こんにちは。
住まいをつなぐ|積水ハウス紹介サポート「すまつな」運営者の北川です。
これからマイホームを建てようと情報収集をしている中で、ダイワハウス(大和ハウス工業)を候補に入れている方も多いのではないでしょうか。
天井高2m72cmが生み出す開放的なリビングや、地震に強い鉄骨構造は非常に魅力的ですよね。
私も積水ハウスで契約する前は、同じ鉄骨造のトップメーカーであるダイワハウスの展示場にも足を運び、その広々とした空間に圧倒された一人です。
しかし、インターネットで評判を検索してみると、「ダイワハウスは寒い」という検索候補が出てきたり、「冬場は底冷えする」といった口コミを目にして、不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
家づくりは人生最大の買い物ですから、絶対に後悔したくないという思いは皆様と同じです。
特に、私のように小さな子供がいる家庭や、ヒートショックを気にする世代にとって、家の「寒さ」は健康にも直結する深刻な問題ですから、断熱性能や気密性は決して妥協できないポイントです。
私自身、現在は積水ハウスで鉄骨住宅を建築中の施主ですが、ハウスメーカー選びの段階では、ダイワハウスの断熱性能についても営業さんを質問攻めにするほど徹底的に調べ、比較検討を行いました。
この記事では、なぜ「ダイワハウスは寒い」と言われてしまうのか、その物理的な原因を構造の専門的な視点から紐解きつつ、ダイワハウスの主力商品である「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」で、冬でもポカポカと暖かい快適な住まいを実現するための具体的な対策と仕様選びについて、包み隠さず解説します。
結論を先に言えば、決してダイワハウスの性能が低いわけではありません。
正しい知識を持ち、適切な仕様を選べば、鉄骨住宅でも驚くほど快適な環境は作れるのです。
施主目線で「ここだけは気をつけて!」というポイントを余すことなくお伝えしますので、ぜひ最後までお付き合いください。
記事のポイント
- ネット上の「寒い」という口コミが生まれる構造的な理由と背景
- 鉄骨造の弱点である「熱橋」とダイワハウス独自の対策技術
- 標準仕様のままで大丈夫?断熱グレードの選び方と窓の重要性
- 契約前に確認すべき「気密測定」と「換気システム」の落とし穴
ダイワハウスは寒い?口コミの背景を分析
インターネットで「ダイワハウス」と検索すると、「寒い」というネガティブなキーワードが出てきて、ギョッとされた経験はないでしょうか。
これから数千万円、場合によっては億単位の投資をして一生の住処を築こうとしている時に、このような評判を目にすると、どうしても二の足を踏んでしまうのは当然のことです。
「やっぱり鉄骨は寒いのかな…」
「木造の住友林業にしておいた方がいいのかな…」
そんな迷いが頭をよぎる瞬間もあるでしょう。
私自身、同じ鉄骨住宅である積水ハウスのオーナーとして、この「鉄骨は寒い」という噂の真偽については、契約前に徹底的に調べ上げた経験があります。
結論から申し上げますと、現代のダイワハウスの注文住宅、特に主力商品である「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」が、構造的に欠陥があって極端に寒いということは、まずあり得ません。
今の省エネ基準は昔とは比べ物にならないほど厳しくなっていますし、大手メーカーの研究開発力は伊達ではありません。
しかし、「火のない所に煙は立たない」のもまた事実です。
実際に住んでいる方の中に「寒い」と感じている方がいるからこそ、そのような口コミが存在するわけです。
では、なぜそのような評価が生まれてしまうのか。
その背景には、鉄骨という素材の物理的な特性、開放的な空間設計が生む弊害、そしてネット情報特有の「物件種の混同」という、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。
まずはこれらの原因を冷静に分解し、不安の正体を突き止めていきましょう。
大和ハウスが寒いと感じる原因
ダイワハウスの家、特にリビングなどの居住空間が冬に寒いと感じられる主な原因は、実は「壁の断熱材が薄いから」といった単純な理由ではありません。
現代の省エネ基準をクリアしている住宅であれば、壁からの熱損失はそれなりに抑えられています。
それよりも大きな要因として挙げられるのが、「窓からの冷気(コールドドラフト)」と「換気システムによる熱損失」、そしてダイワハウス最大の売りである「天井高」が生み出す温度ムラです。
まず、ダイワハウスの主力商品「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」の最大の魅力は、標準でも天井高2m72cmを誇る、圧倒的な開放感にあります。
一般的な住宅の天井高が2m40cm程度であることを考えると、30cm以上も高いことになります。
さらに、グランリビングのような床を下げた設計にすれば、3mを超える大空間も実現可能です。
しかし、この素晴らしい価値である「広さ」は、温熱環境の視点から見ると、「暖めなければならない空気の体積が膨大である」ことを意味します。
小学校の理科で習った通り、暖かい空気は軽く、上へ上へと移動する性質があります。
天井が高い部屋では、暖房で暖められた空気が天井付近に滞留しやすく、逆に冷たい空気は床付近、つまり私たちが座ったり歩いたりする生活圏に溜まりやすくなります。
これが、エアコンの設定温度をいくら上げても、顔ばかり火照って足元が冷える「頭熱足寒」の状態になりやすい理由です。
さらに、標準仕様で採用されることの多い「アルミ樹脂複合サッシ」の影響も無視できません。
アルミは熱を伝えやすいため、冬の外気で冷やされたサッシ枠が冷却装置のようになり、そこで冷やされた空気が床面を這うように流れてくる「コールドドラフト現象」を引き起こします。
この冷気が足元を直撃することで、実際の室温以上に体感温度を下げ、「底冷え」を感じさせてしまうのです。
また、24時間換気システムが「第三種換気(自然給気・機械排気)」の場合、外の冷たい空気がそのまま給気口から室内に入ってきます。
給気口の近くにソファやベッドがあると、冷気をダイレクトに浴びることになり、これも寒さの大きな原因となります。
つまり、ダイワハウスが寒いと言われる原因の多くは、建物の「断熱性能」そのものというよりは、「大空間ゆえの空調効率の悪さ」と「開口部(窓・換気)の仕様選定」にあるケースが大半なのです。
これらは、設計段階で対策を講じれば十分に防げる問題ですが、標準仕様のまま建ててしまうと、入居後に後悔することになりかねません。
コールドドラフト現象とは?
暖かい部屋の中で、冷たい窓ガラスやサッシに触れた空気が冷やされ、重くなって床面に流れ落ちてくる現象のこと。
足元がスースーする不快感の正体であり、体感温度を著しく下げる原因となります。
軽量鉄骨と鉄骨造の熱橋リスク
次に、構造躯体である「鉄」という素材の特性について、もう少し専門的に掘り下げてみましょう。
ダイワハウスの住宅の多くは、軽量鉄骨造または重量鉄骨造です。
鉄は非常に頑丈で、地震に強く、シロアリにも強いという素晴らしいメリットを持っていますが、熱に関しては「伝えやすい」という大きな弱点を持っています。
物質が熱を伝える速さを表す「熱伝導率」で比較すると、鉄は約80 W/(m·K)であるのに対し、木材(乾燥したスギやヒノキなど)は約0.12 W/(m·K)程度です。
単純計算すると、鉄は木の数百倍、場合によっては500倍以上も熱を伝えやすい素材なのです。
この数値を見るだけでも、鉄骨住宅における断熱対策がいかに重要かがお分かりいただけるかと思います。
もし、鉄骨の柱や梁が断熱材で覆われておらず、外気の影響を直接受けるような構造だった場合、どうなるでしょうか。
冬の冷たい外気は鉄骨を伝って瞬く間に壁の中に入り込み、室内の壁を冷やします。
これが「ヒートブリッジ(熱橋)」と呼ばれる現象です。
ヒートブリッジが発生すると、単に室温が下がるだけでなく、冷やされた壁の内部で結露(壁内結露)が発生するリスクが高まります。
壁の中で結露が起きれば、断熱材(グラスウールなど)がカビたり、最悪の場合は構造体の腐食につながったりする恐れもあります。
かつての鉄骨住宅が「夏は灼熱、冬は極寒」と言われたり、カビ臭いと言われたりしたのは、このヒートブリッジ対策が技術的に未熟だったことが原因です。(出典:環境省『ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報』)
もちろん、世界のダイワハウスですから、この問題に対して無策なわけではありません。
現在のxevoΣでは、鉄骨の柱の外側を断熱材で丸ごと包み込む「外張り断熱通気外壁」という工法を採用しており、鉄骨が直接外気に触れないような構造になっています。
これにより、理論上はヒートブリッジのリスクを大幅に低減し、鉄骨造の弱点を克服しています。
私も工場見学や構造現場を見せてもらいましたが、鉄骨が断熱材ですっぽりと覆われている様子を見て、「これなら大丈夫そうだ」と安心した覚えがあります。
しかし、理論はあくまで理論です。
現場での施工において、断熱材の継ぎ目にわずかな隙間があったり、バルコニーや玄関庇などの鉄骨が突出している部分(熱的に縁が切れていない部分)があったりすると、そこから熱が出入りする可能性は残ります。
私たち鉄骨住宅を選ぶ施主は、「鉄は熱を伝えやすい」という物理法則を変えることはできません。
だからこそ、木造住宅以上に「断熱材の厚み」や「気密施工の精度」に対して、シビアな目を向ける必要があるのです。
この「素材としての宿命」を理解せずに、コストダウンのために断熱グレードを下げてしまうと、入居後に「やっぱり鉄骨は寒い」と後悔することになりかねません。
賃貸や建売のセキュレアは寒い?
ネット上の口コミサイトやSNSで「ダイワハウスは寒い」という投稿を見かけた際、必ず確認していただきたい重要なポイントがあります。
それは、その投稿者が住んでいるのが「注文住宅(xevoΣなど)」なのか、それとも「賃貸住宅(D-room)」や「建売住宅(セキュレア)」なのか、という点です。
ここを混同してしまうと、本来の性能を見誤ることになります。
ダイワハウスは、賃貸住宅「D-room」のブランドでも非常に多くの物件を供給しています。
しかし、賃貸物件の中には、築年数が10年、20年と経過した古い軽量鉄骨のアパートも数多く含まれています。
一昔前の賃貸アパートは、現在の省エネ基準とは全く異なる基準で建てられており、断熱材も薄く、窓もシングルガラスや普通のアルミサッシというケースが珍しくありません。
当然、そのような物件に住めば、冬は寒く、隣の音も聞こえやすいでしょう。
ネット上の「ダイワハウスは壁が薄い」「寒い」という口コミの多くは、こうした古い賃貸物件の入居者による感想である可能性が高いのです。
これらを、最新の技術と断熱基準で建てられる注文住宅と同列に語ることはナンセンスです。
一方で、分譲建売住宅の「セキュレア」についてはどうでしょうか。
こちらは比較的新しい物件が多いですが、注文住宅とは異なる注意点があります。
建売住宅は、売れやすい価格設定にするために、仕様がある程度パッケージ化されています。
そのため、断熱グレードが標準的な「スタンダードV」に固定されていたり、床暖房がオプション扱いだったり、窓がコスト重視のアルミ樹脂複合サッシだったりするケースが多々あります。
立地や日当たり、間取りは抜群に良くても、「家の断熱性能」という目に見えない部分でコスト調整が行われている場合があるのです。
もちろん、セキュレアでも十分な性能を持つ物件はたくさんありますが、注文住宅のように施主が「お金をかけてでも断熱を強化したい!」と仕様を変更することは、完成物件では不可能です。
もし「セキュレア」を検討されていて、寒さが心配な場合は、購入前に必ず「断熱仕様書」や「サッシの種類(オール樹脂か複合か)」を確認することをお勧めします。
「ダイワハウスだから全部同じ」ではなく、商品や築年数、仕様によって性能はピンキリであるという事実を、まずは押さえておきましょう。
私なら、たとえ建売であっても、窓の仕様だけは絶対に妥協せずにチェックしますね。
◆北川のワンポイントアドバイス
口コミサイトを見る時は、「いつ建てられた家か」と「商品名は何か」を必ずチェックしてください。
築20年のアパートの「寒い」という感想と、最新のxevoΣの性能は全く別物です。
情報を鵜呑みにせず、自分が検討している商品のスペックそのものを見極める目が大切ですよ。
「ダイワハウス」という名前だけで一括りにするのは、iPhone 3GとiPhone 16を同じスマホとして比較するようなものですからね。
ジーヴォシグマの吹き抜け空間の課題
ダイワハウスのジーヴォシグマを選ぶ最大の動機といえば、やはりあの大胆な「吹き抜け」や、柱のない広大な「グランリビング」ではないでしょうか。
鉄骨造ならではの強靭な構造体が可能にする、縦にも横にも広がる大空間は、木造ではなかなか真似のできない素晴らしいメリットです。
モデルハウスでその開放感を体験し、「絶対にこんなリビングにしたい!」と一目惚れする方も多いはずです。
私も積水ハウスの展示場で同じような体験をしたので、その気持ちは痛いほど分かります。
「せっかく注文住宅を建てるなら、普通の家じゃつまらない!」って思いますよね。
しかし、温熱環境の視点から見ると、この大空間は「諸刃の剣」でもあります。
先ほども少し触れましたが、吹き抜けを通して1階と2階が一体の空間になるということは、暖房すべき体積が2倍近くになることを意味します。
さらに深刻なのが、「コールドドラフト」と「暖気の上昇」の相乗効果です。
吹き抜けの上部にある大きな窓(高窓)は、採光には最高ですが、冬場はそこから冷気が降り注ぐ発生源になりがちです。
冷やされた空気は重くなり、吹き抜けを伝って1階のリビングへ滝のように降りてきます。
一方で、リビングのエアコンで一生懸命暖めた空気は、吹き抜けを通って誰もいない天井付近や2階のホールへと逃げていきます。
結果として、1階のリビングにいる家族は「足元が寒いから設定温度を上げる」→「2階だけが暑くなる」→「でも足元はまだ寒い」という悪循環に陥ってしまうのです。
「カッコいい吹き抜けを作ったけれど、寒くて冬はリビングにいられない」
こんな悲しい事態を避けるためには、単に建物の断熱性を高める(Ua値を下げる)だけでは不十分です。
空間設計とセットで、空気を循環させるための「空調計画」を綿密に練る必要があります。
具体的には、以下のような対策が必須となります。
1. シーリングファンの設置:
天井に溜まった暖気を強制的に下へ送り戻すために、シーリングファンはインテリアではなく「機能部品」として必須です。
冬場は上向きの風で壁伝いに暖気を下ろし、夏場は下向きの風で涼しさを得るといった使い分けも重要です。
2. 床暖房の採用:
空気を暖めるエアコンと違い、床暖房は「ふく射熱」で直接体を暖めてくれます。
足元が暖かければ、室温が多少低くても体感温度は高く保てます。大空間リビングには最強の暖房器具と言えるでしょう。
3. 窓の断熱強化:
吹き抜け上部の窓こそ、メンテナンスもしにくいため、結露防止も含めて最高グレードのサッシ(樹脂サッシ+トリプルガラスなど)を採用すべきです。
ここにカーテンやロールスクリーンをつけるのも効果的ですが、開閉の手間を考えると、ガラス自体の性能を上げるのが正解です。
ジーヴォシグマの開放感と快適性を両立させるには、これらを「贅沢装備」と捉えるのではなく、大空間を維持するための「必要経費」として予算に組み込んでおくことを強くお勧めします。
「開放感」と「暖かさ」は、お金で解決できるトレードオフの関係なのです。
極寒地域の断熱評判を検証
では、日本で最も寒さが厳しい地域での評判はどうでしょうか。
例えば、北海道札幌市にある「大和ハウス プレミストドーム(旧:札幌ドーム)」周辺のような、真冬には氷点下10度を下回るような極寒地域でのダイワハウスの評価を見てみましょう。
結論から言うと、北海道において本州と同じ仕様(スタンダードVなど)の家を建ててしまったら、間違いなく「極寒の家」になり、光熱費で破産しかねません。
そのため、ダイワハウスでは寒冷地向けに、断熱仕様を根本から強化した特別仕様を展開しています。
北海道や東北エリアでは、壁の断熱層を標準よりも大幅に厚くした「エクストラV」仕様や、さらに木造商品では充填断熱+外張り断熱の付加断熱仕様などが標準的に提案されます。
窓に関しても、本州で一般的な「アルミ樹脂複合サッシ」ではなく、「オール樹脂サッシ」はもちろんのこと、ガラスも「トリプルガラス(3層ガラス)」が当たり前のように採用されます。
さらに、玄関ドアも高断熱タイプになり、基礎断熱もしっかり施されます。
実際に寒冷地に住むダイワハウスオーナーのブログや評判を徹底的にリサーチしてみると、「以前住んでいたアパートより格段に暖かい」「冬の朝でも室温が15度を下回らない」「蓄熱暖房機やパネルヒーターとの組み合わせで、家中どこでもTシャツで過ごせる」といった、驚くほど肯定的な意見が多く見られます。
これは何を意味しているかというと、「ダイワハウスの家は、仕様さえ適切に選べば、極寒の地でも通用するポテンシャルを持っている」という証明に他なりません。
寒冷地で「暖かい」と評価されている仕様を、もし関東や関西などの比較的温暖な地域に持ち込んだらどうなるでしょうか。
それはもう、オーバースペックと言われるほど快適で、光熱費のかからない「魔法瓶のような家」になるはずです。
逆に言えば、温暖な地域であっても「私は極度の寒がりだ」「ヒートショックが心配だ」という方は、あえてこの寒冷地仕様(エクストラVや樹脂サッシ)を採用するという選択肢があります。
「東京だから標準でいいや」と思考停止するのではなく、北海道の事例を参考に、「自分にとっての快適ライン」に合わせて仕様をカスタマイズすることが、後悔しない家づくりの秘訣です。
プレミストドームがあるような寒い地域でも選ばれている実績は、鉄骨住宅の断熱性能に対する一つの信頼の証と言えるでしょう。
(出典:国土交通省『住宅・建築物の省エネルギー基準』)
ダイワハウスの家は寒い?不安を解消する性能選び
ここまで、なぜ「ダイワハウスは寒い」と言われるのか、その原因を多角的に分析してきました。
原因が分かれば、対策は明確です。
ここからは、これからダイワハウスで契約、あるいは仕様決めを行う皆様に向けて、具体的な解決策、つまり「どうすれば暖かいダイワハウスを建てられるのか」について、施主目線で解説します。
重要なのは、ハウスメーカーの営業さんに「お任せ」にするのではなく、施主自身が「断熱グレード」と「窓」の重要性を正しく理解し、限られた予算の中でどこにお金をかけるべきか、その配分を最適化することです。
カタログ上のスペック数値をただ追い求めるのではなく、実生活での「体感温度」を上げるためのポイントを押さえていきましょう。
これを実践すれば、鉄骨住宅のデメリットを消し去り、メリットだけを享受できる最高の住まいが完成するはずです。
断熱仕様の種類と断熱性能の差
「ダイワハウスで暖かい家を建てたい!」と決意した私たちが、カタログを開いて最初に直面するのが、聞き慣れない「断熱グレード」の選択です。
xevoΣには、主に地域の気候区分や施主の要望に合わせて、3つの断熱仕様(グレード)が用意されています。
このグレード選びこそが、入居後の「寒さ」を決定づけると言っても過言ではありません。
それぞれの仕様には、壁の中に入っている断熱材の「厚み」や「種類」に明確な差があります。
当然、グレードを上げれば建築コストは上がりますが、ここをケチると後からリフォームで壁の中をいじることはほぼ不可能です。
まずは、それぞれのグレードがどのような性能を持っているのか、その違いを明確に理解しましょう。
| グレード名 | 特徴と推奨エリア | 壁の断熱層厚 |
|---|---|---|
| スタンダードV (標準仕様) |
関東以西などの温暖な地域(5~7地域)で標準的に提案される仕様。 省エネ基準はクリアしていますが、鉄骨の特性を考えると、寒がりな方や大空間を作る場合には少し心許ない可能性があります。 |
132mm |
| ハイクラスV (準寒冷地向け) |
スタンダードVをベースに、天井断熱の強化や、熱橋対策をさらに徹底したグレード。 コストパフォーマンスと快適性のバランスが良く、温暖地でも「少し性能にこだわりたい」という方におすすめです。 |
132mm (天井断熱等は強化) |
| エクストラV (寒冷地・最高級) |
北海道や東北などの寒冷地(1~3地域)向けの仕様。 断熱材をさらにもう一層追加し、圧倒的な厚みを実現。 温暖地でこれを採用すれば、まさに「魔法瓶」のような保温性能を手に入れられます。 |
184mm |
表を見ていただければ一目瞭然ですが、特に注目すべきは最上位の「エクストラV」です。
標準のスタンダードVでも、壁の厚み132mmというのは一般的な木造住宅(充填断熱で105mm程度)と比較しても十分に分厚いのですが、エクストラVではそこに断熱材をもう一層追加し、合計184mmという驚異的な厚さを実現しています。
断熱材の厚みが約1.4倍になるということは、単純に熱の逃げにくさも飛躍的に向上することを意味します。
私がもし今、ダイワハウスで家を建てるなら、迷わずこの「エクストラV」へのグレードアップを検討します、と言いたいところですが、予算との兼ね合いも重要ですよね。
エクストラVにすると、坪単価で数万円単位のアップになることが予想されます。
しかし、これを「高い」と切り捨てる前に、35年の住宅ローンでシミュレーションしてみてください。
初期費用で100万円アップしたとしても、月々の返済額にすれば約3,000円程度の差です。
断熱性能が上がれば、毎月の冷暖房費は確実に安くなります。
特に電気代が高騰している昨今、月々の光熱費が数千円浮けば、ローンの増額分は十分に相殺できる可能性があります。
何より、「冬の朝、布団から出るのが辛くない」「廊下に出てもヒヤッとしない」という健康で快適な暮らしは、お金には代えられない価値があります。
予算配分を考える際は、キッチンやお風呂のグレードを一つ下げてでも、この「断熱グレード」にお金を回すことを、私は強くお勧めします。
設備は後から交換できますが、壁の中の断熱材は、家を解体するまで一生そのままなのですから。
断熱等級は標準仕様で5相当
住宅性能を測るモノサシとして、近年よく耳にするようになった「断熱等級」。
2025年からは、すべての新築住宅で「省エネ基準(断熱等級4)」への適合が義務化されますが、ダイワハウスなどの大手ハウスメーカーは、その先を行っています。
現在、ダイワハウスのxevoΣでは、標準仕様(スタンダードV)であっても、基本的に「断熱等級5」をクリアする性能を持っています。(※プランや窓の大きさによっては等級4になる場合もあるので、必ず個別確認が必要です)
「等級5」というのは、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準に相当する性能です。
一昔前の最高等級であった「等級4」と比較すると、エネルギー消費量を約20%削減できるレベルであり、決して低い性能ではありません。
営業担当の方も、「うちは標準でZEH基準の等級5ですから、十分に暖かいですよ!」と自信を持って説明してくれるでしょう。
その言葉に嘘はありません。
しかし、ここで思考停止してはいけません。
はっきり申し上げますが、これからの時代の家づくりにおいて、「等級5」はあくまで「最低限クリアすべきスタートライン」だと認識してください。
世界的な断熱基準から見れば、日本の等級5はまだまだ低いレベルにあります。
また、先ほどから申し上げている通り、鉄骨住宅には「熱橋」という構造的なハンディキャップがあります。
同じ「等級5」のUa値(外皮平均熱貫流率)を持っていたとしても、木造の等級5と鉄骨の等級5では、体感的な暖かさに差が出ることがあります。
鉄骨の方が、数値には表れない部分(ヒートブリッジなど)で熱を逃がしやすい特性があるため、数値以上に配慮が必要なのです。
特に、xevoΣの魅力である「大開口」や「大空間」を採用する場合、等級5ギリギリの性能では、窓際から冷気が忍び寄り、部屋の上下で温度差が生じるリスクが高まります。
「標準だから大丈夫」と安心しきらず、ご自身の建設予定地が底冷えする地域なのか、日当たりはどうなのかを考慮して、グレードアップを検討することをお勧めします。
私個人の意見としては、鉄骨で快適性を担保するなら、等級5で満足せず、もう一つ上のステップを目指すべきだと考えています。
補足:断熱等級の目安
等級4:平成28年基準(今の最低ライン。冬は普通に寒い)
等級5:ZEH基準(今の標準ライン。とりあえず及第点だが、鉄骨だと少し不安)
等級6:HEAT20 G2レベル(快適性が実感できるレベル。ここを目指したい!)
等級7:HEAT20 G3レベル(最高峰。無暖房も視野に入る異次元の暖かさ)
最高級の断熱等級7を目指す選択肢
では、さらに上の「断熱等級6」や、最高峰の「断熱等級7」をダイワハウスで目指すことは可能なのでしょうか。
答えは「イエス」です。
ダイワハウスも技術開発を進めており、特に木造商品の「xevoGranWood(グランウッド)」などでは、最高等級である断熱等級7に対応する仕様を発表しています。
断熱等級7(HEAT20 G3グレード)の世界とは、どのようなものでしょうか。
それは、真冬の北海道のような環境でも、暖房機器をほとんど使わずに、人間の体温や家電から出る熱、そして窓から入る太陽の熱だけで室温を維持できるような、究極の「高断熱住宅」です。
ここまでくると、家の中での温度差(ヒートショックのリスク)はほぼゼロになり、布団も薄手のもので十分、お風呂上がりも寒くないという、異次元の快適性が手に入ります。
しかし、鉄骨造のxevoΣでこの「等級7」を目指そうとすると、正直なところ、コストの壁が大きく立ちはだかります。
鉄という熱を伝えやすい素材でここまでの数値を叩き出すためには、断熱材を最強のエクストラVにするのはもちろん、窓をすべてトリプルガラスの樹脂サッシにし、さらに開口部の面積を制限するなど、設計上の制約も出てくる可能性があります。
また、そこまでして断熱性能を高めても、温暖な地域(6地域など)ではオーバースペックとなり、かけた費用の元を光熱費削減だけで取るには何十年もかかってしまう、という「コスパの悪化」も懸念されます。
そこで私が現実的な解として提案したいのが、「断熱等級6(HEAT20 G2レベル)」を目指すという選択肢です。
等級6であれば、xevoΣでも「ハイクラスV仕様」+「樹脂サッシへの変更」+「熱交換換気」といった組み合わせで、現実的な予算の範囲内で十分に手が届きます。
等級6あれば、冬の最低体感温度がおおむね13℃を下回らない環境を作ることができ、健康リスクを大幅に低減できます。
「最高等級7」という言葉の響きは魅力的ですが、家づくりはバランスが重要です。
予算が潤沢にあるなら等級7を目指すのも素晴らしいですが、無理をして生活が苦しくなっては本末転倒です。
「等級6」をしっかりと確保し、浮いた予算で太陽光発電を載せたり、床暖房を入れたりする方が、トータルの住み心地と満足度は高くなるのではないでしょうか。
断熱性能とコストのバランスについては、積水ハウスのUA値・C値の現実。施主が断熱・気密を解説の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
気密測定でC値を確認すべき理由
「断熱(Ua値)」とセットで語られることが多いのが「気密(C値)」です。
断熱が「ダウンジャケットの厚さ」だとすれば、気密は「ジッパーをしっかり閉めているか」を表します。
いくら分厚いダウンを着ていても、前が開いていて隙間風が入ってくれば寒いですよね。
住宅も同じで、いくら断熱材を分厚くしても、家に隙間があればそこから暖気は逃げ、冷気が侵入してきます。
この「隙間の大きさ」を表す数値がC値(相当隙間面積)で、数値が小さいほど高気密な家となります。
残念ながら、ダイワハウスを含む大手鉄骨系メーカーの多くは、このC値を公表していませんし、「気密測定」も標準では行っていません。
なぜなら、鉄骨住宅は構造上、鉄と鉄をボルトで接合する部分や、複雑な形状の取り合い部分に隙間ができやすく、木造住宅(特にツーバイフォーやパネル工法)に比べて、良いC値を出すのが難しいからです。
一般的に高気密と言われるのはC値1.0以下ですが、鉄骨系メーカーでは2.0〜5.0程度になることも珍しくないと言われています。
「じゃあ、鉄骨だから隙間風は仕方ないの?」と諦めるのは早いです。
実は、契約時や着工前の打ち合わせで、施主から「気密測定を行ってください(費用は出します)」と依頼することで、状況が変わる可能性があります。
実際に測定を行ってC値を確認できるというメリットはもちろんですが、それ以上に大きな効果があります。
それは、「この施主は気密にこだわっている」「後で検査が入る」と現場に伝わることで、職人さんや現場監督の意識が引き締まり、断熱材の施工や隙間の処理(気密テープ貼りなど)が、普段以上に丁寧に行われる可能性が高まるということです。
測定費用として数万〜十数万円かかるかもしれませんが、それによって施工精度が上がり、結果としてC値が改善されれば、一生涯続く光熱費の削減と快適性の向上につながります。
良い数値を出すことを約束させるのは難しいかもしれませんが、「測定をして、現状の数値を知りたい」というスタンスで依頼してみるのは、非常に有効な戦略です。
丁寧な施工が行われれば、鉄骨造のxevoΣであっても、C値1.0台〜2.0前後の、十分に快適な数値を出すことは可能です。
見えない隙間を埋めるのは、最終的には「人の手」と「意識」なのです。(出典:経済産業省資源エネルギー庁『省エネ住宅』)
24時間換気の仕組みと室温の関係
断熱や気密にお金をかけても、意外な落とし穴となるのが「換気システム」です。
シックハウス症候群対策として、現在の住宅には「24時間換気システム」の設置が義務付けられており、2時間で家中の空気がすべて入れ替わるようになっています。
つまり、せっかく暖房で暖めた空気を捨て、外の冷たい空気を常に取り込み続けているわけです。
この換気システムの方式選びを間違えると、冬の寒さに直結します。
換気システムには大きく分けて「第1種換気」と「第3種換気」があります。
コストを抑えるために標準採用されがちなのが「第3種換気」です。
これは、トイレや洗面所の換気扇で空気を排出し、居室(リビングや寝室)にある給気口から自然に外気を取り込む方式です。
シンプルで安価ですが、冬場は給気口から氷点下の冷気がダイレクトに入ってきます。
給気口の下にベッドやソファを置いていると、冷たい風が直撃して非常に不快ですし、部屋全体の温度も下がります。
「ダイワハウスは寒い」という口コミの中には、この第3種換気の給気口からのコールドドラフトが原因であるケースが多々あります。
対して、私が強くお勧めするのが「第1種換気(熱交換型)」です。
これは、給気も排気も機械で行うシステムで、さらに「熱交換素子」という部品を使って、排出する汚れた空気から「熱」だけを回収し、入ってくる新鮮な外気にその熱を移して室温に近づけてから取り込みます。
例えば、外気温が0℃、室温が20℃の場合、熱交換率80%のシステムなら、外気を約16℃まで温めてから取り込んでくれるのです。
これなら、換気をしていても部屋が寒くなりにくく、暖房効率も格段に上がります。
ダイワハウスでも、「風なび」などの熱交換換気システムがオプション(またはグレードによって標準)で選べます。
初期費用は高くなりますし、フィルター掃除などのメンテナンスも必要になりますが、冬の快適性と光熱費削減効果を考えれば、投資する価値は十分にあります。
特にxevoΣのような大空間を持つ家では、空調負荷を減らすためにも、熱交換換気は必須級の装備と言えるでしょう。
壁や窓だけでなく、「空気の入り口」にもこだわることが、暖かい家づくりの最後のピースです。
ダイワハウスの寒さに関するよくある質問(FAQ)
Q1. xevoΣで「吹き抜け」を作りたいですが、寒くないですか?
A. 何も対策せずに標準仕様のまま作れば、やはり寒さを感じるリスクは高いです。
特に暖かい空気が2階へ逃げ、冷気が1階へ降りてくる現象が顕著になります。
しかし、以下の対策を組み合わせることで、快適な吹き抜け空間は実現可能です。
1. 断熱グレードを「ハイクラスV」以上、できれば「エクストラV」にする。
2. 窓(特に吹き抜け上部)を「樹脂サッシ」等の高断熱タイプに変更する。
3. シーリングファンを設置して空気を循環させる。
4. 足元を直接暖める「床暖房」を採用する。
これらを設計段階から盛り込んでおけば、怖がる必要はありません。
Q2. アルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシ、そんなに違いますか?
A. はい、体感温度は劇的に変わります。全くの別物と考えてください。
アルミは樹脂の約1000倍も熱を通しやすいため、冬場はサッシ枠が外気と同じくらい冷たくなります。
そこから発生する冷気が足元を這う「コールドドラフト」が、底冷えの主犯格です。
樹脂サッシにすれば、枠が冷たくならず、結露も大幅に抑制できます。
壁の断熱材を厚くするよりも、窓を樹脂サッシに変える方が、費用対効果よく「寒くない家」を作ることができます。
Q3. 床暖房は必須ですか?電気代が心配です。
A. 鉄骨住宅で天井高のあるxevoΣなら、私は「必須」に近い設備だと考えています。
エアコンの温風はどうしても天井付近に溜まりやすいため、足元から直接体を温めてくれる床暖房の快適さは別格です。
最近の住宅は気密・断熱性が高いため、一度暖まれば冷めにくく、昔の家ほどランニングコストはかかりません。
太陽光発電とエネファームや蓄電池を組み合わせることで、光熱費を抑えながら運用するのが賢い方法です。
Q4. 営業さんに「標準で十分暖かい」と言われましたが信じていいですか?
A. 営業さんの言葉を悪気なく鵜呑みにするのは危険です。
営業さんにとっての「暖かい」は、過去の自社製品との比較や、主観的な感想に過ぎない場合があるからです。
重要なのは数値と仕様です。
「UA値はいくつになりますか?」「サッシはオール樹脂ですか?」と具体的に質問してみてください。
また、可能であれば宿泊体験ができるモデルハウスを利用し、真冬の夜に暖房を消して、朝どれくらい室温が下がるかをご自身の肌で確かめてみるのが一番確実です。
ダイワハウスの家は寒いのか?結論と対策
ここまで長きにわたり、ダイワハウスの「寒さ」に関する噂の検証から、構造的な原因、そして具体的な対策までを解説してきました。
最後に、この記事の要点をFAQ形式で整理しつつ、結論としてまとめたいと思います。
鉄骨住宅の特性を正しく理解し、適切な対策を講じれば、ダイワハウスでも十分に暖かく、快適な住まいは実現可能です。
- 「ダイワハウス=寒い」という噂は、過去のイメージや賃貸物件との混同、あるいは窓仕様の選定ミスなどが主な原因であり、最新のxevoΣ自体の性能が低いわけではない。
- ただし、鉄骨造には「熱橋」という弱点があり、大空間は寒くなりやすい特性があるため、標準仕様に甘んじない対策が必要。
- 最もコスパの良い対策は、壁の断熱グレードアップ(エクストラV等)よりも先に、熱の出入り口である「窓(樹脂サッシ)」へ投資すること。
- 換気システムを「熱交換型」にすることで、冷気の侵入を防ぎ、家全体の温度ムラをなくすことができる。
- 契約前に「気密測定」を依頼することで、丁寧な施工を引き出し、見えない隙間を減らすことができる。
ダイワハウスのxevoΣが持つ天井高2m72cmの開放感、柱のない大空間、そして巨大地震にも耐えうる頑丈な鉄骨構造。
これらは、他社には真似できない素晴らしい価値であり、多くの人がダイワハウスを選ぶ理由でもあります。
この「圧倒的な広さ」と「冬の暖かさ」を両立させることは、決して不可能ではありません。
重要なのは、「鉄骨だから寒いのは仕方ない」と諦めることでも、「大手だから標準で大丈夫だろう」と過信することでもありません。
鉄骨の特性を正しく理解し、ご自身の暮らしや建設地の気候に合わせて、適切な断熱グレードや窓の仕様を「賢く選ぶ」ことです。
そうすれば、ダイワハウスの家は、家族を守る強いシェルターであると同時に、冬でもTシャツで過ごせるような、最高のくつろぎ空間になるはずです。
私自身、積水ハウスで家を建てる際も、構造(鉄骨)の弱点を理解した上で、断熱や空調計画には徹底的にこだわりました。
その結果、鉄骨ならではの頑丈さと大空間、そして冬でも快適に過ごせる温熱環境を手に入れることができました。
家づくりは、知っているか知らないかで、住み心地に雲泥の差が出ます。
この記事が、ダイワハウスをご検討中の皆様にとって、後悔のない、暖かく幸せな家づくりの一助となれば幸いです。






