こんにちは。住まいをつなぐ「すまつな」の北川です。
狭小住宅の間取りを考えるとき、私は「何畳の部屋をいくつ取れるか」から入らない方がいいと思っています。
限られた面積へ個室、収納、廊下、水まわりを順番に押し込んでいくと、図面上では必要な部屋がそろっていても、実際には細かく仕切られた窮屈な家になりやすいからです。
反対に、延床面積がコンパクトでも、廊下を減らし、視線を遠くへ抜き、縦方向の空間を使い、窓の先まで室内のように感じられるよう設計すると、体感はかなり変わります。
私自身、積水ハウスで家を建てるときには、中庭、吹き抜け、大きな窓、階段の位置まで含めて「数字以上に広く感じるか」を何度も確認しました。
実際に暮らしてみると、広さは床面積だけではなく、視線の距離、天井までの高さ、外とのつながり、家具を置いたあとの余白で決まる部分がかなり大きいと感じています。
この記事では、細長い土地や縦長の狭小住宅、うなぎの寝床と呼ばれる敷地、三角形などの変形地まで含めて、狭さを感じにくい間取りの考え方を具体的に紹介します。
記事のポイント
- 狭小住宅を広く感じさせる間取りの基本
- 細長い土地や縦長敷地を生かす設計方法
- 吹き抜けやスキップフロアを採用する注意点
- 間取り図で確認したい動線と家具配置
狭小住宅を広く見せる基本
狭小住宅の間取りでは、単純に床面積を増やすことが難しいからこそ、「面積をどう配るか」と「どこまで見えるか」の両方を考える必要があります。
私は、狭小住宅ほど部屋数より先に、廊下、階段、収納、窓、家具、外部空間まで一枚の図面で考えた方がいいと思っています。
面積より視線の距離を見る
同じ広さのリビングでも、壁に囲まれた部屋と、奥に窓があり庭や空まで見える部屋では、感じる広さがまったく違います。
狭小住宅の間取りでは、視線がどこで止まるのかを確認してみてください。
玄関を入った瞬間に正面が壁なら、実際の奥行きより狭く感じやすくなります。
一方、玄関から廊下の先に窓や植栽が見えれば、視線は建物の外まで延びるので、数字以上の奥行きを感じやすくなるでしょう。
リビングでも同じで、ソファへ座ったときにテレビまでしか見えないのか、その先に窓や中庭があるのかで印象はかなり変わります。
狭小住宅では「何畳あるか」だけでなく、「座った位置から何メートル先まで見えるか」という感覚で図面を見ることが大切です。
廊下を移動専用にしない
狭小住宅で意外ともったいないのが、移動するだけの廊下です。
もちろん、プライバシーや音への配慮から廊下が必要な場所もあります。
ただし、限られた床面積の中で長い廊下をつくれば、その分だけLDKや収納へ使える面積は減ります。
そこで、LDKそのものを通路の一部にしたり、階段ホールと書斎を兼ねたり、洗面スペースを通路沿いへ配置したりすると、移動のためだけの面積を減らせます。
ただ、動線を何でも居室へ取り込めばいいわけでもありません。
ソファとテレビの間を家族が何度も横切るような間取りでは、廊下をなくした代わりに落ち着かないリビングになってしまいます。
大切なのは、通路をなくすことではなく、通路にも別の役割を持たせることです。
家具を置いてから判断する
狭小住宅の間取り図で最も避けたいのが、家具を描かずに「LDKは十分広い」と判断することです。
完成した家には、ソファ、テレビ、ダイニングテーブル、椅子、冷蔵庫、収納家具などが入ります。
ダイニングテーブルは天板だけ置ければ終わりではなく、椅子を引く場所と、その後ろを人が通る場所も必要です。
ソファも同様で、家具そのものの寸法より周囲の余白が暮らしやすさを左右します。
狭小住宅の図面は、家具を実寸に近い大きさで入れて初めて完成だと考えてください。
狭小住宅の間取りアイデア
ここからは、狭小住宅で使いやすい間取りアイデアを10個紹介します。
すべてを盛り込む必要はなく、敷地の方位、道路、隣家の窓、家族構成、生活時間に合う方法だけを選ぶのがポイントです。
廊下をできるだけ減らす
最初のアイデアは、廊下を必要最小限にすることです。
例えば玄関から長い廊下を伸ばして各部屋へ入る構成ではなく、玄関ホールからLDKへ入り、LDKを中心に階段や水まわりへつなぐ方法があります。
これなら移動空間と生活空間を重ねやすく、延床面積を有効に使えます。
ただし、トイレの扉がリビングから直接見える、玄関からキッチン内部が丸見えになるといった配置は避けたいところ。
壁を一枚ずらしたり、収納を目隠しとして使ったりするだけでも視線を切れます。
縦方向へ空間を広げる
狭小住宅では横方向に広げられない分、縦方向を活用します。
高天井、勾配天井、吹き抜け、スキップフロアなどが代表例です。
床の面積が同じでも天井が高くなると、視界に入る空間の量が増えるため、圧迫感を抑えやすくなります。
さらに高い位置に窓を設ければ、隣家からの視線を避けながら空を見せる設計も可能です。
狭小住宅では隣家が近く、1階の大きな窓を開けてもカーテンを閉めっぱなしになる場合があります。
そのため、窓を大きくすることより、どの高さから何を見せるかの方が重要です。
2階リビングを検討する
狭小住宅では、2階リビングがかなり有力な選択肢です。
1階は道路、駐車場、隣家の塀などに囲まれやすい一方、2階まで上がると空や遠くの景色を取り込みやすくなります。
さらに、1階を玄関、寝室、収納、水まわりなどへ使い、日中もっとも長く過ごすLDKを条件のよい階へ配置できます。
特に住宅密集地では、1階へ大きな窓を設けても人目が気になってカーテンを閉めてしまうことがあります。
そのような土地なら、2階リビングの方が明るさとプライバシーを両立しやすいでしょう。
ただし、2階リビングは階段移動が増えます。
買い物袋を持ってキッチンへ上がる動線、ゴミ出し、老後の生活、冷蔵庫や大型家具の搬入まで確認してから決めてください。
吹き抜けで上下をつなぐ
狭小住宅の吹き抜けは、開放感をつくる代表的な方法です。
上下階が視覚的につながるため、床面積以上の広がりを感じやすく、高い位置から光を取り込めるメリットもあります。
特に細長い土地で1階中央部が暗くなりやすい場合、吹き抜け上部の窓から光を落とす方法は有効です。
ただし、吹き抜けにした部分には当然ながら2階の床をつくれません。
狭小住宅はもともと床面積が限られるので、大きな吹き抜けをつくりすぎると、収納や個室が不足する可能性があります。
吹き抜けは「大きいほどいい」のではなく、必要な場所へ必要な大きさだけつくるのが基本です。
スキップフロアを使う
狭小住宅のスキップフロアは、床の高さを少しずつ変えながら空間をつなぐ方法です。
完全な個室にせず、リビングより少し高い位置へワークスペースを設けたり、階段途中に読書スペースをつくったりできます。
壁で部屋を分断しないため、家族の気配を感じながら用途を分けられるのが魅力でしょう。
段差を収納へ使う
スキップフロアでは、床の高低差によって生まれる部分を収納として使える場合があります。
例えば小上がりの下へ引き出し収納を設ければ、収納家具を別に置かなくても済みます。
ただし、段差が増えるほど掃除ロボットが移動しにくくなり、将来の暮らし方にも影響します。
見た目のおしゃれさだけではなく、毎日の上り下りまで想像してください。
スケルトン階段を使う
一般的な箱型階段は、階段そのものが視線を遮る大きな壁になりがちです。
そこで狭小住宅では、踏板の間が抜けたスケルトン階段を使い、光や視線を通す方法があります。
リビング階段と組み合わせれば、階段が単なる移動設備ではなく、空間の一部になります。
ただし、階段下を収納として最大限使いたい場合は、箱型階段の方が向いていることもあります。
開放感を取るのか、収納量を取るのか。
ここは狭小住宅でよくあるトレードオフです。
窓の先に景色をつくる
狭小住宅の窓は、採光だけを目的に考えるともったいないです。
例えば隣家の外壁しか見えない場所へ大きな窓をつくっても、結局カーテンを閉めてしまえば、開放感は得にくくなります。
そこで、植栽、空、塀、中庭など、窓の先に「見せたいもの」を先につくります。
小さな坪庭でも、室内から見れば空間の一部です。
反対に、見たくない方向は高窓や地窓にして視線をずらす方法があります。
住宅の居室には採光などに関する基準があり、建築物には敷地と道路の関係や形態制限もありますので、狭小地ではデザインだけで窓位置を決められない場合があります。
建築基準法が建物の構造、安全、採光、接道、容積率などの最低基準を定めていることは、国土交通省「建築基準法について」でも確認できます。
中庭や坪庭を取り込む
小さな敷地で中庭というと、「そんな余裕はない」と感じるかもしれません。
しかし、道路や隣家に向けて大きく開けない土地では、建物内部に外部空間をつくることで、プライバシーを守りながら光と視線を取り込めることがあります。
我が家も中庭を採用していますが、リビングの床面積そのもの以上に、中庭まで連続して見えることが広さの感覚につながっています。
ただし、中庭をつくれば建物の外周が増えやすく、窓、防水、外壁、排水なども増えます。
敷地が小さいほど、中庭へ使った面積と得られる効果を冷静に比べる必要があります。
壁面収納を活用する
狭小住宅では、大型の収納家具をあとから置くと通路が一気に狭くなることがあります。
そこで設計段階から壁面収納や造作収納を組み込み、家具の出っ張りを減らす方法があります。
テレビ周辺、キッチン、玄関、階段下など、デッドスペースになりやすい場所を収納へ変えると効率的です。
ただし、収納は量だけではなく奥行きが重要。
何でも深くすればいいわけではなく、日用品なら浅め、布団や大型用品なら深めというように、収納する物を決めてから寸法を決めます。
水まわりをまとめる
キッチン、洗面、浴室、トイレをばらばらに配置すると、それぞれをつなぐ通路や配管スペースが必要になります。
狭小住宅では水まわりを近づけ、家事動線と配管をまとめると、間取りを効率化しやすくなります。
例えばキッチンの近くへ洗面・ランドリーを配置すれば、料理と洗濯を行き来しやすくなります。
さらにファミリークローゼットまでつなげれば、「洗う、干す、しまう」を短い範囲で完結できます。
ただ、回遊動線をつくるために出入口を増やしすぎると、その分だけ収納を設置できる壁が減ります。
回遊できること自体を目的にせず、実際に一日に何回使う動線なのかで判断しましょう。
室内外の素材をつなぐ
最後のアイデアは、床、天井、窓、外部空間の見え方を連続させることです。
例えば室内の床とテラスの高さを近づけたり、天井材を軒下へ連続して見せたりすると、窓の位置で空間が終わって見えにくくなります。
これは床面積を増やさずに広がりを感じさせる方法です。
細長い土地の間取り
狭小住宅の中でも難しいのが、間口が狭く奥行きの長い、いわゆる「うなぎの寝床」のような土地です。
ただし、細長いこと自体が失敗の原因になるわけではありません。
細長さを前提として、光、視線、動線を一直線に設計すれば、むしろ奥行きを生かした印象的な住まいにできます。
奥行きを長所に変える
縦長の狭小住宅では、建物の長手方向へ視線を通す設計が有効です。
玄関から庭まで、キッチンからリビングまで、あるいはリビングから階段まで、途中を細かな壁で切りすぎないようにします。
長い土地なのに横方向ばかりへ空間を分割すると、一つひとつの部屋が短くなり、せっかくの奥行きが感じられません。
「細長いから狭い」のではなく、細長さを途中で何度も分断すると狭く感じやすい、と考えると間取りをつくりやすくなります。
中央部へ光を届ける
細長い住宅では、道路側と奥側には窓を取れても、建物中央が暗くなりやすい傾向があります。
そこで、吹き抜け、高窓、階段、坪庭などを使い、中央へ光を落とします。
階段部分を明るくして上下階の光を共有するのも一つの方法でしょう。
住宅の採光については、居室に必要な開口部の考え方が建築基準法で定められており、一定条件では合理化された基準も設けられています。
制度の概要は国土交通省「令和4年改正 建築基準法について」で確認できます。
一直線の動線に頼りすぎない
縦長住宅では「玄関、廊下、LDK」を一直線につなぎやすいのですが、廊下だけが長くなると面積をかなり消費します。
途中へ洗面、階段、収納などを配置し、移動経路にも機能を持たせると使いやすくなります。
ただし、玄関から家の奥まで丸見えにならないよう、壁や収納を少しずらして視線を調整することも大切です。
三角形や変形地の間取り
三角形や台形などの変形地は、一見すると狭小住宅には不利に見えます。
しかし、土地が変形しているからといって、建物まで無理に複雑な形へ合わせる必要はありません。
余った角を収納に使う
三角形の土地へ四角い建物を配置すると、敷地の端に三角形の余白ができます。
この部分を駐輪場、植栽、物置、室外機置き場などに使えば、建物内部を無理に変形させずに済みます。
室内に斜めの壁をつくる場合でも、その奥を収納にして家具を置く面を四角く残す方法があります。
家は完成して終わりではなく、家具を置いて暮らす場所です。
変形した空間が写真では格好よくても、市販家具が置けないと日常生活で困ることがあります。
建物はシンプルに考える
敷地形状へ細かく合わせて建物を凹凸させると、外壁や構造が複雑になることがあります。
狭小地では、ただでさえ施工スペースが限られるケースがあります。
だからこそ、土地の変形は外構で吸収し、建物本体はできるだけ分かりやすい形にする考え方も有力です。
土地の癖を全部消そうとするのではなく、どこを建物へ取り込み、どこを外へ残すかの判断が大切になります。
1階と2階リビングを比較
狭小住宅の間取りを決めるうえで、LDKを1階と2階のどちらへ置くかは大きな分岐点です。
どちらが上という話ではなく、土地条件と家族の暮らし方で変わります。
| 比較項目 | 1階リビング | 2階リビング |
|---|---|---|
| 玄関からの移動 | 短くしやすい | 階段移動が必要 |
| 買い物後の動線 | キッチンへ運びやすい | 荷物を2階へ運ぶ |
| 採光 | 隣家の影響を受けやすい | 光を取り込みやすい場合がある |
| プライバシー | 道路からの視線に注意 | 視線を避けやすい場合がある |
| 庭とのつながり | つなぎやすい | バルコニー等の工夫が必要 |
| 将来の移動 | ワンフロア化しやすい | 階段利用が続く |
1階リビングが向く家
庭とLDKを直接つなげたい家庭、小さな子どもが庭で遊ぶ家庭、将来できるだけ1階だけで生活したい家庭には、1階リビングが合いやすいでしょう。
ただし道路や隣家との距離が近い土地では、窓の位置に工夫が必要です。
大きな掃き出し窓を道路へ向けるより、中庭や目隠し壁を組み合わせた方が、カーテンを開けて暮らせる場合があります。
2階リビングが向く家
周囲を建物に囲まれている土地や、1階では日当たりを確保しにくい土地では、2階リビングを検討する価値があります。
道路から室内が見えにくくなるため、大きな窓を使いやすいのも魅力です。
さらに勾配天井と組み合わせれば、屋根形状を生かして天井を高くできます。
一方、毎日の階段移動をどう感じるかは家族によって違います。
今だけではなく、10年後、20年後まで考えてください。
狭小住宅のLDKレイアウト
狭小住宅のLDKは、単純な畳数より家具配置が重要です。
間取り図上で広くても、ソファ、テーブル、テレビを置いた途端に通路がなくなるなら、暮らしやすいLDKとは言えません。
家具を一直線に並べる
細長いLDKでは、キッチン、ダイニング、リビングを長手方向へ並べる方法があります。
空間の奥行きをそのまま見せられ、家具によって通路を分断しにくい配置です。
ただしキッチンからテレビまで距離が長くなりすぎる場合もあります。
家族がどこで会話するのか、テレビを見るのか、食事をするのかまで確認しましょう。
家具で空間を分ける
狭小住宅だからといって、LDKを壁で細かく分ける必要はありません。
ソファの向き、ダイニングテーブル、ラグ、照明などで緩やかに用途を分ける方法があります。
壁が減ると視線を通しやすくなり、生活の変化にも対応しやすくなります。
吹き抜けの注意点
吹き抜けは狭小住宅と相性のよいアイデアですが、メリットだけを見て採用すると後悔につながる可能性があります。
特に床面積、空調、音、掃除の4点は事前に確認しておきたいところです。
使える床面積が減る
吹き抜け部分には2階床がありません。
つまり、吹き抜けを広く取るほど、個室や収納へ使える面積が減ります。
広い家なら余裕で吸収できる場合がありますが、狭小住宅では数畳の違いが大きく響きます。
吹き抜けを採用する場合は、「この空間を床にした場合、何に使えるのか」も一度比較してみてください。
音と温熱環境も考える
吹き抜けでは上下階がつながるため、家族の声やテレビの音が2階へ届きやすくなります。
在宅勤務や生活時間が異なる家庭では、寝室や書斎との位置関係を確認した方がいいでしょう。
また、高い位置へ暖かい空気がたまりやすいため、断熱、窓、空調、シーリングファンなどを一体で考える必要があります。
高窓の操作も忘れない
吹き抜け上部の窓を開閉式にするなら、日常的に操作できる方法まで考えます。
我が家では高い位置の窓を電動開閉式にしました。
高所へ設置する窓は、開閉だけでなく清掃、カーテン、ロールスクリーンの操作方法も設計時に確認しておくと安心です。
スキップフロアの注意点
スキップフロアは床面積を立体的に使える一方、誰にでも向くわけではありません。
特に段差、空調、家具配置については、完成後に変更しにくい部分です。
段差が毎日の動線になる
数段だから気にならないと思っていても、洗濯物を持ったまま一日に何度も上り下りすれば印象は変わります。
小さな子どもや高齢の家族がいる場合も、安全面を確認する必要があります。
将来的に床をフラットへ変更するのが簡単とは限らないため、長期の暮らし方まで考えて採用しましょう。
家具の置き場所が限られる
床の高さが変わることで、壁面が分断される場合があります。
大型テレビ、収納家具、本棚などを置きたいなら、スキップフロアによって使える壁が減らないか確認してください。
間取りに個性を出すためのスキップフロアではなく、そこで何をするのかを決めてから採用するのが順番です。
間取り図で確認するポイント
狭小住宅の間取り図を見るときは、部屋名と畳数だけを追わないでください。
壁から壁までの実寸、扉の開き方、家具、視線、窓、階段まで確認して初めて暮らしが見えてきます。
通路幅を実寸で確認する
図面では数センチの違いでも、実際に家具や家電を置くと通りやすさが変わります。
冷蔵庫の前、キッチン通路、洗面台の前、ベッド横などは特に確認してください。
冷蔵庫は本体寸法だけではなく、扉を開いたときのスペースも必要です。
ドラム式洗濯機も扉を開けた状態で通れるかまで見ておきます。
扉同士の干渉を見る
狭小住宅では、近い位置に複数の扉が集まりやすくなります。
洗面室の扉を開けると収納扉が開かない、トイレの扉と廊下の扉がぶつかる、といったことがないか確認してください。
引き戸を使えば解決できる場合もありますが、引き戸には戸袋となる壁が必要になります。
その壁にはコンセントやスイッチを設置しにくくなることもあるため、電気図面まで一緒に見ると安心です。
階段を後回しにしない
2階建て、3階建ての狭小住宅では、階段の位置が間取り全体に大きく影響します。
階段を家の中央へ置くのか、端へ置くのかで、各階の廊下、水まわり、居室の配置が変わります。
さらに3階建てでは上下移動が増えるため、生活動線としての階段がより重要です。
都市型住宅や3階建ての費用面まで知りたい場合は、積水ハウスの3階建て価格と狭小地で費用が上がる理由も参考にしてください。
収納は場所まで決める
「収納率は十分です」と言われても、その収納が使いたい場所になければ便利とは限りません。
掃除機は使う場所の近く、上着は玄関付近、食品はキッチン付近、タオルは洗面付近というように、収納する物と場所をセットで決めます。
狭小住宅では、収納量を増やしすぎて居室を圧迫するのも避けたいところ。
持ち物そのものを把握してから設計すると無駄が減ります。
狭小住宅は担当者選びも重要
狭小住宅では、広い土地以上に設計担当者の経験が間取りへ表れやすいと私は感じます。
なぜなら、道路斜線、隣家、採光、駐車スペース、階段、構造、設備配管など、限られた面積の中で同時に解かなければならない条件が多いからです。
SNSの間取りをコピーしない
InstagramやPinterestなどを見ると、おしゃれな狭小住宅の施工例がたくさん見つかります。
参考にするのはいいのですが、その間取りをそのまま自分の土地へ移植するのはおすすめしません。
同じ20坪の土地でも、道路が南側なのか北側なのか、隣家が2階建てなのか3階建てなのかで最適な窓位置は変わります。
さらに家族構成、帰宅時間、洗濯方法、車の有無によって動線も違います。
狭小住宅こそ、土地と家族から間取りをつくる。
ここはかなり大事です。
積水ハウスも候補になる
狭小住宅では、構造によって柱、壁、開口、階数などの条件が変わります。
積水ハウスには鉄骨1・2階建て、木造シャーウッド、鉄骨3・4階建てという選択肢があり、土地条件や希望する空間によって検討できます。
例えば都市部で3階建てやビルトインガレージを計画する場合と、2階建てで大きなLDKをつくる場合では、適した提案は同じとは限りません。
私なら、最初から「この構造でなければ嫌だ」と決めるより、土地を見てもらったうえで複数案を比較します。
狭小地は制約が多い分、経験のある担当者や設計者から出てくる提案で印象が大きく変わる分野です。
初回接触前に相談する
積水ハウスを狭小住宅の候補に入れているなら、展示場へ行ったり資料請求をしたりする前の段階で、すまつなへ相談していただく方法があります。
すまつなは積水ハウスの公式窓口ではなく、私が運営する紹介・相談窓口です。
狭小地の場合は、単に会社名だけで選ぶのではなく、土地の制約を読み取って提案へ変換できる担当者と出会えるかが重要だと思っています。
紹介特典や担当者の調整が可能かどうかは地域や商談状況などによって異なりますが、初回接触前であれば選択肢を残しやすくなります。
積水ハウスで狭小住宅を検討していて、まだ展示場訪問や資料請求をしていない場合は、先にすまつなの積水ハウス紹介サポートへご相談ください。
狭小住宅の間取りに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 狭小住宅は何階建てが暮らしやすいですか?
A. 土地条件と家族構成によって変わります。
2階建てで必要な床面積を確保できれば上下移動を抑えられますが、敷地が小さく建ぺい率などの制約がある場合は3階建てが有力になります。
階数だけで決めず、階段面積、駐車場、日当たり、将来の移動まで含めて比較してください。
Q2. 細長い狭小住宅でも明るい間取りにできますか?
A. できますが、道路側と奥側の窓だけに頼らない設計が重要です。
吹き抜け、高窓、階段、坪庭などを使って建物中央へ光を届ける方法があります。
ただし隣家との距離や方位によって有効な方法は変わるため、単純に窓を増やすのではなく、実際の日射と視線を踏まえて配置します。
Q3. 狭小住宅に吹き抜けをつくると後悔しますか?
A. 吹き抜けそのものが後悔の原因になるわけではありません。
高い位置から光を取り込み、視線を縦へ伸ばせるため、狭小住宅では非常に有効な場合があります。
一方で、2階の床面積が減り、音が上下階へ伝わりやすくなるため、収納や個室とのバランスを確認してから大きさを決めましょう。
Q4. 狭小住宅では1階と2階のどちらにリビングを置くべきですか?
A. 日当たりとプライバシーを優先するなら2階、庭とのつながりや階段移動を減らしたいなら1階が候補になります。
特に隣家が近い土地では、1階に大きな窓をつくってもカーテンを閉めたままになることがあります。
方位、道路、隣家の窓まで図面へ入れたうえで判断してください。
Q5. 狭小住宅で収納を増やすコツはありますか?
A. 大きな収納部屋を一つつくるより、使う場所の近くへ必要な奥行きの収納を配置する方法が有効です。
階段下、壁面、キッチン横、玄関、洗面まわりなどを活用すると、収納家具を後置きせずに済みます。
ただし収納を増やすほど生活空間は減るので、持ち物を把握してから必要量を決めることが大切です。
狭小住宅の間取りまとめ
狭小住宅で大切なのは、小さな部屋をできるだけ多く詰め込むことではありません。
廊下を減らす、縦方向を使う、視線を抜く、窓の先まで設計する、家具を置いた状態で動線を見る。
こうした工夫を積み重ねることで、同じ床面積でも感じる広さは大きく変わります。
細長い土地なら奥行きを生かし、住宅密集地なら2階リビングや高窓を検討し、中央が暗くなるなら吹き抜けや坪庭から光を入れる。
三角形や変形地なら、土地へ建物を無理に合わせるのではなく、余白を外構や収納として利用する方法もあります。
一方で、吹き抜けには床面積が減るという代償があり、スキップフロアには段差が増えるという特徴があります。
開放感をつくるアイデアにも必ず別の側面があるので、SNSで見た間取りをそのままコピーするのではなく、自分の敷地と暮らしに合わせて選ぶことが大切です。
あなたが間取り図を見るときは、「何畳あるか」だけではなく、玄関に立ったとき、ソファへ座ったとき、キッチンへ立ったときに、どこまで視線が届くかを想像してみてください。
そこまで考えて初めて、狭小住宅の間取りは面白くなります。
積水ハウスを候補にしている場合も、狭小地を単なる制約として扱うのではなく、その土地だからこその設計へ変えてくれる担当者と出会えるかが重要です。
まだ展示場訪問や資料請求などをしていない段階であれば、すまつなの積水ハウス紹介サポートからご相談いただけます。





