こんにちは。
積水ハウス ご紹介割引の相談窓口、運営者の北川晴夫です。
積水ハウスで家づくりを検討し始めると、UA値(ユーエーち)やC値(シーち)といった、断熱・気密性能を示す専門的な数値が気になりますよね。
「他社は“UA値0.xx!”とか“C値0.x!”とか数値を大々的にアピールしてるのに、積水ハウスはそういう話をあまりしないけど、実際どうなの?」
「本当に夏涼しくて、冬暖かい家が建つの?」
こうした不安を持たれる方も、本当に多いのではないでしょうか。
私自身、現在まさに積水ハウスで自宅(イズ)を建築中(2026年3月引渡し予定)の施主として、契約前にこの「性能」について、それこそ徹底的に調べ上げました。
そして、担当の橋爪店長や設計士の富田さんにも、納得がいくまで、かなり深く突っ込んだ質問をぶつけてきました。
この記事では、積水ハウスがなぜスペック競争と距離を置いているように見えるのか、その根底にある哲学から、UA値・C値の現実的な目安、標準で採用されている窓の性能、そして「設計の工夫」まで、私がオーナーとして掴んだ情報を、包み隠さず誠実にお伝えします。
ぜひ、あなたの家づくりの参考にしてください。
記事のポイント
- 積水ハウスがUA値・C値より重視する「快適性」の哲学
- 断熱性能(UA値)の標準仕様とオプション(等級5〜7)
- C値(気密性)の目安と「気密施工オプション」の重要性
- 標準サッシの性能とパッシブデザイン(日射設計)の考え方
積水ハウスの「心地よさ」の秘密
積水ハウスの住宅性能を評価する上で、まず最初に理解していただきたいのが、他社とは少し異なる「哲学」の部分です。
単に数値を追いかけるだけでは得られない、積水ハウスが目指す本当の「心地よさ」とは何なのか、その秘密に、私なりの視点で迫ります。
スペック競争より「総合的な快適性」
先ほども触れましたが、積水ハウスはUA値やC値といった個別の性能数値を、積極的にアピールすることを意図的に避けているように見えます。
私も最初のうちは、「なぜ業界トップのハウスメーカーなのに、数値をはっきりと公表しないんだ?」
「もしかして、性能に自信がないんじゃ…」と、正直、少し不安に感じていました。
しかし、橋爪店長と家づくりの打ち合わせを重ね、じっくりと話を聞く中で、彼らが目指しているのは「数値のための家」ではなく、「そこに住む家族が、30年、50年と、真に心地よく、幸せに暮らせる家」なのだと、深く理解しました。
例えば、最高の数値を追求するあまり、積水ハウスの大きな魅力である「設計の自由度」(例えば、柱のない大空間リビング「ファミリースイート」や、開放的な大開口、ダイナミックな吹き抜けなど)が著しく制限されてしまうことを、彼らは良しとしません。
あくまで「施主の夢を叶える設計の自由度」と「高いレベルでの総合的な快適性」のバランスを最重要視しているのです。
とはいえ、この「総合力」を重視する姿勢は、裏を返けば、性能(特に気密性=C値)のように、標準仕様のままでは必ずしも業界トップではない部分から、議論の焦点をそらす側面も持っている、と私は分析しています。
施主としての結論:哲学への「甘え」は禁物
積水ハウスの「総合的な快適性」という哲学は、本当に素晴らしいものです。
私も心から共感しています。
しかし、だからといって施主側が「積水ハウスに任せておけば、全部最高の性能にしてくれるだろう」と、その哲学に甘えて思考停止してはいけません。
もしあなたが、積水ハウスが誇るデザイン性や品質と、「UA値0.46以下」「C値1.0以下」のような数値的な高性能を本気で両立させたいのであれば、その知識を持ち、施主側から具体的に仕様を要求する責任がある、と私は考えています。
私が体感した「ぐるりん断熱」
私が積水ハウスの技術力に「これなら任せられる」と納得した大きな理由の一つが、鉄骨造(現在の「イズ」シリーズや「β(ベータ)」シリーズなど)に採用されている独自の「ぐるりん断熱」という仕様です。
ご存知の方も多いかと思いますが、鉄骨造の最大の弱点、それは熱を伝えやすい鉄骨自体が「ヒートブリッジ(熱橋)」となり、そこが外気の冷たさや暑さの伝導路となってしまうことです。
冬場には、そこが原因で壁内結露を引き起こすリスクにもなります。
「ぐるりん断熱」は、この鉄骨造の宿命的な弱点を根本から克服するため、高性能な断熱材を、構造躯体の「外側」と「内側」の両方からサンドイッチするようにバランス良く配置し、家全体を魔法瓶のようにすっぽりと包み込む考え方です。
私も、契約前に参加した感動的な工場見学会(住まいの夢工場)で、その精緻な仕組みをカットモデルで実際に見て、「これなら鉄骨造特有の弱点を完全にカバーできる」「夏涼しく、冬暖かいを実現できる」と確信しました。
私が選んだ「イズ」でも、もちろんこの技術が標準採用されており、大きな安心材料となっています。
断熱性能(UA値)は標準でZEH基準
とはいえ、哲学がいかに素晴らしくても、基本的な断熱性能(UA値 = 外皮平均熱貫流率。
家全体からどれだけ熱が逃げやすいかを示す数値。
小さいほど高性能)が低くては話になりませんよね。
積水ハウスの標準仕様が今、どのレベルにあるのか。
そして、さらに上のレベルを目指すためのオプションについて、具体的に解説します。
参考:熱ロスを抑える第一種熱交換換気(SMART-ECS)の仕組みはこちら
標準仕様は「断熱等級5」
まず結論から言うと、現在の積水ハウスの戸建て住宅は、2022年4月1日以降、標準仕様で「断熱等性能等級5」に対応しています。
これは、国が現在(2025年時点)強力に推進しているZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準に相当するレベルです。
UA値として具体的にどれくらいかというと、建設地域(5〜7地域など)にもよりますが、おおむね0.60 W/m²K以下が一つの目安となります。
これは、ひと昔前の「次世代省エネ基準(等級4)」のUA値0.87などと比べると、格段に高い性能です。
具体的な断熱仕様(標準例)
- 天井: ロックウール(200mm厚) または 硬質ウレタンフォーム(235mm厚)
- 外壁: 高性能グラスウール16K(100mm〜140mm厚)
- 床: ポリスチレンフォーム(80mm厚)
このように、部位ごとに最適化された断熱材が隙間なく施工されます。
(※これらは一例であり、工法や地域、仕様により異なります)
積水ハウスが「グリーンファーストゼロ」としてZEH住宅を標準化していることからも分かる通り、現代の省エネ住宅として十分快適に暮らせる性能が、まずは標準でしっかりと確保されています。
ただし、ここが重要なポイントです。
標準仕様は確かに「等級5」ですが、2025年現在の住宅市場では、国の基準強化(2025年4月からの省エネ基準義務化)や、「子育てエコホーム支援事業」といった高額な補助金制度、住宅ローン減税の優遇措置などを最大限に活用する流れが加速しています。
これらの補助金や優遇制度の多くは、ZEH基準(等級5)よりも上位の「長期優良住宅」の認定(=断熱等級6以上)を要件としているか、より手厚い支援が受けられるようになっています。
このため、積水ハウスと契約する施主の多くが、標準の等級5のままではなく、実質的にはオプションを選択して「断熱等級6」の仕様で家づくりを進めるケースが大多数となっているのが、私が掴んだ「現実」です。
「標準は等級5だが、実態は等級6が主流」—— この認識を持って、次のオプションの解説を読んでいただくことが非常に重要です。
参考:等級6の家で“電気代に効く”換気設計とメンテ実例を見る
オプションで等級6・7も可能(実質的な主流へ)
ここからが、さらに重要なポイントです。
先ほど述べた通り、補助金や税制優遇を最大限に活用するために、実質的な主流となっているのが、このオプションによる「等級6」以上へのアップグレードです。
積水ハウスは、最高レベルの断熱性能を「標準」にするのではなく、それを上回る性能を、付加価値の高い「プレミアムオプション」として提供する戦略をとっています。
具体的には、「グリーンファースト・スーペリア」といった高性能パッケージなどを選択することで、さらに上位の等級を目指すことが可能です。
- 断熱等級6 (HEAT20 G2レベル / UA値 0.46 W/m²K以下が目安)
- 断熱等級7 (HEAT20 G3レベル / UA値 0.26 W/m²K以下が目安)
等級6(G2)レベルになると、冬場でも無暖房時の室温が13℃〜15℃程度を下回りにくくなり、暖房負荷を劇的に削減できます。
等級7(G3)に至っては、現行制度で最高レベルの断熱性能です。
冬場の最低室温も15℃〜16℃を下回らないとされ、最小限の冷暖房で一年中安定した室温を維持できる、まさに「魔法瓶」のような住環境が実現します。
戦略の違いを理解することが重要です
例えば、一条工務店さんのように、最高レベルの断熱性能を「標準仕様」としてパッケージ化するメーカーとは戦略が根本的に異なります。
積水ハウスは、あくまで市場のスタンダードであるZEH基準(等級5)を堅実にクリアした上で、それ以上の超高性能は、寒冷地にお住まいの方や、光熱費・快適性に徹底的にこだわりたいと考える施主の「選択肢」として用意しているのです。
ですから、ご自身の希望と予算に合わせて、契約前の打ち合わせ段階で「我が家は等級6(G2レベル)にしたい」「等級7を目指した場合の見積もりが欲しい」と明確に要求することが、後悔しないために非常に大切です。
| 仕様レベル | 断熱等性能等級 | 相当する省エネ基準 | 目標UA値 (W/m²K) ※目安 | 期待される快適性の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 標準仕様 | 等級5 | ZEH基準 | ≦ 0.60 | 適切な冷暖房で快適な現代住宅の標準レベル |
| 高性能オプション1 | 等級6 | HEAT20 G2 | ≦ 0.46 | 暖房需要が大幅に削減され、高い快適性を実現 |
| 最高性能オプション2 | 等級7 | HEAT20 G3 | ≦ 0.26 | 最小限の冷暖房で一年中安定した室温を維持 |
C値は公表? 気密性の考え方
さて、積水ハウスを検討する上で、UA値(断熱)と並んで、いや、それ以上に気になるのが「C値(シーち=相当隙間面積)」ですよね。
C値は、家全体にどれだけの隙間があるかを示す数値で、小さいほど「高気密」な家と言えます。
断熱材が「防寒着」なら、気密性能は「風を通さない上着」のようなもの。
いくら高性能なダウンジャケットを着ていても、隙間だらけでは暖かさを保てません。
積水ハウスが公式に語らないこの数値について、私がオーナーとして掴んだ「実態」と「絶対に知っておくべき対策」を、ここは正直にお話しします。
なぜC値を公表しないのか
まず事実として、積水ハウスは、標準仕様の住宅に対してC値の目標値を公表しておらず、性能保証も行っていません。
正直なところ、標準仕様(特に対策をしない状態)で建てた場合、実際に建てた施主さんの実測ブログなどを見ていると、C値は1.5〜2.0 cm²/m²、あるいはそれ以上の数値になることも珍しくないようです。
一般的に「高気密住宅」と呼ばれるのはC値1.0以下、トップレベルの工務店では0.5以下を目指すのが常識となりつつある現代において、この標準仕様の数値は、積水ハウスのプレミアムな価格帯に見合う性能とは言い難いのが実情であり、ここが標準仕様における明確なウィークポイントになり得ると私は感じました。
技術的な理由としては、高気密住宅を実現するために現在最も標準的な工法である、室内側に連続した「防湿気密シート」を丁寧に施工し、気密ラインを形成するプロセスが、積水ハウスの標準工法には含まれていないことが大きいです。
オーナーが知るべき「気密施工」
しかし、ここで「なんだ、積水ハウスは気密性が低いのか…」と諦めるのは早計です。
積水ハウスに、高い気密性能を実現する技術がないわけでは、決してありません。
これが、積水ハウスで後悔しないための、おそらく最重要ポイントです。
積水ハウスはオプションとして、「気密施工」のメニューをきちんと用意しています。
これを採用し、専門の気密処理(防湿気密シートの施工や、コンセント周りなどの丁寧な気密処理)を行うことで、性能は文字通り「劇的に」向上します。
実際にこのオプションを選択し、気密測定を行った施主さんからは、C値0.6、0.2、さらには0.09 cm²/m²といった、国内トップクラスの工務店と遜色ない、とんでもなく優れた実測値が報告されています。
つまり、積水ハウスの気密性能は「標準仕様」と「オプション仕様」で、まったく別物になると言っていいでしょう。
◆北川のワンポイントアドバイス:気密は「要求」すべし! ただし「目標値」とのバランスが重要
もしあなたがC値1.0以下、あるいは0.5以下のような「本物の高気密住宅」を、積水ハウスが誇る美しいデザインと両立させたいなら、「気密施工オプション」の採用を営業担当者や設計士に要求してください。
ただし、この「本物の高気密」を追求することには、トレードオフも存在します。
C値を極限まで高める(下げる)には、隙間の原因となる外壁面のコンセントやスイッチの数を減らしたり、設置場所を内壁に限定するといった、生活の利便性やデザインの自由度を一部制限する提案がなされる場合があります。当然、施工の手間が増える分のコストアップにも繋がります。
ですから、ご自身の予算や設計の自由度と相談し、「我が家はC値1.0を確実に切ることを目指そう」あるいは「0.5以下を目指すために、コンセントの制約も許容しよう」といった、明確な目標ラインを設定することが重要です。
そして、その決めた目標が達成されているかを確認するため、「気密測定(できれば工事中と完成後の2回)」の実施を要求することを、推奨します。
ただし、この測定は外部業者への委託が必要となり、家の面積にもよりますが施主負担で15~20万円程度の追加費用が見込まれます。
また、数値は「やってみないとわからない」側面があり、必ずしも目標値が達成できるとは限らないため、「目標値の達成」を契約書に盛り込むのは難しいのが実情です。
そのため、まずは「気密測定を実施する」という項目自体を、契約書ではなく見積書に盛り込んでもらうよう依頼することが現実的なステップとなります。
窓の性能:断熱・デザイン・防犯性
家の熱の出入りが最も激しい場所、それは「窓」です。
冬場、室内から逃げる熱の約58%は窓からだと言われています。
当然、ここの性能が家全体の快適性を大きく左右します。
積水ハウスは、この窓にも独自の哲学があり、単なる断熱性能だけでなく、デザインや、私が特に感動した「安全面」でも、驚くべき標準仕様を持っています。
標準「SAJサッシ」の特徴
まず、積水ハウスの標準サッシは、独自開発の「SAJサッシ(超高断熱アルミ樹脂複合サッシ)」です。
(※商品のグレードや時期により異なる場合があります)
これは、室外側には耐久性や耐候性に優れたアルミを、室内側には熱を伝えにくい樹脂を使用した、いわゆる「ハイブリッド構造」のサッシです。
そして、標準で組み合わされるガラスは「Low-Eペアガラス(アルゴンガス入り)」。
ガラスとガラスの間の空気層も16mmと十分な厚みが確保されており、ZEH基準(断熱等級5)をクリアする十分な断熱性能を持っています。
私がこのSAJサッシで特に素晴らしいと感じたのは、性能とデザインの高度な両立です。
工場見学で実物を見ましたが、一般的なサッシに比べてフレーム(框)が非常にスリムに設計されており、野暮ったさが一切ありません。
とてもスタイリッシュで、結果としてガラス面積が広くなることで、室内からの眺望が良くなるという、大きなメリットも生み出しています。
なぜ「樹脂サッシ」が標準ではないのか?
ここで、「あれ? 今は高性能といえば“樹脂サッシ”じゃないの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
確かに、YKK AP社の「APW330」などに代表されるオール樹脂サッシは、アルミ樹脂複合サッシよりも一般的に断熱性能(熱貫流率)は上です。
この事実から私なりに分析するに、メインブランドの「SAJサッシ」は、断熱性能の絶対値だけを追求したのではなく、高い断熱性能(ZEHクリアレベル)と、スリムフレームによる優れたデザイン性、そして積水ハウスとしてのブランドの差別化・統一感という、複数の要素を高いレベルでバランスさせた「戦略的な製品」なのだと思います。
購入者は、この統合された設計思想に対しても対価を支払っていると言えるでしょう。
(※もちろん、北海道などの寒冷地向けには、より断熱性の高い樹脂サッシ(例:KJサッシ)もオプションで用意されています)
驚いた「防犯ガラス」が標準
そして、これです。
これが私が積水ハウスに決めた理由の一つでもあるのですが、防犯性能が、標準仕様で驚くほど高い点です。
私も契約前の仕様確認で知って、本当に驚きました。
なんと、1階コートの大きな窓すべてに「防犯合わせ複層ガラス」が標準採用されているのです。
(※一部の窓や仕様により異なる場合がありますので、必ずご自身のプランでご確認ください)
これは、2枚のガラスの間に強靭な中間膜を挟んだガラスで、泥棒がバールなどでガラスを破ろうとしても、なかなか貫通させることができません。
警察庁のデータでも、侵入に5分以上かかると約7割の泥棒が諦めると言われていますが、この防犯合わせガラスは、ガラス破りによる侵入に要する時間を、一般的な窓の約30倍にも引き延ばす効果があるとされています。
他社では、これが高額なオプションになることも多い中、家族の安全を守るこの仕様が、標準で付いてくるのです。
家の「性能」というと、どうしてもUA値やC値といった温熱環境ばかりに目が行きがちですが、家族の生命と財産を守る「安全・安心」という性能が、標準でここまで高いレベルにあることは、積水ハウスの非常に大きな、そして誠実な強みだと私は感じています。
設計で決まる本当の快適さ
いくら高性能な断熱材や窓を使っても、それを活かす「設計」が伴わなければ意味がありません。
積水ハウスが「総合的な快適性」として最も得意とする、太陽の熱や光、風といった自然の力をコントロールする「パッシブデザイン」の考え方をご紹介します。
夏冬の日差しを操るパッシブ設計
パッシブデザインとは、エアコンなどの機械(アクティブ)に頼りすぎず、建物の形状や窓の配置といった「設計の工夫」によって、快適な環境を作ろうとする設計思想です。
その基本は、太陽との付き合い方、つまり「日射取得」と「日射遮蔽」という、相反する二つの概念をコントロールすることにあります。
- 日射取得(冬): 冬の低い角度(太陽高度 約30〜40°)から差し込む暖かい太陽光を、室内の奥まで積極的に取り入れ、天然の暖房として利用します。
- 日射遮蔽(夏): 夏の高い角度(太陽高度 約70〜80°)からの強い日差しを、室内に入れないように遮り、室内の温度上昇を防ぎます。
積水ハウス、特に木造のシャーウッドでは、日本の伝統的な建築のように「深い軒(のき)」や「庇(ひ)」を設けることで、これを非常に巧みに実現します。
夏の日差しは軒でカットし、冬の日差しは軒の下をくぐって室内を暖める、というシンプルな理屈です。
また、窓ガラスであるLow-Eガラスにも、「日射取得型(冬の暖かさを取り込みやすい)」と「日射遮蔽型(夏の暑さを強力に反射する)」の2タイプがあり、私が設計士の富田さんと打ち合わせをした際も、我が家の方位や日当たりを計算し、「南面はこちらの取得型」「厳しい西日が入る西面はこちらの遮蔽型」と、窓ガラスの種類を戦略的に使い分ける提案を受けました。
こうした、一邸一邸の敷地条件に合わせた最適解を考えてくれるのが、積水ハウスの設計力だと感じています。
私が「イズ」で求めたこと
私は鉄骨造の「イズ」を選びました。
鉄骨造は、その構造上、木造のシャーウッドに比べて深い軒を出しにくいという側面もありますが、そこを「設計力」でカバーしてもらっています。
例えば、以前のプラン提案の記事でもご紹介しましたが、私はプライバシーの確保と採光の両立のため、建物で中庭を囲む「コートハウス」のプランを強く希望しました。
当然、外からの視線を遮るために壁を高くすると、通常は室内が暗くなってしまいがちです。
そのジレンマを、設計士の富田さんは見事に解決してくれました。
リビングの階段上に吹き抜けを作り、その上部に大きな高窓(ハイサイドライト)を設けることで、外部からの視線は完全にシャットアウトしながら、安定した天空光を室内の奥まで明るく届ける、という見事なプランを提案してくれたのです。
これがまさに「設計で快適さを実現する」好例だと思います。
ただ、ここで絶対に忘れてはいけないことがあります。
こうしたパッシブデザイン(特に冬の日射取得)の効果を最大限に引き出すには、「高断熱・高気密」が大前提となる、という厳然たる事実です。
せっかく昼間に太陽の熱(無料の暖房)で室内をポカポカに暖めても、家の断熱性能(UA値)が低ければ壁や窓から熱がどんどん逃げていきますし、家の気密性能(C値)が低ければ、隙間風とともにその暖かさが外に排出されてしまいます。
積水ハウスが誇る、この洗練された設計思想の恩恵を完全に、100%享受するためにも、やはり、施主側が標準仕様(等級5)に満足するのではなく、断熱性能のアップグレード(等級6や7)や、特に「気密施工オプション」の採用を積極的に検討することが、最も論理的な結論と言えるでしょう。
積水ハウスの断熱・気密に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 積水ハウスのUA値は結局いくつですか?
A. 標準仕様は「断熱等性能等級5」(ZEH基準 / UA値0.60 W/m²K以下目安)です。
これは現代の省エネ住宅として十分快適に暮らせるレベルです。
ただし、2025年現在の補助金制度(子育てエコホーム支援事業など)や住宅ローン減税を最大限に活用するため、実際にはオプションで「等級6(HEAT20 G2レベル:UA値0.46以下目安)」を選択するケースがほとんどです。
さらに上位の「等級7(HEAT20 G3レベル:UA値0.26以下目安)」にアップグレードすることも可能です。
Q2. C値が2.0程度と聞きましたが、寒い家ではないですか?
A. まず、UA値(断熱性)が標準でも等級5と高いため、極端に寒い家になることは考えにくいです。
断熱材はしっかり入っています。
しかし、ご指摘の通り、C値2.0というのは「高気密住宅」とは言えません。
冷暖房の効率や、24時間換気システムが計画通りに機能するか、といった点に影響が出る可能性があります。
隙間風による足元の冷えなどを感じる可能性もゼロではありません。
もし、あなたが冷暖房効率を最大化し、計画換気を正しく機能させ、隙間風による不快感を徹底的になくしたいと考えるなら、「気密施工オプション」の採用を強く推奨します。
これを採用すればC値1.0以下、さらには0.5以下を目指すことも、積水ハウスの技術力なら十分に可能です。
Q3. 鉄骨造(イズ)と木造(シャーウッド)で断熱性や気密性は違いますか?
A. 断熱性能(UA値)については、どちらの構造でも同じ等級(標準で等級5、オプションで6・7)を実現可能です。
鉄骨造は「ぐるりん断熱」で熱橋対策を万全にし、木造は構造体の間に断熱材を充填します。
どちらも高いレベルで設計されています。
気密性能(C値)については、一般的に、構造の特性上、鉄骨造よりも木造(シャーウッド)の方が、気密施工の難易度が低く、良い数値を出しやすい傾向があると言われています。
鉄骨造は多くの部材をボルトで接合していくため、隙間が生まれやすい箇所が多いからです。
ただし、これはあくまで「標準仕様で比べた場合」の話です。
先ほどから申し上げている通り、鉄骨造であっても「気密施工オプション」をしっかりと行えば、木造と遜色ない高い気密性(C値0.5以下など)を実現することは十分に可能です。
私も鉄骨造で高気密を目指しています。
Q4. 窓を他社製の樹脂サッシ(APWなど)に変更できますか?
A. 原則として、積水ハウスのメインブランド(イズやシャーウッドなど)では難しいです。
これは、積水ハウスが「SAJサッシ」など、自社開発のサッシを標準システムとして採用しており、設計、施工、品質管理、さらには保証体制のすべてが、そのサッシを前提に組まれているためです。
例外的に、寒冷地仕様などで別の樹脂サッシ(例:KJサッシ)が用意されている場合はあります。
どうしても他社製サッシを使いたい場合は、契約前に設計担当者に強く相談してみるしかありませんが、実現は困難なケースが多いと認識しています。
Q5. 断熱等級を上げる(例: 等級6)と、費用はどれくらい上がりますか?
A. これは、建物の大きさや形状、窓の数と大きさ、そして目指す等級(6にするのか7にするのか)によって、必要な工事(断熱材の厚み変更、窓サッシやガラスのグレードアップ)が大きく変動するため、一概に「いくらです」とは言えません。
一般的には、断熱材の厚み変更や、窓をペアガラスからトリプルガラスに変更するなどの仕様変更が必要となり、数十万円から百万円単位での追加費用が発生する可能性が高いです。
【ご注意】必ずご自身のプランで確認を!
ここで記載している費用や数値は、あくまで私が調査した範囲での一般的な目安です。
仕様は日々進化していますし、あなたの家のプランによって金額は全く異なります。
正確な金額については、必ずご自身のプランと最新の見積もりを積水ハウスの担当者にご確認ください。
最終的なご判断は、専門家とよく相談の上、ご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。
まとめ:積水ハウスの性能は「引き出す」もの
ここまで、積水ハウスの断熱・気密性能について、一人の施主としての視点で、良い面も、そして注意すべき面も、率直にお話ししてきました。
結論として、積水ハウスは「標準仕様でもZEH基準を満たす、十分に快適な家」を提供してくれます。
それに加えて、他社には真似のできない「卓越したデザイン性」と「標準仕様での圧倒的な防犯性能」という、非常に大きな強みも持っています。
しかし、もしあなたが「UA値0.46以下のG2レベル」や「C値1.0以下の高気密」といった、いわゆる業界トップレベルの「数値的性能」も、その美しいデザインと両立させたいのであれば、その性能は、残念ながら「標準仕様」のままでは手に入りません。
それは、施主であるあなたがその価値を理解し、積水ハウスがオプションとして用意している高性能な仕様(断熱等級のアップグレードや、気密施工オプション)を、「私はこれを採用したい」と自ら能動的に要求することで、初めて引き出せるものなのです。
積水ハウスで家を建てることは、美しく、品質が高く、そして何より安心して暮らせる住まいを手に入れる絶好の機会です。
ぜひ本稿で得た知識を活用し、担当者と深い議論を交わし、適切な質問と要求をすることで、そのプレミアムな価格とデザインに見合った、最高の温熱性能を兼ね備えた「世界一幸せなわが家」を実現してください。





