住友林業の防音・防犯・防蟻はどこまでできる?仕様の目安と後悔しない優先順位

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こんにちは。

住まいをつなぐ「すまつな」運営者の北川です。

注文住宅を検討する際、どうしても「おしゃれな内装」や「広いリビング」、「かっこいいキッチン」といった目に見える部分に意識が行きがちですよね。

私も自宅の計画中は、どこの床材を使おうか、外壁はどうしようかと、見た目のことばかり考えてワクワクしていました。

しかし、実際に家を建てて住み始めてから「やっぱりもっと気にしておけばよかった…」と後悔の声が上がりやすいのが、「音(防音)」「防犯」「シロアリ(防蟻)」という、図面やパースでは決して見ることのできない「3つの見えない不安要素」なのです。

「木造住宅は音が響きやすいのでは?子供の足音で近所迷惑にならない?」
「大きな窓は開放的で憧れるけど、泥棒に入られやすくない?」
「シロアリ対策って、将来どれくらいのお金がかかるの?気付いたら柱がボロボロなんて嫌だ!」

今回は、特に「木の家」としてのブランド力が高い「住友林業」を検討されている方に向けて、これらの切実な不安に対しどのような対策や仕様が用意されているのか、積水ハウス施主である私の視点も交えながら、徹底的に深掘りして解説していきます。

単なるカタログスペックの羅列ではなく、実際に暮らす上で「どこまで安心できるのか」「将来のコスト(ライフサイクルコスト)はどうなるのか」という、施主にとって最も重要なリアルな側面を一緒に見ていきましょう。

記事のポイント

  • 住友林業の木造住宅における音の限界と、標準・オプションでの対策方法のすべて
  • 本格的なピアノ演奏やホームシアターにも対応できる「ヤマハ提携防音室」の実力
  • 「5分の壁」を作る防犯ガラスと、スマホ連動ドアホンによる最新セキュリティ事情
  • 長期メンテナンスコストを劇的に抑える「タームガードシステム」の経済的メリット

住友林業の防音性と音の悩み

住友林業の家づくりにおける「おしゃれな内装・広いリビング」などの見える魅力と、「音・防犯・シロアリ」などの見えない不安要素を対比した図

住友林業の家は「木の質感」や「涼温房」といった自然と調和するコンセプトが最大の魅力ですが、木造住宅を検討する上で避けて通れないのが「音」の問題です。

鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)に比べて軽量な木造は、物理的な構造上、どうしても音が伝わりやすい側面があります。

「住友林業は高いから、防音も完璧だろう」と思い込むのは危険です。

木造住宅の音環境と課題

まず、音の基本について少し触れておきましょう。

音には、空気を震わせて伝わる「空気伝播音(話し声、テレビの音など)」と、物体が振動して伝わる「固体伝播音(足音、物を落とした音など)」の2種類があります。

一般的に、建物の防音性能(遮音性能)は「質量則」という物理法則に支配されます。

簡単に言えば、「重い材料ほど音を通しにくい」という法則です。

この点において、コンクリートの塊であるマンションや、重量のあるALCコンクリートを使う鉄骨造に比べ、木造住宅はどうしても質量が軽いため、特に低周波の音(車の走行音など)や、ドスンという重い音に対して不利だと言わざるを得ません。

しかし、住友林業も手をこまねいているわけではありません。

主力商品である「ビッグフレーム構法(BF構法)」では、一般的な木造軸組工法に比べて圧倒的に太い柱(ビッグコラム)を使用し、構造体自体の剛性を高めることで振動を抑え込んでいます。

また、外壁や間仕切り壁の中には、断熱材として高性能なグラスウールが隙間なく充填されています。

グラスウールは優れた「吸音材」としての性質も持っているため、隣室への話し声やテレビの音といった「空気伝播音」については、標準仕様でも日常生活に支障のないレベルまで軽減されています。

あわせて読みたい:住友林業は寒いって本当?UA値/C値・断熱等級・窓仕様から快適性を見抜くチェック法

それでも注意が必要なのは、「音の感じ方には個人差がある」という点です。

例えば、閑静な住宅街で深夜に映画を見たり、家族が寝静まった後にWEB会議をしたりする場合、標準的な壁だけでは心許ないケースがあります。

私の経験上、普通の木造の壁だけでは「会議の内容までは聞き取れないが、誰かがボソボソ喋っていることは分かる」レベルの音漏れは発生します。

特に寝室と子供部屋が隣接している場合などは、プライバシー確保のために、壁の中に遮音シートを追加したり、収納を挟んで配置したりするなどの工夫が必要です。

住友林業の営業担当者に確認する際は、「防音性はどうですか?」と漠然と聞くのではなく、「隣の部屋でWEB会議をしていても、寝室で気になりませんか?」と具体的なシチュエーションで質問することをお勧めします。

環境省の定める騒音の基準値については、以下のページで詳しく解説されています。

騒音に係る環境基準について(出典:環境省)

2階の生活音への対策

ブログやSNSなどの口コミ分析において、住友林業の施主様から比較的多く聞かれる悩みが、「2階の子供の足音や物音が、1階のリビングに響く」という懸念です。

これは「固体伝播音」に分類されるもので、木造住宅の宿命とも言える最大の課題です。

木は振動を伝えやすい素材であり、かつ2階の床と1階の天井が構造材(梁)を通じてつながっているため、太鼓のように音が響いてしまうのです。

これに対し、住友林業では標準的な対策に加え、より高度なオプション対応を用意しています。

まず標準的な仕様でも、床の仕上げ材の下に石膏ボードや制振マットを組み合わせることで、質量を増して振動を抑える工夫がなされています。

さらに効果的なのが「吊り天井」の採用です。

これは、1階の天井を2階の床梁から直接吊るのではなく、防振吊木などを介して縁を切ることで、振動が直接伝わるのを防ぐ構造です。

しかし、「子供が走り回る音(重量床衝撃音・LH)」を劇的に改善したいのであれば、設計段階で「高遮音床仕様」へのグレードアップを強くお勧めします。

一般的な木造住宅で2階の足音が響く仕組みと、住友林業の高遮音床仕様による解決策を解説した比較図

これは、特殊な制振ゴムや高比重の遮音マットを何層にも重ねることで、衝撃音を吸収・分散させるシステムです。

私の建てた積水ハウス(鉄骨造イズ)でも高剛性な床構造が採用されていますし、同社の木造住宅シャーウッドでは「シャイド55」といった高遮音床システムが用意されていますが、やはりこれが入っているといないとでは、2階からの音の聞こえ方が全く違います。

あわせて読みたい:積水ハウスの音はうるさい?遮音性能をオーナーが徹底解説

「ドスン」という音が「トコトコ」あるいは「コトッ」というレベルまで軽減されるイメージです。

また、ハードウェア(構造)だけでなく、インテリア面での工夫も非常に有効です。

例えば、子供部屋や廊下に厚手のカーペットやコルクマットを敷くだけでも、スプーンを落とした時のような「コツン」という軽量衝撃音(LL)には劇的な効果を発揮します。

家を建てた後から床の構造を変えることはほぼ不可能です。

予算配分に悩む場合は、システムキッチンのグレードを一つ下げてでも、この「床の遮音対策」にお金をかける価値は十分にあると、私は断言します。

あわせて読みたい:住友林業のオプション地獄を防ぐ:追加費用が増えるポイントと、予算内に収める設計術

ここがポイント

「後から変えられない部分」にお金をかけるのが家づくりの鉄則です。

床の遮音性能はまさにその筆頭。

迷ったら高遮音仕様を選びましょう。

プロ仕様の防音室という選択

「趣味のピアノを夜間でも気兼ねなく弾きたい」
「大音量で映画を楽しめる本格的なホームシアターを作りたい」
「YouTuberとして自宅で収録を行いたい」

現代のライフスタイルにおいて、家の中に「完全な静寂」や「音を出せる空間」を求める声は年々高まっています。

そんなニッチかつ切実な要望に対して、住友林業はハウスメーカーの中でも随一の強力なソリューションを持っています。

それが、世界的楽器メーカー「ヤマハ」との提携による本格的な防音室です。

ヤマハ技術による高い防音性

住友林業とヤマハ(旧ヤマハリビングテック、現トクラス等を含む関連技術)は、長年にわたり深い提携関係にあります。

住友林業が建材や木材のプロなら、ヤマハは「音」のプロフェッショナルです。

一般的な工務店やハウスメーカーが提供する「防音室」は、単に壁を厚くしたり吸音材を詰めたりしただけの「防音っぽい部屋」であることが少なくありません。

しかし、住友林業が提供するのは、ヤマハが長年培ってきた防音室「アビテックス」のノウハウと技術を、新築住宅の設計段階から完全に統合した「楽器演奏レベル」の防音空間です。

防音性能は、JIS規格に基づく「Dr値(D値)」という指標で評価されます。

数字が大きいほど遮音性能が高いことを示します。

住友林業では、施主の用途や予算に合わせて、以下のレベルの制御が可能となっています。

性能指標(Dr値) 想定される用途 体感レベル(隣室での聞こえ方)
Dr-30〜35 ピアノの練習、声楽、テレワーク、オーディオ鑑賞 隣の部屋では、小さな話し声程度に減衰して聞こえる。

テレビを点けていれば気にならないレベル。

Dr-40 ドラム、グランドピアノ、プロレベルの演奏、本格シアター 隣室でもほとんど聞こえない。

夜間でも外部への音漏れをほぼ完全に遮断できるプロ仕様。

注目すべきは、これらがリフォームでよくある「後付けの箱(ユニット)」を部屋の中に置くのではなく、新築の設計段階から建物と一体化して計画される点です。

ユニットタイプの場合、どうしても部屋が狭くなり、天井も低くなってしまい、「圧迫感のある狭い箱」になりがちです。

しかし住友林業の一体設計なら、部屋の広さや天井高を最大限に活かした、開放感のある防音室が実現できます。

グランドピアノやホームシアターを設置しても広さを確保できる、住友林業とヤマハが提携した一体設計の防音室のイラスト

さらに、防音室で最も弱点となりやすい「換気ダクト」や「エアコン配管」からの音漏れ(クロストーク)についても、構造レベルで計算された専用の防音部材を使用するため、隙のない防音性能を発揮します。

もちろん費用は安くありません。

広さや性能によりますが、数百万円単位の追加費用が必要になります。

しかし、これを「高い」と見るか、「スタジオを借りる手間や時間を考えれば安い」と見るか。

音楽を愛する人にとって、自宅に24時間いつでも演奏できるスタジオがある生活は、何物にも代えがたい価値があるはずです。

住宅ローンに組み込める新築時こそ、この夢を実現する最大のチャンスと言えるでしょう。

◆北川のワンポイントアドバイス

もし防音室を作るなら、「電源の数」と「LAN配線」は過剰なくらい確保してください。

楽器やアンプ、PC、モニターなど、音楽機材はとにかく電源を使います。

タコ足配線はノイズの原因にもなるので、壁コンセントは多い方が正義です。

また、最近はオンラインレッスンや配信の需要もあるので、無線Wi-Fiだけでなく、安定した有線LANポートを必ず引いておくことを強くお勧めします。

侵入を防ぐ防犯ガラスとカメラ

次に、家族の命と財産を守る「防犯」について解説します。

特に小さなお子様がいるご家庭や、共働きで日中留守にしがちな世帯にとって、家のセキュリティは心の安寧に直結する重要事項です。

警察庁のデータによれば、空き巣などの侵入窃盗犯の侵入手口として最も多いのが「ガラス破り」です。

そして、泥棒の心理として「侵入に5分以上かかると約7割が諦める」という有名なデータがあります。

つまり、防犯対策の要諦は、いかにしてこの「5分の壁」を物理的に構築するかにあるのです。

標準採用の防犯合わせガラス

住友林業の住宅では、1階の窓やバルコニーの掃き出し窓など、侵入経路となりやすい箇所の窓ガラスに「防犯合わせ複層ガラス」が標準的に採用されています(※商品や地域仕様により異なる場合がありますが、近年の主力商品では一般的です)。

これは、単なる強化ガラスではありません。

2枚のガラスの間に、強靭で柔軟な特殊樹脂の中間膜(ポリビニルブチラールなど)を挟み込み、高温高圧で圧着したものです。

一般的なフロートガラスは、ドライバーやバールで一点を攻撃されると簡単に割れて穴が空いてしまいます。

しかし、この防犯合わせガラスは、衝撃を受けてガラスが割れたとしても、強力な中間膜が接着しているため脱落せず、穴が空きにくい構造になっています。

実験映像などを見ると分かりますが、大人の男性がバールで何度叩いても、ヒビが入るだけでなかなか貫通しません。

これにより、泥棒が最も嫌がる「時間」と「大きな音」を強いることができ、侵入を諦めさせる効果が極めて高いのです。

このガラスは、官民合同会議による厳しい試験をクリアした防犯建物部品のみに与えられる「CPマーク(Crime Prevention)」の認定を受けています。

さらに、サッシ自体には「アルミ樹脂複合サッシ」が多く採用されています。

これは室外側に耐久性の高いアルミ、室内側に断熱性の高い樹脂を使ったハイブリッド構造です。

防犯性だけでなく、結露を抑制する効果も高いため、窓辺のカビ発生を防ぎ、クレセント錠(鍵)の腐食や劣化を防ぐことにも繋がります。

つまり、長期にわたって防犯機能を維持できるというメリットがあるのです。

防犯ガラスやCPマークの詳細な基準については、警察庁の以下のサイトで確認できます。

住まいる防犯110番(出典:警察庁)

防犯カメラと最新セキュリティ

物理的な「割れにくい窓」という防御に加え、現代の住宅ではデジタル技術による「監視の目」も不可欠です。

住友林業では、パナソニック製の高機能ドアホン(例:外でもドアホンシリーズ)との連携による、スマートホーム化されたセキュリティ環境を推奨しています。

特に私が注目するのは、以下の3つの機能です。

  • スマホ連携機能:

    外出先でも、来客があるとスマートフォンに着信があり、リアルタイムで映像確認や通話が可能です。これにより、宅配便の対応ができるだけでなく、「家に誰もいない」と悟らせない効果があり、空き巣のターゲットになるリスクを低減します。

  • 自動録画機能:

    インターホンのボタンが押されなくても、センサーが人を検知すると自動で映像を記録する機能もあります。不審者が下見のために家の周りを徘徊していた場合など、事後確認できる証拠能力として非常に強力です。

  • 広角カメラの採用:

    従来のカメラよりも広い範囲を映せる広角レンズにより、死角になりやすい玄関脇のスペースもしっかりカバーします。侵入前の不審な動きを捉えることができます。

また、これから設計を行う方は、外構計画(エクステリア)と防犯カメラの配置をセットで考えることが重要です。

最近流行りの「オープン外構(塀やフェンスを設けないスタイル)」は開放的ですが、敷地内への侵入が容易になる側面もあります。

オープン外構にするなら、人感センサー付きの照明や、防犯カメラを目立つ位置に設置して「ここは警戒しているぞ」とアピールすることが、最大の抑止力になります。

住友林業の緑化部門(住友林業緑化)は、植栽と照明を組み合わせた美しい外構提案が得意ですが、ぜひそこに「防犯」の視点も加えてプランニングしてもらいましょう。

泥棒の侵入を防ぐ防犯合わせガラスのひび割れイメージと、外出先から対応可能なスマホ連動インターホンの画面イメージ

防蟻処理の仕組みと費用対効果

「木造住宅最大の敵」と言えば、間違いなくシロアリです。

彼らは音もなく忍び寄り、土台や柱を食い荒らし、気付いた時には家の強度を致命的なまでに低下させてしまいます。

「木造はシロアリに弱いから、メンテナンス費用がかさむのでは?」
「5年ごとに床下に潜って薬剤を撒くなんて面倒だし、薬剤の健康被害も心配…」

そんな不安をお持ちのあなたも多いでしょう。

しかし、住友林業はこのシロアリリスクに対し、業界の常識を覆すほど合理的で、かつ経済的なシステムを標準採用しています。

それが「タームガードシステム」です。

タームガードシステムの利点

従来の一般的な木造住宅の防蟻処理は、新築時に木材に薬剤を塗布し、その後は保証が切れる5年ごとに、作業員が床下点検口から潜り込んで、改めて薬剤を散布・塗布する必要がありました。

これにはいくつかの大きなデメリットがあります。

まず、5年ごとに業者を家に上げなければならない手間と心理的負担。

次に、床下に潜って作業するため、どうしても散布ムラができるリスク。

そして何より、室内に薬剤の臭いが漏れてくる可能性や、シックハウス症候群への懸念です。

対して、住友林業が採用する「タームガードシステム」は、発想が根本的に異なります。

これは、新築時の基礎工事の段階で、建物の外周や床下のコンクリートの中に、あらかじめ「薬剤散布用のパイプ」を張り巡らせておくという技術です。

パイプには一定間隔で小さな穴が開いており、そこから薬剤が染み出す仕組みになっています。

再施工(メンテナンス)の際は、建物の屋外に設置された「注入口」から、専用の薬剤を流し込むだけ。

これにより、以下の劇的なメリットが生まれます。

  • 室内に立ち入る必要がない

    作業はすべて屋外で完結するため、作業員が家の中に入ることはありません。プライバシーが守られ、日程調整の負担も大幅に軽減されます。在宅の必要すらない場合もあります。

  • 確実な施工品質

    あらかじめ計算された位置に設置されたパイプを通じて薬剤が行き渡るため、人の手による散布のような「塗り残し」や「散布漏れ」のリスクが極めて低く、確実にバリアを再形成できます。

  • 高い安全性

    薬剤が揮発しにくいタイプを使用していることに加え、床下や土壌に直接注入するため、居住空間に薬剤が飛散することがありません。小さなお子様やペットがいるご家庭でも、安心して再施工を行うことができます。

長期的な防蟻処理費用の比較

このタームガードシステムの真価は、単なる手間の削減だけでなく、長期的なランニングコスト(維持費)の削減にあります。

住友林業の場合、このシステムを用いた防蟻処理の再施工サイクルは、一般的に「10年ごと」に設定されています(一般的な木造住宅は薬剤の効果期間に合わせて5年ごとが多い)。

単純計算でも、メンテナンスの頻度が半分になるということです。

例えば、新築から30年間のスパンで見た場合をシミュレーションしてみましょう。

一般的な木造住宅では、5年目、10年目、15年目…と計5〜6回の処理が必要になります。

1回あたりの費用が10万円〜15万円だとしても、総額ではかなりの金額になります。

一方、住友林業なら、10年目と20年目のわずか2回で済みます。

仮にタームガードの1回あたりの薬剤注入費用が、一般の散布費用より多少高かったとしても(実際は足場を組んだり養生したりする人件費がかからないため、そこまで高額にはなりにくいです)、回数が半分になるインパクトは絶大です。

30年、60年という長期視点で見れば、数十万円から場合によっては100万円近いコスト削減効果が見込めます。

これは、住宅ローンの金利負担分や、給湯器などの設備交換費用の一部を相殺できる規模の金額であり、経済合理性を重視する施主にとって非常に強力な訴求点となります。

一般的な木造住宅の防蟻処理にかかるコスト・手間と、住友林業のタームガードシステムによるコスト削減効果を比較したグラフ

経済的なメリット

「初期費用(イニシャルコスト)」だけでなく、住んでからかかる「維持費(ランニングコスト)」まで計算に入れてハウスメーカーを選ぶ。

これが賢い家づくりの鉄則です。

防蟻コストの圧縮は、長く住むほど効いてきます。

将来コストと安心で積水と比較

ここまで住友林業の仕様について詳しく見てきましたが、ここで私が最終的にパートナーとして選んだ「積水ハウス」と比較してみたいと思います。

どちらも日本を代表するトップメーカーであり、初期費用(イニシャルコスト)は決して安くありません。

しかし、両社とも「建てた後の安心」と「資産価値の維持」には並々ならぬ力を注いでいます。

私が積水ハウスを選んだ決定的な理由はどこにあったのか。

施主としてのリアルな視点で、「保証」と「構造」の違いを紐解いてみましょう。

あわせて読みたい:住友林業と積水ハウスを徹底比較:価格・性能・間取り自由度・保証で後悔しない選び方

積水ハウスの長期保証システム

家を建てる時、私たちはつい「今いくらかかるか(建築費)」ばかりを見てしまいますが、本当に怖いのは「将来いくらかかるか(メンテナンス費)」です。

この点において、積水ハウスは「初期30年保証」という業界最高水準の制度を標準で提供しています(※契約時期や商品によりますが、現在は永年保証のユートラスシステムが基盤です)。

あわせて読みたい:積水ハウスの外壁塗装は30年持つ?オーナーが明かす保証条件と費用

具体的には、建物の根幹に関わる「構造躯体」と「雨水の浸入を防止する部分」について、法律で定められた10年を大幅に超える30年間の保証がつきます。

さらに私が感動したのは、30年保証が切れた後の「ユートラスシステム」です。

これは、10年ごとの点検と、必要と判断された有償メンテナンス工事を行うことで、建物が存在する限り「いつまでも(永年)」保証を延長できる仕組みです。

「保証を延長するために高い工事をさせられるのでは?」と疑う方もいるかもしれません。

しかし、積水ハウスの外壁材(鉄骨のダインコンクリート、木造のベルバーン)は、30年スパンでの塗り替えが不要とされるほど圧倒的な耐久性を持っています。

あわせて読みたい:積水ハウス 外壁の種類と選び方:全種類の特徴・価格・メンテナンス

つまり、「高額なメンテ工事が発生しにくい」からこそ、メーカー側も強気の長期保証が出せるのです。

対する住友林業も、現在は「最長60年保証」などの手厚い制度を展開しており、防蟻処理(タームガード)や防水メンテナンスを適切に行うことで長期の安心が得られます。

両社を比較する際は、「保証期間の長さ」だけでなく、「その保証を維持するために、30年目までにいくらのメンテナンス費(防蟻、外壁塗装、屋根防水など)が必須となるか」というシミュレーションを必ず提示してもらいましょう。

私の試算では、外壁塗装サイクルの差で積水ハウスの方に軍配が上がりましたが、住友林業のタームガードによる防蟻コスト圧縮効果も非常に魅力的でした。

住友林業の強みである木の質感・維持費の安さ(タームガード)と、積水ハウスの強みである地震の揺れを抑える制震装置シーカスを比較した図

長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅の基準については、国土交通省のサイトで詳しく解説されています。

長期優良住宅のページ(出典:国土交通省)

構造が生む災害時の安全性

防犯や防音も大切ですが、日本に住む以上、全ての土台となるのは「巨大地震から家族の命を守れるか」という構造の安全性です。

住友林業の「ビッグフレーム構法(BF構法)」は、一般的な木造軸組工法(筋交いを使う工法)とは異なり、幅560mmもの巨大な柱(ビッグコラム)と梁を金物で強固に接合する「木造ラーメン構造」を採用しています。

これにより、木造でありながら大開口リビングと耐震等級3(最高等級)を両立させており、その実力は疑いようがありません。

あわせて読みたい:住友林業の耐震は大丈夫?耐震等級・構造・基礎から見る安全性と、積水ハウス比較

しかし、私が積水ハウス(鉄骨造)に決めた最大の理由は、独自の制震システム「シーカス(SHEQAS)」への絶対的な信頼でした。

契約前に参加した工場見学「住まいの夢工場」での体験は、今でも鮮烈に覚えています。

そこでは、実物大のモデルハウスを使って震度7の地震波を再現する実験が行われていました。

スタッフの方がさらりと「この実験棟、もう9000回以上揺らしているんですけど、ビクともしないんですよ」と言った時、私は鳥肌が立ちました。

シーカスは、地震のエネルギーを熱エネルギーに変換して吸収する特殊なダンパーです。

これが壁の中に入っていることで、建物の変形量を約1/2に抑え込みます。

「倒れない(耐震)」のは当たり前。

「揺れを抑えて、家を傷めない(制震)」という次元での安心感。

そして、何度余震が来ても性能が落ちない耐久性。

「家族の命を守るシェルター」としての性能を突き詰めた時、私にとっては積水ハウスの技術力が、頭一つ抜けているように感じられたのです。

もちろん、住友林業の家が弱いわけではありません。

しかし、構造に対するアプローチ(木造のしなやかさ vs 鉄骨の強靭さと制震)は明確に異なります。

ぜひあなたも、カタログだけでなく、ご自身の体でその「揺れの違い」を体験してみてください。

ここがポイント

耐震等級3はあくまで「スタートライン」です。

その先にある「制震」技術や、繰り返しの地震への耐久性まで比較することが、真の安心につながります。

不安を解消する最適な家づくり

ここまで、住友林業における「防音・防犯・防蟻」の対策と、ライバルである積水ハウスとの比較を見てきました。

結論として、住友林業の家は、木造住宅が本来抱える弱点(音、シロアリ)に対し、タームガードシステムやヤマハとの提携、そしてBF構法といった論理的かつ合理的なテクノロジーでしっかりと対策を講じています。

「木造だから不安」という先入観は、住友林業に関しては捨てても良いと言えるレベルでしょう。

しかし、家づくりにおいて「予算」は無限ではありません。

全ての仕様を最高グレードにすれば安心ですが、それでは見積もりが青天井になってしまいます。

大切なのは、ご自身の家族にとって「何が一番のリスクか」を見極め、優先順位をつけることです。

後悔しないための予算配分優先順位を示したピラミッド図。1位:高遮音床仕様、2位:タームガード&防犯ガラス、3位:防音室

優先順位 おすすめの対策(オプション含む)
1. 絶対に譲れない安心 防蟻(タームガード):資産価値維持の基本。標準採用なら安心。

防犯ガラス:泥棒の侵入阻止。これも標準でほぼカバー。

2. 快適性の要 2階床の遮音対策:高遮音床仕様への変更。後から変えられないため優先度高。
3. 特定のニーズ 防音室:楽器演奏やシアターをするなら必須。中途半端な対策は後悔の元。
4. 予算があれば 防犯カメラ:配線だけ先行して行い、機器は後付けでも可。

「標準仕様でどこまでできるか」を正しく理解し、足りない部分はプロの技術(オプション)で補う。

そして、構造やメンテナンス性といった「家の根幹」については、積水ハウスなどの競合他社ともじっくり比較して納得のいく選択をする。

そうすれば、住友林業の美しい木の家は、単なるおしゃれな住まいではなく、家族を末永く守り続ける「最強の安らぎの場所」になるはずです。

あなたの家づくりが、後悔のない素晴らしいものになることを、心から応援しています。

木の弱点をテクノロジーでカバーし、後から変えられない構造部分に投資することの重要性を説くまとめのスライドと家族のイメージ

よくある質問(FAQ)

Q1. 住友林業の家で、2階の足音を完全に消すことはできますか?

A. 結論から申し上げますと、木造住宅で子供が走り回るような「重量床衝撃音(ドスンという音)」を完全にゼロにすることは、構造上非常に困難です。

ただし、諦める必要はありません。

標準仕様でも吊り天井などで対策されていますし、オプションの「高遮音床仕様」を採用することで、生活に支障のないレベルまで大幅に軽減することは可能です。

もし「完全な静寂」を求めるのであれば、構造面だけでなく、間取りの工夫(例えば、1階の主寝室の真上には2階の子供部屋や廊下を配置せず、ウォークインクローゼットにする等)も合わせて検討することを強くお勧めします。

Q2. タームガードシステムの薬剤は人体に影響ありませんか?

A. 基本的に安全性は極めて高いと評価されています。

使用される薬剤は、揮発性が低く、土壌や基礎コンクリート部分にしっかりと吸着するタイプです。

そのため、床下の空気が室内に流れ込んだとしても、薬剤成分が居住空間を汚染するリスクは極めて低いです。

また、10年ごとの再施工時も屋外の注入口からパイプを通して注入するため、薬剤を作業員が室内で撒くことはありません。

小さなお子様やアレルギー体質の方がいるご家庭でも、数多く採用されている実績があります。

Q3. 防犯カメラを設置したいですが、配線などはどうすればいいですか?

A. 新築時であれば、絶対に「設計段階」で計画に組み込むのがベストです。

住友林業の設計担当者に「将来防犯カメラを付けたい」と伝えれば、建物の外壁の適切な位置に、カメラ用の電源ボックス(AC100V)やLAN配線(PoE給電対応がおすすめ)をあらかじめ隠蔽して設置してくれます。

家が完成してから後付けしようとすると、露出配管が見た目を損ねたり、壁に穴を開ける防水リスクが生じたりします。

カメラ本体は後から買うとしても、配線(空配管)だけは必ず先行して行っておきましょう。

Q4. 予算が厳しいのですが、本格的な防音室は後から作れますか?

A. 技術的には可能ですが、新築時よりも割高になる上、部屋が狭くなる可能性が高いです。

新築時なら、建物の壁を防音仕様にすることでスペースを無駄なく使えますが、リフォームで後付けする場合は「部屋の中にもう一つ防音ボックスを作る」形になるため、どうしても部屋が一回り狭くなり、天井も低くなります。

また、解体費用なども余計にかかります。

もし本格的な防音室を希望されるなら、金利の低い住宅ローンに組み込める新築時に決断されることを、ファイナンシャルプラン的にも強くお勧めします。

Q5. 積水ハウスと住友林業、結局どちらが「安心」ですか?

A. 施主である私の本音でお答えしますと、「地震への絶対的な安心感」なら積水ハウス(特に鉄骨)、「木の温もりを感じながらメンテナンスコストを抑える安心感」なら住友林業、という選び方が一つの目安になると思います。

積水ハウスの「シーカス」による制震性能は圧倒的ですが、住友林業の「タームガード」による防蟻コスト圧縮も非常に魅力的です。

どちらもトップメーカーとして一定以上の安心基準はクリアしていますので、最後はご自身が「何に対して最も不安を感じるか(地震か、維持費か、デザインか)」という価値観とのマッチングになります。

ぜひ両社の現場やOB宅を見学して、肌感覚で確かめてみてください。

 

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北川 晴夫(積水ハウス 施主)

「すまつな」運営者・株式会社リバティアース代表取締役。 現在、積水ハウスで自宅を建築中(2026年3月完成予定)の「現役オーナー」です。「絶対に後悔したくない」という想いから、元店舗経営者(4店舗の運営管理経験)の視点も活かし、ハウスメーカー各社を徹底比較。最終的に積水ハウスの「人」の誠実さと「技術」の圧倒的なレベルの違いに感動し、このリアルな体験を共有するため「積水ハウス ご紹介割引の窓口」を設立しました。当サイト経由のご相談で、公式制度にはない「3%以上の紹介割引」の実現と、私が全幅の信頼を寄せる橋爪店長による「最大限の交渉サポート」を、現役オーナーとして全力でバックアップします。