
親子が疲れない生活ルール
暮らし始めてからのストレスは、間取りだけでなく、家事、来客、費用、連絡の曖昧さから生まれます。
建築前に話しにくいことほど、家ができる前に言葉へしておきましょう。
共有する設備を限定する
費用を抑えるために浴室や洗濯機を共有すると、設備は減らせます。
しかし、使う時間、掃除、洗剤、洗濯物、入浴順を毎日調整することになります。
親一人なら共有できそうに見えても、子どもの成長、仕事時間、介護が始まると条件は変わるでしょう。
共有するなら、玄関、浴室、洗濯など候補を一つずつ挙げ、「誰が、いつ、どう使うか」を具体的に話してください。
毎日必ず使う設備ほど分け、たまに使う客間や納戸を共有する方が、生活の衝突を減らしやすいです。
積水ハウス完全分離型二世帯住宅の間取りと共有範囲では、玄関、水回り、内扉の分け方を詳しく比較しています。
来客と孫の動線を分ける
親の友人が訪ねたとき、子世帯のリビング前を通らないと入れない間取りでは、お互いに気を使います。
子世帯の来客や宅配が親世帯の玄関前へ集まる配置も、落ち着かない原因です。
玄関を分ける場合は、道路からそれぞれの入口が分かるか、郵便物とインターホンをどう分けるかを確認しましょう。
一方で、孫が親世帯へ遊びに行く動線は、外へ出ずに内扉から行ける方が便利です。
ただし、孫がいつでも入ってよいとは限りません。
子世帯が実親へ伝える役になり、訪問時間や食事の持ち込みを調整すると、親と配偶者の間に負担が集中しにくくなります。
費用分担を文章にする
電気、水道、ガス、固定資産税、修繕費を誰が払うかは、住み始めてから決めると揉めやすい部分です。
親一人だから使用量が少ないと考えて折半する方法もあれば、子世帯が多く負担する方法、設備ごとに分ける方法もあります。
どの方法でも、家族全員が納得していれば問題ありません。
大切なのは、給湯器やエアコンが壊れたとき、外壁や屋根を修繕するときまで含めて決めておくことです。
口約束ではなく、負担割合、支払日、修繕積立、見直す時期を短い文章にして残しましょう。
親の収入や介護状態が変わったときに、責めることなく再協議できるルールも必要です。
平屋と完全分離の費用
親一人の住戸を小さくしても、二世帯住宅の費用が半分になるわけではありません。
設備の数、建物の形、基礎と屋根、メーター、外構まで含めた総額で判断しましょう。
平屋は坪単価が上がりやすい
同じ延床面積なら、平屋は二階建てより基礎と屋根の面積が広くなりやすく、坪当たりの費用が上がる場合があります。
親世帯だけを平屋のように張り出す形も、建物の外周や屋根形状が増えれば、材料と施工の範囲が広がります。
一方で、階段が不要になり、親が一階で完結できる価値は大きいです。
費用だけを見て親世帯の上へ子世帯を載せるなら、防音仕様や部屋配置に別の予算が必要になるでしょう。
建物を単純にする案と、親世帯の上を避ける案を同じ条件で見積もり、差額が何に使われているか確認してください。
完全分離は設備数で増える
完全分離型では、玄関、キッチン、洗面、トイレ、浴室またはシャワー、給湯器などが二世帯分必要です。
親世帯が小さくても、これらの設備には一定の費用が掛かるため、床面積に比例して安くなるとは限りません。
さらに、電気や水道の契約を分ける場合は、メーター、分電盤、配管、基本料金も増えることがあります。
ただ、独立性を削りすぎると、毎日の遠慮や将来の転用しにくさとして返ってくるかもしれません。
費用を抑えるなら、親世帯のキッチンや浴室の大きさ、建物の凹凸、窓の数を見直し、寝室からトイレまでの動線や防音を残す方が合理的です。
積水ハウスでの具体的な総額の考え方は、積水ハウス二世帯住宅の価格と坪数別見積もりで確認できます。
削らない方がよい部分
予算調整で先に削りたくなるのが、廊下幅、収納、窓、防音、手すり下地です。
しかし、これらは完成後に直すと、壁、床、配線、建具へ工事が広がりやすい部分でもあります。
親世帯では、後から交換しやすい照明や家具より、後から広げにくい通路や水回りの位置を優先してください。
ミニキッチンへ変更する場合も、将来一般的なキッチンへ入れ替えられる給排水や電気容量を準備する方法があります。
最初からすべてを豪華にする必要はありません。
今は使わなくても、後から必要になる可能性が高く、工事が大きくなる部分へ先に予算を置くことが後悔を減らします。
親世帯が空いた後の対策
親一人との二世帯住宅では、親世帯が将来使われなくなる可能性を避けて通れません。
寂しい話に感じますが、最初に考えておくほど、親も子も安心して今の暮らしを選べます。
子世帯が一体利用できる形
親世帯が空いた後、子世帯が家全体を使うなら、両世帯をつなぐ内扉の位置が重要です。
親世帯の玄関からしか入れず、子世帯との間が構造壁で閉じていると、一体利用するために大きな工事が必要になります。
内扉の先を子世帯の廊下やLDK近くへつなげておけば、親世帯の寝室を客間、仕事部屋、子どもの帰省室へ変えやすいでしょう。
親世帯のLDKは、趣味室、セカンドリビング、将来の子世帯自身の一階生活へ活用できます。
キッチンを必ず撤去するのではなく、家事室や飲み物を用意する場所として残す方法もあります。
一世帯化する可能性が高いなら、最初から「どの壁を残し、どこを開けるか」を設計図へ反映してください。
賃貸化は最初から準備する
親世帯を将来貸す考えがあるなら、単に玄関と水回りを分けるだけでは足りません。
郵便受け、インターホン、メーター、駐車場、室外機、ゴミ出し、音、施錠、避難経路まで別々に使える必要があります。
また、建物の区画、登記、住宅ローンの条件によって、そのまま貸せない場合もあります。
「空いたら貸せばいい」と考えて設備を増やすと、実際には需要がなく、維持費だけが残ることもあるでしょう。
まずは家族で使い続けられる間取りを基本にし、その上で賃貸へ変えられる条件を設計段階で確認します。
親世帯一人分の小さな住戸は、単身者向けとして使いやすい反面、地域の家賃や駐車需要にも左右されます。
子世帯の老後にも使える
親世帯の1LDKは、将来子世帯が高齢になったときの一階生活にも使えます。
若いときは二階の寝室で暮らしていても、階段が負担になれば、親世帯だった場所へ寝室と生活の中心を移せるからです。
このとき、親世帯のトイレ、洗面、浴室が使いやすい配置なら、大規模な改修を避けられる可能性があります。
つまり、親のためだけの住戸ではなく、家族が順番に使い継ぐ一階の生活拠点として考えられます。
あなたは、親世帯が空いた後、その場所をどのように使いたいでしょうか。
その答えが、今つくるべき玄関、内扉、水回り、収納の形を決めてくれます。
積水ハウスで相談する要点
親一人の二世帯住宅は、普通の注文住宅より、家族の距離、将来の介護、設備の重複、生活音を同時に扱う必要があります。
図面を描くだけでなく、親子の意見をほどき、総額と将来対策を並べて提案できる担当者へ相談することが大切です。
最初に伝える条件をそろえる
相談前に、親世帯は1LDKか2LDKか、浴室を分けるか、玄関を分けるか、内扉を設けるかを家族で話しておきます。
さらに、親の今の年齢や健康だけでなく、十年後に想定するベッド、歩行器、介助、車の利用も伝えてください。
子世帯については、人数、必要な個室、在宅勤務、洗濯、帰宅時間、孫と親の関わり方まで共有します。
要望がそろっていない状態で図面を依頼すると、親子のどちらかに寄った案になり、修正を重ねやすくなります。
最初に優先順位を三段階ほどに分け、絶対に守る条件と、費用次第で調整できる条件を伝えましょう。
担当者へ確認したい質問
担当者には、同じ規模の親一人向け二世帯住宅を経験しているか、完全分離と一部共有の失敗例を聞いてみてください。
次に、親世帯の寝室上部に何を配置するか、排水管をどこへ通すか、将来一世帯化するときにどの壁を変更できるかを確認します。
見積もりでは、建物本体だけでなく、設備二世帯分、地盤、解体、仮住まい、外構、登記、メーターまで含む総額を出してもらいましょう。
良い担当者は、希望をすべて入れて高額な案を出すだけでなく、暮らしを壊さずに費用を下げる代替案も示してくれます。
親と子の意見が違ったとき、誰に何を確認し、どう合意をつくるかという進め方も大切な判断材料です。
初回接触前に相談しておく
積水ハウスを候補に入れているなら、住宅展示場で個人情報を記入したり、公式資料を請求したりする前に、紹介の条件を確認しておくと選択肢を残しやすくなります。
すまつなでは、親一人の二世帯住宅で考えていることを聞いた上で、二世帯の間取りや資金計画を扱える担当者へつなぐための相談を受け付けています。
紹介や条件は地域、建物、商談状況によって異なりますが、担当者が決まる前に要望を共有できることには意味があります。
親世帯を狭くする相談ではなく、親が一人でも自立して暮らせ、必要なときに子世帯が支えられる住まいをつくる相談として始めてください。
親一人の二世帯住宅に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 親一人の二世帯住宅は1LDKで足りますか?
A. 多くの場合は1LDKを基本に考えられます。
ただし、来客の宿泊、仏間、趣味、介護者の滞在が必要なら、2LDKまたは引き戸で区切れる予備空間を検討してください。
部屋数より、寝室からトイレまでの距離、収納、ベッド周りの余白を優先する方が、長く暮らしやすくなります。
Q2. 母一人の親世帯は何階に置くべきですか?
A. 基本は一階です。
玄関、LDK、寝室、トイレ、洗面、浴室を一階で完結させれば、階段を使わずに暮らせます。
子世帯を二階へ置く場合は、親の寝室上にLDKや水回りを重ねず、足音と排水音へ備えてください。
Q3. 親世帯はミニキッチンで十分ですか?
A. 親が普段どれだけ料理するかで決まります。
簡単な朝食や温めが中心ならミニキッチンでも使えますが、毎日調理するなら作業台、収納、換気、冷蔵庫置き場が不足しやすいでしょう。
小さくする場合も、家電用コンセントと将来の設備交換に必要な配管を確認してください。
Q4. 35坪で完全分離の二世帯住宅はできますか?
A. 親一人の1LDKと子世帯を組み合わせれば検討できますが、かなり丁寧な取捨選択が必要です。
玄関や水回りをすべて二つにすると、居室よりも通路と設備が面積を使い、収納不足になりやすくなります。
浴室の共有、親世帯のシャワー化、可動間仕切りなどを比べ、将来の介護動線だけは削らないようにしましょう。
Q5. 親世帯が空いた後はどう使えますか?
A. 子世帯の一階生活、客間、仕事部屋、趣味室として使う方法が現実的です。
賃貸化も考えられますが、玄関や設備だけでなく、区画、メーター、駐車場、住宅ローンなどの条件が関わります。
将来一体利用する可能性が高いなら、施錠できる内扉と、転用しやすい水回りを設計段階から準備してください。
親一人の二世帯住宅まとめ
親一人の二世帯住宅は、広い親世帯をつくることが目的ではありません。
一階の1LDKを基本に、LDKと寝室を近づけ、寝室からトイレまでの移動、引き戸、収納、温度差、ベッド周りの余白を優先してください。
来客や介護者の宿泊が必要なら、使わない個室を増やすより、引き戸で区切れる予備空間を設ける方法があります。
上下分離では生活音、左右分離や平屋では基礎と屋根の増加、35坪前後では設備と収納の競合が課題です。
だからこそ、現在の親の暮らしだけでなく、十年後の身体状況、親世帯が空いた後、子世帯自身の老後まで一つの図面で考える必要があります。
積水ハウスで計画するなら、親子の要望をまとめ、完全分離と共有の差額、音対策、将来変更できる壁まで説明できる担当者へ相談しましょう。
親のために小さな家を付け足すのではなく、家族が長く使い継げる一階の生活拠点をつくること。
それが、親一人の二世帯住宅で後悔を減らす考え方です。


