こんにちは。住まいをつなぐ「すまつな」の北川です。
狭小地で必要な床面積を確保しようとすると、かなり現実的な選択肢になるのが3階建てです。
土地を横に広げられないなら、住まいを縦へ伸ばす。
考え方としてはシンプルなのですが、実際の暮らしは2階建てよりも縦移動が増えるので、間取りの作り方ひとつで快適さが大きく変わります。
特に私が建築前に考えておいてほしいのは、階段そのものよりも、「階段を使って何を運ぶことになるのか」という部分です。
買い物袋、洗濯物、掃除機、飲み物、子どもの荷物、冷蔵庫、ベッド、ソファ。
若いうちは何でもない移動でも、毎日何十年も続けば話は変わってきます。
だからこそ狭小住宅の3階建ては、部屋数をきれいに配置するだけではなく、縦方向の生活動線まで間取りとして考えることがかなり重要です。
この記事では、狭小住宅を3階建てにするメリットから、階段、水回り、トイレ、家具搬入、老後、ホームエレベーターまで、住み始めてから困りやすいポイントをかなり具体的に解説します。
記事のポイント
- 狭小住宅を3階建てにするメリットと注意点
- 毎日の負担を減らす階段と水回りの考え方
- 冷蔵庫やベッドなど大型家具の搬入対策
- 老後とホームエレベーターまで考えた間取り
狭小住宅で3階建てを選ぶ理由
狭小住宅における3階建ての一番大きな役割は、限られた土地の中で必要な延床面積を確保することです。
ただし、「3階にすれば広くなる」という単純な話だけではありません。
土地、駐車場、採光、プライバシー、家族構成を一緒に考えたとき、3階建てだからこそ解決できることがあります。
土地を縦方向へ使える
土地面積が限られる狭小住宅では、1階だけでLDK、水回り、玄関、収納、個室をすべて確保するのは現実的ではありません。
そこで2階、3階へ床を重ねることで、土地の広さ以上の生活空間を確保できます。
例えば1階を玄関、駐車場、水回り、2階をLDK、3階を寝室や子ども部屋という構成にすれば、各階の役割が分かりやすくなります。
反対に、日当たりを優先して3階にLDKを置き、1階と2階を個室中心にする間取りも考えられます。
狭小住宅の3階建ては、横方向に足りない面積を単純に補うものではなく、暮らしを階ごとに分けられる住宅だと考えると分かりやすいでしょう。
大切なのは「何階に何部屋置くか」より、「朝から夜まで家族が何階を何回移動するか」を考えて間取りを決めることです。
採光を取りやすくできる
狭小地では隣家との距離が近く、1階へ十分な光を入れにくい土地があります。
そのような土地では、2階や3階へLDKを上げることで、周囲の建物の影響を受けにくくできる場合があります。
高い位置から空が見えるだけでも、同じ床面積とは思えないほど開放感が変わるものです。
一方で、高い階にLDKを置けば、食料品や日用品を玄関から持ち上げる回数も増えます。
明るさだけを追いかけてLDKの階を決めると、入居後に「毎日の買い物が地味に大変だった」と感じるかもしれません。
そこで、採光と生活動線をセットで比べる必要があります。
駐車場と居住面積を両立できる
敷地の小さい住宅ほど悩みやすいのが駐車場です。
車を1台置くだけでも土地のかなりの部分を使うため、1階の床面積を広く取れないケースがあります。
ビルトインガレージを取り入れ、その上へ2階、3階を重ねる方法も有力です。
ただ、ビルトインガレージを採用すると柱や壁の配置、耐震計画、玄関動線などにも影響するため、車だけを先に配置して残りを住宅にする考え方はおすすめしません。
駐車、玄関、階段、収納まで一体で設計した方が、限られた面積を使いやすくできます。
3階建ては構造選びも重要
3階建てでは、階数が増えるぶん建物重量や地震時の力を考慮した構造計画が重要になります。
構造だけで住宅会社を決める必要はありませんが、狭小地では大開口、ビルトインガレージ、変形敷地など条件が重なることも珍しくありません。
積水ハウスでは鉄骨3・4階建てに重量鉄骨の「フレキシブルβシステム」が用いられ、通し柱を必要としない梁勝ちラーメン構造によって、各階の柱位置を変えながら設計できます。
狭小敷地や変形敷地にも対応しやすく、各階を250mm刻みで計画できる点も都市型住宅と相性がいい部分です。
積水ハウスの3・4階建てについては、積水ハウス公式のフレキシブル3・4階建てでも構造と設計例を確認できます。
また、価格面を含めて検討しているなら、すまつなの積水ハウスの3階建て価格と総額を解説した記事もあわせて読むと全体像をつかみやすいかなと思います。
3階建て最大の注意点は階段
狭小住宅の3階建てを考えるうえで、私なら最初に階段を見ます。
階段は単なる移動設備ではありません。
毎日、家族全員が繰り返し使う生活動線であり、家具や家電の搬入路にもなります。
階段の回数は想像以上に増える
例えば1階が玄関、2階がLDK、3階が寝室なら、朝起きて3階から2階へ降り、出掛けるために1階へ降りるだけで2フロア移動します。
忘れ物を取りに戻れば、そこからさらに往復。
洗濯機が1階で物干しが3階なら、濡れた洗濯物を持って2フロア上がることになります。
宅配便が届けば玄関まで降りる。
掃除機を1台だけにすれば、掃除するたびに階段を持って移動する。
一回一回は大したことがなくても、毎日の小さな上下移動が積み重なるのが3階建てです。
だから私は、図面を見るときに「階段が何か所あるか」ではなく、「ある一日の行動」を朝から順番に追ってみることをおすすめします。
階段幅は最低寸法だけで決めない
住宅の階段については建築基準上の寸法がありますが、基準を満たしていることと、暮らしやすいことは別の話です。
一般的な住宅階段では、建築基準上、幅や蹴上げ、踏面について最低限の基準が設けられています。
しかし狭小住宅では、数センチでも居室を広くしたくなるため、階段が必要最低限の寸法に寄りやすくなります。
ここは少し慎重に考えたいところです。
階段が狭ければ、大人同士ですれ違いにくくなります。
洗濯かごを持てば壁へぶつかりやすくなります。
さらに大型家具を搬入するときは、階段そのものの幅だけではなく、手すり、天井、踊り場、曲がり角まで影響します。
有効幅で確認する
図面上の階段幅を見るだけではなく、完成後に実際に通れる有効幅を確認するのがポイントです。
壁の仕上げや手すりによって、数字から受ける印象より狭く感じることがあります。
あなたが両手に荷物を持った状態で歩けるか。
家族とすれ違えるか。
大型家具を回転させられるか。
このあたりまで想像しておくと後悔を減らせます。
急な階段は面積を節約できる
階段を急にすれば、階段に必要な水平距離を短くできます。
狭小住宅では魅力的に見える方法です。
ただ、当然ながら上り下りは大変になります。
特に下りは、急な階段ほど怖さを感じやすいもの。
小さな子ども、高齢になった自分、荷物を持った状態まで考えれば、単純に「階段面積を小さくできて得」とは言えません。
階段は削った面積以上に毎日の使いやすさへ影響する場所です。
居室を少し広げるために階段を急にする場合は、本当にその数十センチを優先する価値があるのかまで考えてみてください。
折り返し階段も検討する
直線階段は形が分かりやすく、家具搬入にも対応しやすい一方、それなりの長さが必要です。
そこで狭小住宅では、途中で折り返す階段もよく使われます。
踊り場を設けた折り返し階段なら、一度に長い距離を転落するリスクを抑えやすく、方向転換できる場所もできます。
ただし家具搬入では、直線階段より曲がり角が難所になることがあります。
階段単体ではなく、搬入する物の寸法を含めて判断する必要があります。
螺旋階段は慎重に考える
狭小住宅の階段を調べていると、螺旋階段を候補にする人もいるでしょう。
デザイン性が高く、プランによっては省スペース化にもつながります。
ただ、踏面の内側と外側で幅が変わるため、通常の階段とは歩き方が異なります。
大きな荷物を持って移動するときや家具搬入でも制約を受けやすいため、見た目だけで決めるのは避けたいところ。
特に毎日何度も上り下りする3階建てなら、家族全員が無理なく使えるかを優先したいですね。
間取りは縦動線から考える
3階建ての間取りで後悔を減らすなら、各階の部屋を先に決めるのではなく、生活行動のまとまりから配置を考えていきます。
中でも影響が大きいのが、LDK、洗濯、水回り、収納です。
LDKを何階に置くか
3階建てではLDKを1階、2階、3階のどこに置くかで生活がかなり変わります。
1階LDKは玄関や道路に近く、買い物した荷物を運びやすいのが魅力です。
ただし隣家や道路からの視線、日当たりには工夫が必要になることがあります。
2階LDKは、採光と生活動線のバランスを取りやすい配置です。
1階玄関から1フロア上がるだけなので、3階LDKほど買い物の負担も増えません。
3階LDKは周囲の建物を越えて光や眺望を得やすい反面、玄関から食料品を毎回2フロア運ぶ生活になります。
| LDKの位置 | 魅力 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1階 | 買い物や来客の移動が短い | 採光と道路からの視線 |
| 2階 | 採光と動線のバランスを取りやすい | 買い物を1階分運ぶ |
| 3階 | 明るさや眺望を得やすい | 日常の上下移動が多くなる |
私は、狭小住宅なら2階LDKをまず基準に考え、土地条件に応じて1階や3階と比べる方法が分かりやすいと思います。
もちろん土地によって答えは違います。
大切なのは、明るさだけではなく、玄関からキッチンまでスーパーの袋を持って歩く姿まで想像することです。
水回りは近い階へ集める
3階建てでは、洗濯機、物干し、ファミリークローゼットが別々の階になると、一気に家事が大変になります。
洗うために1階へ降り、干すために3階へ上がり、畳んだ服を2階へ運ぶような間取りは、毎日ちょっとした運搬作業です。
そこで、できる限り「洗う、干す、しまう」を同じ階または近い階にまとめることをおすすめします。
乾燥まで室内で完結する
狭小住宅では、必ずしも大きなバルコニーを作れるとは限りません。
だったら最初から室内干しや衣類乾燥機を中心に考えてしまう方法もあります。
洗濯物を持って上階のバルコニーまで運ぶ必要がなくなれば、3階建て特有の負担をかなり減らせます。
収納も各階へ分散する
収納面積を効率化しようとして、大きなファミリークローゼットを一か所だけ作る間取りがあります。
2階建てなら使いやすいことも多いのですが、3階建てでは収納場所まで毎回階段を移動する可能性があります。
私は3階建てなら、メイン収納に加えて各階にも必要最低限の収納を持たせたいですね。
例えば1階には外出用品、2階LDKには日用品、3階寝室には衣類という具合です。
掃除用品も各階へ少しずつ置けば、掃除機やモップを持って階段を往復する必要が減ります。
限られた床面積なので収納を増やしすぎる必要はありません。
物を使う場所と戻す場所を近づけることがポイントです。
3階建てのトイレは何個必要か
狭小住宅では、トイレ一つにも貴重な床面積を使います。
だから「トイレは1個で十分では?」と考える気持ちもよく分かります。
ただ、3階建てになると話は少し変わります。
1個だけだと移動が増える
例えばトイレを1階だけにすると、3階の寝室から夜中に2フロア降りなければなりません。
若いうちは気にならなくても、体調を崩したときや高齢になったときは負担になります。
逆に3階だけにすれば、来客や帰宅直後に不便です。
3階建ての場合、生活の中心となる階と寝室階の両方からアクセスしやすい位置を考える必要があります。
各階トイレは便利だが面積を使う
各階にトイレがあれば移動はかなり楽になります。
朝の混雑も避けやすくなりますし、老後の安心感も増すでしょう。
ただし3個設置すれば、そのぶん便器だけではなく、壁、扉、配管、換気、手洗いなどのスペースと費用が必要です。
狭小住宅では、その面積で収納や廊下を確保した方が暮らしやすい場合もあります。
2か所を基準に考える
家族構成にもよりますが、私は3階建てならまず2か所配置する案から検討します。
例えば1階と3階、あるいは2階と3階という配置です。
どこへ置けば家族全員の移動が最小になるかを比べ、そのうえで3か所必要なのか、1か所へ減らしても問題ないのかを判断します。
家具と家電の搬入を忘れない
狭小住宅の3階建てで、完成後に「しまった」となりやすいのが家具や家電の搬入です。
人が通れる階段と、冷蔵庫やソファが通れる階段は同じではありません。
冷蔵庫が階段を通らない
2階や3階にキッチンを作る場合、冷蔵庫をそこまで運ばなければなりません。
問題になるのは階段幅だけではなく、玄関、廊下、階段の曲がり角、踊り場、天井高さ、手すりです。
特に大容量の冷蔵庫は奥行きも高さもあるため、階段を曲がれないことがあります。
本体寸法だけでは足りない
冷蔵庫の幅が65cmだから、70cmの通路なら大丈夫という判断は危険です。
実際の搬入では本体を持つ人の手や体のスペースも必要です。
さらに階段を曲がるときは冷蔵庫を回転させる余裕も必要になります。
設計段階で予定している冷蔵庫の寸法が分かっているなら、図面上で搬入経路まで確認してもらうのが確実です。
狭小住宅で2階以上にキッチンを置くなら、「冷蔵庫置き場の寸法」と「冷蔵庫搬入経路」は別々に確認してください。
ベッドは分解できるか
ベッドは比較的分解できる製品が多いため、冷蔵庫より対応しやすいものの、マットレスは別です。
大型マットレスは折り曲げられないタイプもあります。
狭い折り返し階段では、長さや厚みが原因で上階へ運べないことがあります。
将来ベッドを買い替える可能性まで考えるなら、窓やバルコニーから吊り上げ搬入できるかも確認しておくと安心です。
ソファも曲がり角が難しい
ソファも要注意。
特に一体型の大きなソファは、横幅だけなら階段を通れても、踊り場で向きを変えられないことがあります。
狭小住宅では分割式ソファを選ぶのも現実的な対策です。
家具を間取りへ合わせる考え方も必要になります。
窓からの吊り上げも想定する
階段から搬入できない家具や家電は、クレーンや人力で窓やバルコニーから吊り上げる方法があります。
ただし、道路幅、電線、隣家、植栽、窓寸法などによって対応できない場合があります。
毎回特殊搬入が必要になれば、買い替えのたびに負担も増えます。
建築時だけ運べればいいのではなく、将来交換する家電まで考えておきたいところです。
老後まで暮らせる3階建て
狭小住宅の3階建てを考えると、「若いうちはいいけれど老後はどうする?」という疑問が出てきます。
これは避けずに考えておいた方がいいテーマです。
階段を使わない生活は難しい
3階建てでは、通常どこかの生活機能が別の階に分かれます。
寝室、LDK、浴室、玄関をすべて同じ階に置くことは難しいでしょう。
つまり階段が使いにくくなったとき、生活そのものへ影響します。
だからといって「老後があるから3階建てはやめた方がいい」という話でもありません。
重要なのは、階段を使うことが難しくなった場合の選択肢を建築時から残すことです。
主寝室と水回りを近づける
老後を考えるなら、寝室とトイレの距離はかなり重要です。
夜中にトイレへ行くたび階段を使う間取りは、できれば避けたいですね。
主寝室のある階にトイレを配置するだけでも、生活の安心感は変わります。
浴室や洗面まで同じ階にまとめられれば、さらに上下移動を減らせます。
将来部屋の用途を変えられるか
子どもが独立したあと、3階を毎日使う必要がなくなる家庭もあるでしょう。
その場合、夫婦の生活を1階と2階だけで完結させられるようにしておけば、3階へ上がる回数をかなり減らせます。
若いころは子ども部屋として使い、将来は物置や来客室にする。
あるいは2階の一室を将来の寝室へ変更できるよう、広さや収納を確保しておく。
こうした可変性があるだけでも違います。
手すりを後付けできる下地
新築時には必要ないと思っても、将来階段へ手すりを追加したくなる可能性があります。
壁の中に必要な下地を入れておけば、後から設置しやすくなります。
階段だけでなく、トイレ、玄関、浴室なども同じ考え方です。
完成後に見えなくなる下地は、建築時なら対応しやすい部分です。
将来の手すり位置を想定し、必要な場所へ下地を入れられないか打ち合わせ時に確認しておくといいでしょう。
ホームエレベーターを考える
3階建て住宅の老後対策として気になるのがホームエレベーターです。
最初から設置する方法もあれば、将来取り付けることを想定して間取りだけ準備する方法もあります。
最初から設置するメリット
最初からホームエレベーターを設置すれば、買い物、洗濯、重い荷物などの移動がかなり楽になります。
高齢になってからだけでなく、日常生活そのものが変わる設備です。
3階LDKへ買い物袋を運ぶ場合や、各階に水回りが分かれている住宅では恩恵を感じやすいでしょう。
一方で、エレベーター本体だけではなく、設置スペース、電源、建築計画、維持管理まで考える必要があります。
国土交通省も昇降機について、設置後を含めて適切な維持管理が必要であることを示しています。
将来設置できる空間を残す
建築時にはホームエレベーターが必要なくても、将来の設置場所を想定しておく方法があります。
例えば各階の同じ位置へ収納を配置し、将来的にその部分をエレベーター空間へ転用する考え方です。
これはかなり合理的だと思います。
若いうちは収納として使えるので、使わない空洞を何十年も残す必要がありません。
ただし「上下階に収納を重ねれば必ず後から設置できる」というわけではありません。
構造、基礎、梁、配線、設備、出入口なども関わります。
そのため、将来設置する可能性があるなら、新築時点で住宅会社へ将来のホームエレベーター設置を前提条件として伝えることが重要です。
エレベーターだけに頼らない
ホームエレベーターを付ければ階段をどう作ってもいい、という考え方はおすすめしません。
エレベーターを使わない家族もいますし、点検や故障などで一時的に使用できない可能性もあります。
普段使う階段そのものを歩きやすくして、そのうえでエレベーターを加える考え方が自然です。
吹き抜けと階段の採光
狭小住宅では居室を優先するあまり、階段が建物中央の暗い場所へ追いやられることがあります。
しかし毎日何度も使う場所だからこそ、階段の明るさは意外と大切です。
高窓から光を入れる
階段上部に窓を設けると、上から入った光を階段空間へ落とすことができます。
隣家との距離が近い狭小地でも、高い位置の窓なら視線を避けながら光を取り込みやすい場合があります。
開閉方法まで考える
高い位置に窓を作る場合、問題になるのが開閉と清掃です。
我が家では手の届かない高さにある窓を電動式にしました。
これは暮らしてみても使いやすいと感じています。
窓は付けた瞬間より、住み始めてからどう操作するかが大事。
狭小住宅の3階建てでは、窓一つにもこの視点が必要です。
4階建てならさらに慎重に
狭小地では3階建てだけでなく4階建てが候補になることもあります。
1フロア増えれば床面積をさらに確保できますが、縦移動も当然増えます。
床面積をさらに確保できる
土地価格の高い場所では、土地を広く購入するより建物を上へ伸ばした方が希望する延床面積を確保しやすいケースがあります。
1階をガレージ、2階をLDK、3階を子ども部屋、4階を主寝室といった構成も可能でしょう。
店舗併用や二世帯住宅など、住居以外の用途と組み合わせたい場合にも4階建ては選択肢になります。
階段だけでは負担が大きい
ただし4階建てになれば、1階から4階まで3フロア分を移動する生活です。
忘れ物一つで結構な運動になります。
そのため3階建て以上に、ホームエレベーターを含めた上下移動の考え方が重要でしょう。
また構造、基礎、敷地条件、法規制、工事方法なども2階建てとは大きく変わります。
単に「もう1階増やせば部屋が増える」と考えるより、建築費と暮らし方の両面から判断してください。
後悔しやすい間取り
ここまでの内容を踏まえると、狭小住宅の3階建てには後悔につながりやすい共通点が見えてきます。
間取りを見るときは、次のような状態になっていないか確認してみてください。
洗濯動線が階をまたぐ
洗濯機、物干し、収納がそれぞれ別の階にある間取りは、家事のたびに階段を使います。
図面では数メートルの違いですが、実生活では年間を通して繰り返されます。
毎日発生する家事ほど、階をまたがせない。
3階建てではかなり大切な考え方です。
収納が一か所に集中する
大容量収納は魅力的ですが、使う場所から遠ければ毎回取りに行く必要があります。
各階で日常的に使う物だけは、その階に収納できるようにしておく方が快適です。
トイレが寝室から遠い
夜中に階段を使わないとトイレへ行けない間取りは、長期的な暮らしを考えると慎重に判断したい部分です。
少なくとも主寝室のある階、またはすぐ近い階へ配置できないか確認してください。
家具搬入を考えていない
階段幅、廊下幅、窓寸法まで確認せず間取りだけ完成させると、大型家具や家電の購入時に困ることがあります。
冷蔵庫、ソファ、マットレスなど、今持っている物だけでなく将来買い替える可能性も考えておきたいですね。
老後を後回しにしている
家を建てる時点で元気なら、老後の階段問題は遠い未来に感じると思います。
でも構造や階段位置を後から変えるのは簡単ではありません。
ホームエレベーターを今付ける必要はなくても、将来の設置スペースや手すり下地だけ準備する方法はあります。
3階建てで最も避けたいのは、「今使いやすい間取り」だけで完成させてしまうことです。
子育て中、子ども独立後、老後という時間軸まで含めて考えると、必要な設備や部屋の位置が変わって見えてきます。
積水ハウスで考える3階建て
狭小住宅の3階建ては、限られた土地に多くの条件を入れるため、住宅会社の提案力がかなり表れやすい住宅だと思います。
構造が成立することだけでなく、実際の生活まで考えてもらえるかを見たいところです。
各階を自由に考えやすい構造
積水ハウスの鉄骨3・4階建てでは、重量鉄骨のフレキシブルβシステムが使われます。
通し柱を必要としないため、例えば1階は駐車場を優先し、2階はLDKを広く取り、3階では個室を配置するなど、階ごとに異なる計画をしやすいのが特徴です。
狭小住宅では「1階の柱位置のせいで2階の間取りが決まる」といった制約が生活空間へ大きく影響するため、各階の使い方を考えやすい構造は相性がいいでしょう。
担当者の提案力まで見たい
ただ、構造が自由だから良い家になるわけではありません。
本当に大事なのは、その自由度をどう暮らしへ落とし込むかです。
例えば、2階LDKを提案するときに、採光の話だけではなく「玄関から買い物袋を運ぶ距離」まで話してくれるか。
3階へ寝室を配置するときに、老後のトイレ動線まで考えてくれるか。
冷蔵庫の設置位置だけでなく、搬入経路まで確認してくれるか。
こういう細かい話が、完成後の満足度につながると私は思っています。
最初の担当者選びも重要
私は積水ハウスで実際に家を建てて暮らしていますが、家づくりを終えて改めて感じるのは、住宅会社だけでなく担当チームの影響が大きいということです。
特に狭小住宅や3階建てのように条件の多い家では、土地、構造、間取り、生活動線を一緒に考えられる人に相談した方が進めやすいでしょう。
もし積水ハウスも候補に入っていて、まだ展示場訪問や具体的な商談を始めていない段階なら、先にすまつなへ相談してもらえれば、建築地域や計画内容に合わせた担当者へつなぐための橋渡しができます。
紹介特典や価格条件は建築地域、建物、商談状況などによって変わるため一律ではありませんが、担当者との最初の出会いを偶然任せたくない場合には役立つと思います。
狭小住宅3階建てのよくある質問(FAQ)
Q1. 狭小住宅は3階建てにした方がいいですか?
A. 土地を広げられず、必要な延床面積を2階建てでは確保しにくい場合には、有力な選択肢です。
ただし3階建てにすれば自動的に暮らしやすくなるわけではなく、階段移動が増える点まで含めて考える必要があります。
土地の建ぺい率や容積率、高さ制限などによって建てられる規模も変わるため、土地条件と希望する暮らしを同時に検討することが大切です。
Q2. 狭小住宅の階段はできるだけ小さくした方がいいですか?
A. 居住面積を確保するためだけに階段を小さくするのはおすすめしません。
階段は家族が毎日使うだけでなく、冷蔵庫、ソファ、ベッドなどを上階へ運ぶ搬入路にもなります。
階段面積を減らして居室を少し広げても、階段が急になったり大型家具が通らなくなったりすれば、長期間の暮らしでは不便の方が大きくなる可能性があります。
Q3. 3階建てではトイレを各階に付けた方がいいですか?
A. 必ず各階へ設置する必要はありません。
床面積に余裕がない狭小住宅では、3つのトイレを設けることで収納や居室が圧迫される可能性があります。
まずは生活の中心となる階と寝室階からアクセスしやすい2か所を検討し、家族人数や朝の混雑状況を踏まえて増減すると考えやすいでしょう。
Q4. 3階建ては老後に住みにくくなりますか?
A. 階段移動が多いため、2階建てや平屋より負担が増える可能性はあります。
その一方で、主寝室とトイレを近づける、将来使う階を減らせる間取りにする、手すり用下地を入れる、ホームエレベーターの設置場所を確保するといった工夫は可能です。
老後を理由に3階建てそのものを避けるのではなく、階段を使いにくくなった場合の生活を建築前から考えておくことが重要です。
Q5. ホームエレベーターは後付けできますか?
A. 建物の構造や間取りによっては後から設置できる場合がありますが、どの住宅でも簡単に追加できるわけではありません。
将来設置する可能性があるなら、各階の同じ位置に収納を設けるなど、建築時から設置候補スペースを確保する方法があります。
基礎、梁、電源、出入口なども関わるため、「将来エレベーターを設置する可能性がある」と設計段階で伝え、その前提で建物を計画しておくことが大切です。
狭小住宅3階建てのまとめ
狭小住宅の3階建ては、限られた土地でも必要な延床面積を確保できる、とても有効な方法です。
採光を得やすくしたり、駐車場と居住空間を両立したり、階ごとに生活空間を分けたりと、2階建てでは難しい暮らしを実現できる可能性があります。
その一方で、3階建てで後悔するかどうかを分けるのは「縦移動をどこまで想像したか」だと私は思っています。
買い物袋を持って玄関からキッチンへ行く。
洗濯物を洗濯機から物干し場所へ運ぶ。
夜中に寝室からトイレへ行く。
冷蔵庫をキッチンまで搬入する。
年齢を重ねてから階段を上る。
こうした一つひとつの場面を図面上で確認してみてください。
水回りを近い階へ集める、各階へ必要な収納を分散する、寝室階にトイレを置く、階段を必要以上に急にしない。
さらに将来のホームエレベーター設置スペースや手すり用下地まで考えておけば、何十年先の選択肢も残せます。
「今なら上れるから大丈夫」ではなく、「この家で長く暮らしたときも使いやすいか」で決める。
これが、狭小住宅の3階建てで一番大切な考え方です。
積水ハウスは重量鉄骨による3・4階建て住宅を扱い、狭小敷地や都市型住宅にも対応できる選択肢があります。
ただ、構造性能だけで会社や担当者を決めるのではなく、あなたの暮らし方まで想像してプランを作ってくれるかを見てください。
積水ハウスを候補にしていて、まだ具体的な商談を始めていないなら、すまつなから相談してもらえれば、私の施主経験も踏まえながら最初の担当者選びからお手伝いします。





