ヘーベルハウスは寒い?積水ハウス施主が断熱等級と住み心地を比較

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夕暮れ時に屋内の温かな明かりが大きな窓から漏れる、モダンで開放的なデザインのヘーベルハウスの外観。中央に「『ヘーベルハウスは寒い』は本当か? ネットの噂の真相と、後悔しないための家づくり」というタイトルが記載されている

こんにちは。

住まいをつなぐ「すまつな」運営者の北川晴夫です。

一生に一度となるかもしれないマイホーム計画において、頑丈で都会的なデザインが魅力のヘーベルハウスを検討候補に入れている方は非常に多いはずです。

しかし、いざネットで評判を検索してみると、必ずと言っていいほど目にするのが「ヘーベルハウス 寒い」という、なんとも不安を煽るキーワードではないでしょうか。

「鉄骨住宅は冷える」「コンクリートの家は底冷えがする」といった口コミを見るたびに、数千万円ものローンを組んで建てる家が、もし冬場に凍えるような寒さだったらどうしようと、足がすくむ思いをされているかもしれません。

実は私自身も、最終的に積水ハウスを選びましたが、検討段階ではヘーベルハウスも「頑丈そうでいいな」と頭の片隅で検討していました。

ただ、同じ鉄骨住宅を検討する中で、その断熱性や住み心地については構造レベルから徹底的に調べ上げ、気になる点は営業担当者や技術者にしつこいほど質問を浴びせてきた経緯があります。

この記事では、単なる感情的な口コミやイメージ論ではなく、建築環境工学に基づいた「寒さの物理的な原因」と、ヘーベルハウスが2017年に行った「断熱仕様の革命的な進化」について、忖度なしの施主目線で詳しく解説します。

積水ハウスの外壁「ダインコンクリート」や断熱仕様と比較しながら、あなたが選ぶべき仕様の正解を導き出します。

記事のポイント

  • ネット上の「寒い」という評判の多くが実は旧仕様に基づいているという事実
  • 鉄骨住宅の宿命である「ヒートブリッジ現象」のメカニズムと具体的な対策
  • 積水ハウスの断熱性能(UA値・断熱等級)と比較した際の、ヘーベルハウスの設備
  • これから建てる人が絶対に後悔しないために採用すべき「窓」と「暖房運用」の黄金ルール

ヘーベルハウスの家は寒い?理由と構造の真実

まず結論から申し上げますと、現在の新築ヘーベルハウスは決して「無条件に寒い家」ではありません。

しかし、ネット上には依然として「底冷えがひどい」「暖房が効きにくい」といった悲痛な声が存在するのも事実です。

なぜこのような認識のギャップが生まれるのでしょうか。

それは、鉄骨造という構造体が持つ、逃れられない物理的な特性と、過去の仕様による古いイメージが混在しているからです。

ここでは、寒さの根本原因を構造的な視点から解剖していきます。

寒い理由と暑いと言われる原因

ヘーベルハウスが「寒い」と懸念される最大の理由は、その強靭な躯体である「鉄」という素材の性質にあります。

住宅の快適性を考える上で、避けて通れないのが「熱伝導率」という物理的な指標です。

これは、物質の中で熱がどれだけ伝わりやすいかを表す数値なのですが、実は鉄という素材は、木造住宅の柱に使われる木材と比較して、約350倍から550倍も熱を伝えやすいという、断熱においては非常に不利な特性を持っています。

これが具体的にどういう現象を引き起こすかというと、真冬の氷点下の外気が、外壁を貫通している鉄骨の梁や柱を一瞬にして冷やし、その冷たさが金属の優れた熱伝導性によって、ダイレクトに室内側の構造体まで伝わってしまうのです。

まるで、熱の架け橋がかかったかのように冷気が侵入してくるこの現象を、建築用語で「ヒートブリッジ(熱橋)現象」と呼びます。

鉄骨住宅の寒さの原因を説明する図解。外の冷気が鉄骨を伝って室内に侵入する「ヒートブリッジ現象」と、冷えた壁面が体温を奪う「冷輻射」により、室温は高いのに寒さを感じる仕組みが示されている

このヒートブリッジが起きると、いくら部屋の空気をエアコンで暖めても、壁の中にある鉄骨が冷え切っているため、壁の表面温度が下がります。

人間は空気の温度だけでなく、周囲の壁や床からの「輻射熱(放射温度)」によって体感温度が決まるため、壁が冷たいと体温が奪われ、「室温は高いのになんだかゾクゾクする寒さ」を感じてしまうのです。

これが鉄骨住宅特有の「寒さ」の正体です。

また、ヘーベルハウスは「夏暑い」とも言われることがありますが、これも同じく構造体に原因があります。

外壁に使われるALCコンクリートは、木材やサイディングに比べて「熱容量(熱を蓄える力)」が非常に大きい素材です。

これはメリットにもなりますが、真夏の強烈な日差しで一度躯体が熱を持ってしまうと、夜になってもその熱を放出し続ける「蓄熱暖房」のような状態になります。

その結果、夜に冷房を切るとすぐにムッとした熱気が戻ってくる現象が起きるのです。

ALCコンクリートの特性

ALCは内部に気泡を含むため、通常のコンクリートよりは断熱性が高い(約10倍)とされていますが、それでも専用の断熱材に比べれば断熱性能は劣ります。

「コンクリートだから暖かい」のではなく、「コンクリートは熱しにくく冷めにくい」という特性を理解することが重要です。

ヘーベルハウスの欠点は何?

私が積水ハウスと比較検討した際に、ヘーベルハウスの構造上の欠点(弱点)として特に気になったのが、「気密性(C値)の確保が構造的に難しい」という点です。

これはヘーベルハウスに限らず、積水ハウスや大和ハウスといった大手鉄骨プレハブメーカー全般に共通する課題でもあります。

気密性能を示す「C値(相当隙間面積)」は、数値が小さいほど家の隙間が少なく、高性能であることを示します。

一条工務店さんのような高性能木造住宅では、C値を「0.5 cm²/m²以下」といった非常に厳しい基準で全棟管理しており、まさに「魔法瓶」のような隙間のない家を実現しています。

一方で、ヘーベルハウスのような重量鉄骨造や軽量鉄骨造は、工場で生産された部材を現場でボルト締めして組み立てる工法をとっています。

鉄骨の柱、梁、そしてALCパネルといった硬くて重い異素材同士を接合するため、構造的にどうしても微細な隙間が生じやすいのです。

また、鉄骨住宅は地震の揺れを「しなって逃がす」構造(柔構造)であることが多く、建物が動くことを前提としているため、ガチガチに隙間を埋める設計が難しいという側面もあります。

工法 気密性の傾向 寒さへの影響
高性能木造
(一条工務店等)
極めて高い
(C値0.5以下が標準的)
隙間風がほぼゼロ。
換気システムが計画通り機能し、保温性が抜群。
鉄骨プレハブ
(ヘーベル・積水等)
確保が難しい
(C値1.0〜2.0程度が一般的 ※非公表が多い)
強風時や換気扇使用時に、コンセントや巾木から冷気が侵入する「ショートサーキット」が起きるリスクがある。

気密性が低いとどうなるかというと、いくら壁の中に高性能な断熱材を充填していても、その隙間から冷たい外気が侵入したり、暖房で温めた空気が逃げ出したりしてしまいます。

これを「漏気(ろうき)」と言います。

特にキッチンの換気扇を「強」で回した時などに、リビングのコンセントの穴や、壁と床の境目(巾木)から、スーーッと冷たい風が入ってくる現象を感じることがあれば、それは気密不足が原因である可能性が高いです。

ヘーベルハウスの弱点はどこ?

もう一つの見逃せない弱点は、ALCコンクリートという素材が持つ「巨大な熱容量(蓄熱性)」と、私たち日本人の一般的なライフスタイルである「間欠暖房(人がいる時だけ暖房をつける)」との、致命的な相性の悪さです。

ALCコンクリートは、一度冷え切ってしまうと、再び温めるのに膨大な熱エネルギーと時間を要します。

例えば、共働きの家庭で、朝出勤する時に暖房を切り、夜帰宅してから再びエアコンをつけるという生活を想像してみてください。

真冬の日中、暖房が切れた室内では、壁や床のALCコンクリートが外気の影響を受けて冷え切ってしまいます。

夜になり帰宅してエアコンを急いでつけても、空気の温度(室温)はすぐに上がりますが、冷え切った分厚いコンクリートの壁や床はすぐには温まりません。

すると、家の中にいる人間は、25℃の温風に当たりながら、同時に10℃以下の冷たい壁に取り囲まれている状態になります。

この時、人体からは冷たい壁に向かって熱が奪われる「冷輻射(れいふくしゃ)」という現象が起き続けます。

結果として、「エアコンの設定温度は高いのに、足元が寒くて仕方がない」「なんだかゾクゾクする」という不快感につながるのです。

この「立ち上がりの遅さ」と「冷輻射の強さ」こそが、ヘーベルハウスの温熱環境における最大の弱点と言えるでしょう。

暖房効率の比較図。ON/OFFを繰り返す「間欠暖房」は不向き(NG)とされ、コンクリートの蓄熱性を活かして家全体を魔法瓶のように温める「24時間連続暖房」が最適(OK)であることが示されている

ヘーベルハウスに住むなら「意識改革」が必要

この弱点を克服する唯一の方法は、暖房の運用を変えることです。

冬場は「エアコンを24時間つけっぱなしにする(連続運転)」という覚悟を持ってください。

一度時間をかけて壁や床のコンクリートまで温めてしまえば、ALCは逆にその熱を蓄え、魔法瓶のように安定した暖かさを維持してくれます。

断熱材が入ってない?厚さの誤解

インターネット上の掲示板やSNSでは、時折「ヘーベルハウスには断熱材が入っていない」「コンクリートだけで断熱しているから寒い」といった極端な噂を目にすることがありますが、これは完全なる誤解であり、デマに近い情報です。

実際には、ヘーベルハウスはALCコンクリートの内側に、旭化成グループが誇る高性能断熱材「ネオマフォーム」を標準採用しています。

このネオマフォームは、フェノール樹脂を発泡させたもので、熱伝導率が「0.020 W/(m・K)」という、現在市場に出回っている住宅用断熱材の中でも世界最高レベルの断熱性能を持っています。

一般的なグラスウールと比較しても、その性能差は歴然です。

しかし、ここで非常に重要になってくるのが、「そのヘーベルハウスがいつ建てられたか」という年代の話です。

実はヘーベルハウスは、2017年5月に断熱仕様を抜本的に刷新する大きなモデルチェンジを行っています。

その名も「ヘーベルシェルタードダブル断熱構法」の導入です。

現在のヘーベルハウスが国を定めるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準および断熱等級5をクリアし、都市部で快適に暮らすための十分な性能を標準で備えていることを示すアイコン

部位 2017年以前(旧仕様) 2017年以降(新仕様)
外壁断熱 ネオマフォーム 20mm〜30mm程度 ネオマフォーム 45mm
(厚みを大幅アップ)
床断熱 ポリスチレンフォーム等
(比較的薄い仕様)
ネオマフォーム 60mm
(断熱性能が約3倍に向上)
熱橋対策 鉄骨部分の被覆が限定的 鉄骨柱の内側までネオマフォームで連続的に覆う仕様へ変更

(出典:旭化成ホームズ『耐久型断熱「ヘーベルシェルタードダブル断熱構法」誕生』)

この表からも分かる通り、特に劇的な変化を遂げたのが「床の断熱」です。

従来の仕様では床下の断熱が手薄で、ALC床板を通して地面の冷気が伝わる「底冷え」が弱点でした。

しかし2017年以降の新構法では、最高性能のネオマフォームを60mmという十分な厚みで敷き詰める仕様に変更されました。

これにより、現在のヘーベルハウスは標準仕様で「断熱等級5(ZEH水準)」をクリアできる性能を持っています。

もしネットで「寒い」という口コミを見つけたら、その投稿日時や築年数を確認してみてください。

2016年以前の家に関する感想であれば、それは現在のヘーベルハウスには当てはまらない「過去の話」である可能性が高いのです。

冬の吹き抜けや窓からの冷気

ヘーベルハウスのモデルハウスを見学すると、鉄骨の強さを活かした開放的な「吹き抜け」や、リビングを一段下げた「ダウンフロア」といった魅力的な空間提案に心を奪われます。

私も積水ハウスで「ファミリースイート」という大空間リビングを採用しましたが、こうした大空間は、温熱環境の視点から見ると、寒さを助長する大きなリスク要因と背中合わせであることを理解しておく必要があります。

特に問題となるのが、窓辺で発生する「コールドドラフト現象」です。

暖かい空気は軽いため上へ逃げ、冷たい空気は重いため下へ溜まる性質があります。

断熱性能の低い大きな窓ガラスで冷やされた室内の空気は、冷たい塊となって滝のように床面を這い、足元を直撃します。

吹き抜けがある場合、1階で暖房をかけても暖かい空気はすべて2階や天井付近へ逃げてしまい、居住スペースである床付近はいつまで経っても寒い…という現象が顕著に現れます。

ヘーベルハウスでは、標準仕様の窓(サッシ)として、地域によってはまだ「アルミ樹脂複合サッシ」が提案されるケースがあります。

これは外側がアルミ、内側が樹脂でできたサッシですが、寒がりな方や吹き抜けを採用する方にとっては、これではスペック不足と言わざるを得ません。

◆北川のワンポイントアドバイス

私が積水ハウスで契約する際も、窓の仕様には徹底的にこだわりました。

これから建てる方に強くお伝えしたいのは、キッチンやお風呂のグレードを下げてでも、窓だけは絶対に「樹脂サッシ」+「Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り)」へグレードアップすべきだということです。

窓枠が冷たくならない樹脂サッシにするだけで、コールドドラフトは大幅に抑制できます。

数十万円の追加費用がかかるかもしれませんが、30年以上の快適さを考えれば、これほどコストパフォーマンスの良い投資はありません。

また、吹き抜けを採用する場合は、天井に溜まった暖かい空気を下に降ろすための「シーリングファン」の設置や、全館空調システムの導入をセットで検討することが、快適な冬を過ごすための必須条件となります。

床の冷えと24時間換気の影響

「ヘーベルハウスは床が冷たい」という評判も根強いですが、これは前述の通り2017年の仕様変更(床断熱3倍強化)によって、物理的な断熱性能としては劇的に改善されています。

それでもなお「足元がスースーする」と感じる場合、意外な犯人として疑われるのが「24時間換気システム」です。

現在の住宅には、シックハウス症候群対策として、2時間に1回、家中の空気をすべて入れ替える換気システムの設置が義務付けられています。

ヘーベルハウスで標準的に採用されることが多いのは「第3種換気システム」と呼ばれる方式です。

これは、排気(空気を出す)は機械ファンで行いますが、給気(空気を取り入れる)は自然に行うという仕組みです。

この第3種換気の最大の問題点は、壁に設置された給気口(通気口)から、外気が「そのままの温度」で室内に入ってくることです。

つまり、真冬の氷点下の冷気が、何の前処理もされずにダイレクトにリビングに侵入してくるのです。

この冷たい空気が重力に従って床面に降りてくることで、足元を冷やす原因となります。

対策としては、給気口の位置をエアコンの風が直接当たる場所に配置して、入ってきた冷気をすぐに温めるように設計段階で工夫することが重要です。

さらに予算が許すのであれば、排気する空気の熱を回収して、入ってくる外気に移すことで温度変化を抑える「熱交換型 第1種換気システム」への変更を検討することをお勧めします。

積水ハウスでも「アメニティー換気システム」などの名称で熱交換換気が用意されていますが、快適性を追求するなら換気システムの種類にも目を向けるべきです。

ヘーベルハウスの家が寒い時の対策と他社比較

ここまで、ヘーベルハウスが寒くなる構造的な理由について深掘りしてきました。

では、これからヘーベルハウスを建てる方、あるいは既に契約してしまった方が、冬暖かく快適に過ごすためには具体的にどうすれば良いのでしょうか。

ここからは、現役オーナーとしての経験も踏まえた実践的な対策と、競合である積水ハウスとの比較情報を提示します。

寒い時の対策について

「気に入ったデザインや間取りはあるけれど、どうしても寒さだけが心配…」という方のために、私がもし今、ヘーベルハウスで契約をするなら絶対に採用する、効果実証済みの具体的な対策を3つご紹介します。

予算配分に悩む場面もあるかと思いますが、キッチンやお風呂のグレードを落としてでも、ここだけは譲らないでください。

住んでからの後悔を未然に防ぐための「先行投資」として、最も費用対効果が高いのが断熱対策です。

1. 窓の断熱強化(最重要・必須級)

断熱性の高い樹脂サッシの断面図と、大きな窓から陽光が差し込む明るいリビングで読書をする男性。家全体の熱が逃げやすい「窓」を樹脂サッシに強化することの重要性が強調されている

住宅における熱の流出入の割合をご存知でしょうか?

冬場の暖房熱の約58%が、なんと「窓(開口部)」から逃げていくと言われています。

つまり、壁の断熱材をいくら分厚くしても、窓が弱ければそこから熱がダダ漏れになってしまうのです。

ヘーベルハウスの標準仕様では、地域やグレードによって「アルミ樹脂複合サッシ」が提案されることがありますが、私はこれを「樹脂サッシ(オール樹脂)」+「Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り)」へグレードアップすることを強く推奨します。

さらに予算が許せば、トリプルガラス(3層ガラス)の採用も検討してください。

サッシの種類 熱貫流率(目安) 特徴と北川の評価
アルミサッシ
(単板ガラス)
6.5 W/(m²・K) 論外です。結露が滝のように発生し、寒さの原因になります。
古い賃貸物件などはこの仕様が多いです。
アルミ樹脂複合
(ペアガラス)
2.33 W/(m²・K) ヘーベルや積水の標準。悪くはないですが、鉄骨住宅の場合は枠部分の結露リスクが残ります。
寒がりな方には不十分。
樹脂サッシ
(ペア/トリプル)
1.3〜0.9 W/(m²・K) 絶対にこれを選ぶべき。
熱を伝えにくい樹脂枠で、結露とコールドドラフトを劇的に抑制します。

(出典:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会『開口部からの熱の出入り』)

2. 床暖房の敷設(鉄骨住宅の救世主)

鉄骨・コンクリート住宅と床暖房の相性は抜群です。

その理由は、ALCコンクリートの「蓄熱性」を味方にできるからです。

一度床暖房で床材とその下のALCコンクリートを温めてしまえば、スイッチを切った後もしばらく暖かさが持続します。

また、エアコン暖房はどうしても暖かい空気が天井に溜まりがちで、足元が寒くなる「頭熱足寒」になりやすいですが、床暖房は足元から直接熱を伝える「頭寒足熱」の理想的な環境を作れます。

「床が冷たい」という鉄骨住宅最大の弱点を物理的にキャンセルできる最強の設備ですので、LDKだけでも必ず導入することをお勧めします。

床暖房が導入されたリビングの床に、子供と犬がリラックスして寝そべっている様子。鉄骨住宅特有の底冷えを解決し、「頭寒足熱」の理想的な環境を実現する床暖房のメリットを表現している

3. 既存住宅なら「内窓(インプラス)」リフォーム

もし既にヘーベルハウスにお住まいで、寒さに悩んでいる場合はどうすれば良いでしょうか。

壁を壊して断熱材を入れ替えるのは数百万円規模の大工事になりますが、もっと手軽で効果絶大な方法があります。

それが「内窓(インナーサッシ)」の設置です。

今ある窓の内側に、もう一つ樹脂製の窓を取り付けることで、窓と窓の間に空気の層が生まれ、断熱性能が飛躍的に向上します。

LIXILの「インプラス」やYKK APの「プラマードU」などが有名ですが、工事は1窓あたり1時間程度で終わり、費用も数万円〜十数万円程度です。

私が知る限り、最もコストパフォーマンスが高く、施工後の満足度が高いリフォーム対策です。

中古や賃貸で後悔するケース

「憧れのヘーベルハウスに住みたいけれど、新築は予算オーバーだから中古や賃貸で…」と考えている方は、ここで一度立ち止まって慎重に検討する必要があります。

なぜなら、前述の「2017年の断熱仕様の刷新」という歴史的な境界線が、住み心地に天と地ほどの差を生むからです。

2017年以前の中古物件のリスク

もし検討している中古物件が2017年以前(特に2000年代や1990年代)の築年数である場合、現在のヘーベルハウスの評判を当てにして購入すると、「思ったよりも寒い」「暖房費がかさむ」と後悔する可能性が高いです。

当時の仕様では、床下の断熱材が薄かったり、鉄骨のヒートブリッジ対策が不十分だったりすることが否めません。

中古を購入する場合は、物件価格だけでなく、購入後に断熱改修リフォームを行うための予算(目安として200万〜300万円程度)をあらかじめ確保しておくのが賢明です。

旭化成リフォームでは、壁や床を一度剥がして最新のネオマフォームに入れ替える純正の断熱改修プランも用意されていますので、そういった選択肢も含めて資金計画を立てましょう。

賃貸「ヘーベルメゾン」の注意点

また、賃貸アパートの「ヘーベルメゾン」を検討している方も要注意です。

ヘーベルハウスの注文住宅と、賃貸用のヘーベルメゾンでは、基本的な構造躯体は同じでも、内装や設備、断熱仕様のグレードが異なるケースが多々あります。

特に賃貸物件は、オーナー様が建築費(利回り)を重視するため、窓がコストの安い「アルミサッシ+単板ガラス(シングルガラス)」のままになっている物件が少なくありません。

これでは、いくら壁がヘーベル板でも、窓から冷気が入り放題です。

内見時のチェックポイント

冬場に内見に行く際は、必ずスリッパを脱いで靴下のまま床を歩いてみてください。

そして、窓のサッシ枠に手を当ててみてください。

もしアルミ枠でキンキンに冷えていたり、床からの底冷えが気になったりする場合は、入居後に寒さで悩むリスクが高いと判断できます。

断熱材追加とZEH地域の基準

「標準仕様では不安だから、断熱材をもっと追加してほしい」と考えるのは、施主として当然の心理です。

現在、国は2050年のカーボンニュートラルに向けて住宅の省エネ基準を厳格化しており、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準の断熱性能が事実上のスタンダードになりつつあります。

ヘーベルハウスのZEH対応力

現在のヘーベルハウスは、標準仕様(ヘーベルシェルタードダブル断熱構法)のままで、日本の多くの地域(省エネ地域区分6地域:東京、大阪、名古屋など)におけるZEH基準である「UA値0.6以下」をクリアできる性能を持っています。

つまり、追加費用を払って断熱材を増さなくても、国が定める「夏涼しく冬暖かい家」の基準には達しているということです。

しかし、これはあくまで「基準をクリアしている」というレベルであり、一条工務店などの「UA値0.2台」という超高性能住宅と比較すれば見劣りするのは事実です。

「もっと断熱材を増やせないか?」という要望に対しては、ヘーベルハウス側も特注対応でネオマフォームの厚みを増やす提案をしてくれることがありますが、鉄骨の柱の太さや壁厚の制限があるため、際限なく増やせるわけではありません。

積水ハウスとの断熱等級比較

ここで、私が選んだ積水ハウスと比較してみましょう。

積水ハウスも同様に、標準仕様で「断熱等級5(ZEH水準)」をクリアしています。

さらに積水ハウスの場合、断熱仕様のグレードが細かく設定されており、オプションで「断熱等級6」や最高ランクの「断熱等級7」を目指す仕様に変更することも可能です。

UA値(外皮平均熱貫流率)とは?

家の「熱の逃げやすさ」を表す数値で、小さいほど断熱性能が高いことを意味します。

・省エネ基準(等級4):0.87
・ZEH基準(等級5):0.60 ← ヘーベル・積水の標準はここ
・HEAT20 G2(等級6):0.46
・HEAT20 G3(等級7):0.26

ヘーベルハウスも積水ハウスも、標準仕様での断熱性能に大きな差はありません。

どちらも「都市部で快適に暮らすための必要十分な性能」を確保しています。

重要なのは、カタログ上の数値(UA値)を0.01競うことよりも、実際に住んでからの体感温度を左右する「気密施工の丁寧さ」や「窓の選択」にこだわることができるかどうかです。

積水ハウスのグレードや断熱仕様の詳細については、以下の記事でも詳しく解説しています。
積水ハウスに安いシリーズはある?オーナーが実例で坪単価を公開

全館空調やエアコンはいらない説

住宅展示場で営業マンから「ヘーベルハウスは魔法瓶のような家なので、エアコンはいらないくらい暖かいですよ」「床暖房だけで冬越せますよ」といった甘い言葉を囁かれたことはありませんか?

はっきり申し上げますが、その言葉を額面通りに受け取ってはいけません。

確かにALCコンクリートとネオマフォームの組み合わせは保温性が高いですが、それはあくまで「一度温めた熱を逃がしにくい」という意味であって、熱源がなければ当然、家の中は外気温に近づいて冷えていきます。

特に鉄骨住宅は「熱しにくく冷めにくい」特性があるため、無暖房状態で冷え切ってしまうと、そこからのリカバリーが大変です。

鉄骨住宅の正解は「設備力」で快適にすること

私の考えとして、ヘーベルハウスや積水ハウスのような鉄骨住宅を選ぶのであれば、「エアコンに頼らない生活」を目指すのはナンセンスです。

むしろ、鉄骨住宅の強みは、頑丈な構造による大空間や大開口、そして屋根に大容量の太陽光パネルを搭載できる点にあります。

太陽光発電で創った電気を使い、高性能なエアコンや床暖房、あるいは全館空調システムをガンガン稼働させて、エネルギーをふんだんに使って快適な空間を維持する。

これが鉄骨住宅の正しい住まい方(勝ちパターン)です。

ヘーベルハウスには「ロングライフ全館空調」というオリジナルシステムもありますし、積水ハウスには「スマート・イクス」という空調換気システムがあります。

中途半端に「エアコンいらない」を目指して我慢するよりも、最初から「設備機器の力で快適温度をコントロールする」と割り切り、そのための設備投資や太陽光発電の搭載に予算を回す方が、結果として満足度の高い暮らしが手に入ります。

ヘーベルハウスの断熱に関するよくある質問(FAQ)

Q1. ヘーベルハウスは床暖房なしでも暖かいですか?

A. 施主としての本音を申し上げますと、鉄骨造の特性上、床暖房なしでは真冬に足元の冷えを感じる可能性は否定できません。

2017年以降のモデルは床断熱が60mmに強化されていますが、それでもフローリングの表面温度は室温より低くなりやすいです。

快適性を重視するなら、LDKだけでも床暖房を入れることを強く推奨します。

私自身、積水ハウスでも床暖房を採用して本当に良かったと毎日実感しています。

Q2. 2017年以前の中古ヘーベルハウスを買う時の注意点は?

A. 断熱性能が現行基準より低い可能性が高いです。

特に床下の断熱材の厚みや、窓がシングルガラスでないかなどを入念にチェックしてください。

購入後にリフォームで断熱改修(内窓設置や床下断熱の追加)を行う予算(200〜300万円程度)を見込んでおくのが賢明です。

旭化成リフォームでも専用の断熱改修プランが用意されています。

Q3. 積水ハウスとヘーベルハウス、断熱性はどちらが上ですか?

A. 両社とも標準仕様で断熱等級5(ZEH水準)をクリアしており、大きな差はありません。

ヘーベルハウスは「ネオマフォーム」という高性能断熱材を使っている点が強みですし、積水ハウスは「ぐるりん断熱」という施工技術で隙間をなくす工夫をしています。

最終的には、窓のグレード(樹脂サッシにするか等)や間取りの工夫で逆転する程度の差だと言えます。

Q4. 鉄骨住宅はやっぱり木造より寒いのですか?

A. 物理的な「熱伝導率」の違いから、構造体としては鉄骨の方が冷えやすいのは事実です。

しかし、近年の鉄骨メーカーはその弱点を克服するために断熱材を分厚くし、熱橋対策を徹底しています。

「鉄骨だから寒い」と単純に決まるわけではなく、「どう対策しているか(窓や空調)」が重要です。

適切な仕様を選べば、鉄骨住宅でも十分に暖かく快適に暮らせます。

総括:ヘーベルハウスの家は寒いのか?

吹き抜けがあり、全面ガラスの窓から明るい光が差し込む上質なリビングルーム。「2017年5月以降の仕様か確認」「樹脂サッシの採用」「床暖房の検討」という、暖かく頑丈な家づくりのための3つのポイントがまとめられている

長くなりましたが、最後に「ヘーベルハウス 寒い」というキーワードに対する、積水ハウス施主としての最終結論をまとめさせていただきます。

まず、「2017年以降の新築ヘーベルハウスは、決して寒い家ではない」というのが真実です。

旭化成ホームズの技術革新により、断熱材ネオマフォームは分厚くなり、床の底冷え対策も万全に行われています。

標準仕様でZEH基準をクリアしており、都市部で生活するには十分すぎるほどの温熱環境が約束されています。

しかし一方で、「超高気密・超高断熱な木造住宅と比較すれば、数値上のスペックで劣るのは物理的な事実」でもあります。

もしあなたが、北海道のような極寒の地で暮らすような暖かさを求めたり、エアコン1台で家じゅうを均一な温度にしたいと強く願うのであれば、一条工務店やスウェーデンハウスといった木造メーカーの方が満足度は高いでしょう。

それでも、なぜ多くの人がヘーベルハウスや積水ハウスを選ぶのか。

それは、家づくりにおいて重視すべき価値が「断熱性」だけではないからです。

巨大地震が来ても家族の命を守り抜く圧倒的な「耐震性」、隣家が火事になっても燃え移らない驚異的な「耐火性」、そして60年以上の長きにわたって資産価値を維持できる「耐久性」

これらの「シェルターとしての性能」は、鉄骨とコンクリートでしか実現できない領域があります。

◆北川の結論

「寒さ対策」は、窓のグレードアップや床暖房の採用、内窓リフォームなど、後からいくらでも「設備」や「お金」で解決できます。

しかし、「建物の頑丈さ」や「燃えない安心感」は、最初に構造を選んだ時点で決まってしまい、後からお金で買うことはできません。

私が積水ハウスを選んだのも、そしてヘーベルハウスを検討候補に入れたのも、この「命と資産を守るシェルター性能」を最優先したからです。

寒さが心配なら、外壁メンテナンスで浮いた将来の費用を、今の「樹脂サッシ」と「床暖房」に投資してください。

そうすれば、ヘーベルハウスは最強の「暖かくて頑丈な要塞」になります。

これから家づくりをされる皆様が、ネットの極端な情報に惑わされることなく、ご自身の優先順位(暖かさなのか、強さなのか)に合わせて、後悔のない選択ができることを心より応援しております。

 

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プロフィール

北川 晴夫(積水ハウス 施主)

「すまつな」運営者・株式会社リバティアース代表取締役。 現在、積水ハウスで自宅を建築中(2026年3月完成予定)の「現役オーナー」です。「絶対に後悔したくない」という想いから、元店舗経営者(4店舗の運営管理経験)の視点も活かし、ハウスメーカー各社を徹底比較。最終的に積水ハウスの「人」の誠実さと「技術」の圧倒的なレベルの違いに感動し、このリアルな体験を共有するため「積水ハウス ご紹介割引の窓口」を設立しました。当サイト経由のご相談で、公式制度にはない「3%以上の紹介割引」の実現と、私が全幅の信頼を寄せる橋爪店長による「最大限の交渉サポート」を、現役オーナーとして全力でバックアップします。