こんにちは。
積水ハウス ご紹介割引の相談窓口、運営者の北川晴夫です。
積水ハウスでの家づくりを考え始めると、ほぼ全員が直面するのが「鉄骨」と「木造(シャーウッド)」のどちらを選ぶか、という大きな問題です。
我が家にとってどちらが最適なのか、これは本当に悩みますよね。
特に積水ハウスは外壁の種類が構法と直結しており、鉄骨のダインコンクリート、木造のベルバーンといった象徴的な外壁材を選ぶことは、そのまま構造を選ぶことにもなります。
デザインの好みだけでなく、将来のメンテナンス費用や塗装、シーリングの必要性、さらにはリフォームの自由度まで、その選択は長期的な住み心地と費用に大きく影響します。
私自身、現在積水ハウスの施主として家づくりを進める中で、この問題には徹底的に向き合いました。
技術的な優劣だけでなく、実際に住んでから「後悔」する可能性があるポイントはどこなのか。
この記事では、私の実体験とオーナーとしての視点から、鉄骨と木造、両者のメリット・デメリットを徹底的に比較し、あなたが後悔しないための判断材料を誠実にお伝えします。
なお、鉄骨造と木造(シャーウッド)の構造や工法の違いをより技術的な観点から整理した記事もご用意しています。
詳しく知りたい方は、積水ハウスの構造(鉄骨/木造)と工法を施主が解説もあわせてご覧ください。
記事のポイント
- 積水ハウスの鉄骨と木造の技術的な違い
- オーナーが語る「寒さ」や「リフォーム制約」などの後悔
- ダインコンクリートとベルバーン、外壁の決定的な差
- 価格、耐震性、設計自由度など8つの観点からの徹底比較
積水ハウスは鉄骨と木造どっちがいい?オーナーが語る結論
積水ハウスにおけるこの二択は、単純に「どちらが優れているか」という問いではありません。
むしろ、「どちらの『妥協点』あるいは『長所と短所』を、自身のライフプランにおいて受け入れられるか」という視点で判断することが、将来の「後悔」を避けるための鍵となります。
実際のオーナーが直面した問題点を分析すると、この選択の本質が見えてきます。
結局どっちがいいの?私の結論から
積水ハウス鉄骨木造どっちがいいか?という問いに対し、オーナーとして、そして家づくりと真剣に向き合った施主として、私は以下のように結論付けました。
それは、「完璧な選択肢は存在しない」という現実を受け入れた上で、「自分が何を最優先し、何を妥協できるか」を明確にすることです。
具体的に申し上げます。
▼「鉄骨造(イズ)」を選ぶとは
卓越した設計自由度(大空間・大開口)と、構造体への防蟻性という絶対的な安心を得る代わりに、「冬の寒さ」への対策コストと、構造に由来する「金属音」や「(1-2階建ての)リフォームの制約」を受け入れることです。
▼「木造(シャーウッド)」を選ぶとは
木造ならではの「暖かさ(断熱性)」と、ベルバーンの美しい意匠性を得る代わりに、非常に高額な初期費用と、構造に関わる大規模リフォームについては、積水ハウスに依頼せざるを得ないという、実務的な「ベンダーロックイン」(他社を選べない状態)を受け入れることです。
どちらも日本の住宅における最高品質の選択肢であることは間違いありません。
しかし、その特性は多くの面で対照的です。
あなたの「理想の暮らし」を実現するために、どちらの特性がよりマッチするのか、じっくりとご検討ください。
◆北川のワンポイントアドバイス
ちなみに、私自身は鉄骨造の「イズ」を選びました。
理由は明確で、「プライバシーを守るコートハウス(中庭型)」と「シーカス」、「重厚なダインコンクリート壁」や木造の限界スパン(6m)を超える大空間設計を「最優先」したためです。
もし、これらへのこだわりがなければ、私はベルバーンの美しさや木造の暖かさを取って、シャーウッドを選んでいた可能性も十分にあります。
この「優先順位付け」こそが、後悔しないための第一歩です。
鉄骨の後悔ポイントは「寒さ」
積水ハウスの鉄骨造オーナーが後悔したポイントとして、最も多く耳にするのが、「冬の寒さが想像以上だった」という点です。
これは住宅展示場などの短時間の見学では絶対に確認できない、住んでみて初めてわかるリアルな問題です。
「思っていたよりも寒さがダイレクトに来る」「床暖房を導入しているが、朝はエアコンも併用しないと厳しい」といった声が実際に報告されています。
なぜ鉄骨は寒さを感じやすいのか?
この原因は、構造体である「鉄骨」そのものが持つ物理的な特性にあります。
鉄は、ご存知の通り木材に比べて圧倒的に熱を伝えやすい(熱伝導率が高い)素材です。
そのため、外の冷気が鉄骨を伝って室内に影響を与えやすいのです。
この現象を「熱橋(ねっきょう)=サーマルブリッジ」と呼びます。
もちろん、積水ハウスもこの弱点を熟知しており、家全体を断熱材で包み込む「ぐるりん断熱」仕様を標準採用しています。
鉄骨の柱や梁の周囲にも断熱材を回り込ませるなど、熱橋対策は徹底されています。
しかし、それでも木材そのものが優れた断熱材である木造(シャーウッド)の「本質的な暖かさ」や「足元の冷えにくさ」と比較すると、特に寒冷地や、高い快適性を求める方にとっては、標準仕様では物足りなく感じるケースがあるようです。
もう一つの後悔点:「音」の問題
寒さともう一つ、鉄骨造特有の後悔として挙げられるのが「音」の問題です。
- 「キーン」という金属音: 季節の変わり目など、外気温の変化によって構造体である鉄骨がわずかに伸縮する際に発生すると推測されています。
- 「キシキシ」という音: 地震かと思うような、きしみ音が発生することもあると報告されています。
これらは防音材である程度軽減できるかもしれませんが、完璧になくすことは難しいとされています。
音に非常に敏感な人は、このリスクも認識しておく必要があります。
鉄骨造で木造並み、あるいはそれ以上の快適性を本気で求める場合、標準仕様以上の断熱オプション(後述するハイグレード仕様など)への追加費用をあらかじめ見込んでおく必要があること。
これが、鉄骨造を選ぶ上で覚悟すべき「後悔」の回避策となります。
シャーウッドの後悔は「制約」
一方、木造(シャーウッド)を選んだオーナーが直面する可能性のある、最大の後悔ポイント。
それは、その圧倒的な技術力の高さが生み出す、「将来的な制約」、特にリフォームに関する問題です。
「え?木造の方が自由にリフォームできるんじゃないの?」
そう思われる方が非常に多いのですが、積水ハウスのシャーウッドに関しては、その常識は当てはまりません。
法的・技術的な「ベンダーロックイン」
シャーウッドを理解する上で、技術的な側面以上に重要なのが、「型式適合認定(型式認定)」という法的な側面です。
シャーウッドの構法は、国土交通省から認定を受けた、積水ハウス独自の「型式適合認定」に基づいています。
これは、部材の品質を一定に保ち、高い建築品質を実現するための素晴らしいシステムです。
しかし、この「独自工法」であるという事実が、オーナーにとっては極めて重大な長期的影響を及ぼします。
具体的には、内装や設備交換といった限定的な工事は他社でも可能ですが、「構造に関わる大規模な増改築や間取り変更」については、積水ハウス以外の第三者(他の工務店やリフォーム会社)では、構造計算や建築確認の面から対応が事実上「不可能」となるケースがほとんどです。
シャーウッドを選ぶことの本当の意味
これは、施主の視点から見れば「家を建てるところから、将来のメンテナンス、そして(大げさに言えば)家を潰すところまで、積水ハウスと添い遂げなければならない」ことを意味します。
将来、何らかの理由で他社の安価なリフォームを選びたくなったりしても、その「選択肢」が構造に関しては存在しないのです。
この「他社を選べない」という実務的な「ベンダーロックイン」に近い状態を受け入れ、生涯にわたる積水ハウスとの長期的な関係性(と、そのコスト)に納得すること。
これこそが、シャーウッドを選択する上で最大の「覚悟」であり、将来的な「後悔」を避けるための最重要検討事項となります。
気になる価格と初期費用の違い
「鉄骨と木造、結局どっちが高いの?」というご質問も非常に多くいただきます。
まず大前提として、積水ハウスは鉄骨・木造を問わず、日本のハウスメーカーの中で最高水準に高価です。
ローコストメーカーとは比較になりません。
その上で、両者の価格を比較した場合、一般的には「鉄骨造の方が木造(シャーウッド)に比べて坪単価が高くなる」傾向があります。
主な理由は、以下の2点です。
- 基礎工事のコスト:鉄骨造は木造よりも建物自体の重量が重く(特に外壁がダインコンクリートの場合)、その重さを支えるために、より強固な基礎工事が必要となります。その分の費用が高額になりがちです。
- 構造体のコスト:一般的に、木材よりも鉄骨の方が材料費や加工費が高価になる傾向があります。
【北川家の実例で見る坪単価】
参考までに、私の家(鉄骨造「イズ」 / 施工床面積 46.71坪)の場合、建築工事費(オプション等含む)での坪単価は約153万円/坪でした。
これはあくまで一例であり、仕様やオプションによって坪単価は100万円以上変動します。
シャーウッドも「超高級品」と評されており、オプションによっては鉄骨造と遜色ない、あるいはそれ以上の高額な費用がかかることは間違いありません。
「坪単価」という言葉に惑わされず、必ず「総額でいくらかかるのか」という視点で見積もりを精査してください。
工期について
価格と合わせて「工期」についても触れておくと、こちらは鉄骨造の方が短い傾向にあります。
これは、構造部材の多くを工場で生産するプレハブ化率が木造よりも高いためです。
少しでも早く入居したい、という方にとっては、鉄骨造が有利になる場合があります。
現在の木造の割合はどのくらい?
「積水ハウスといえば鉄骨」というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
実際、積水ハウスはその創業から長きにわたり鉄骨住宅を主力としており、その技術力と実績は圧倒的です。
私の調査や、担当の橋爪店長から伺った話の範囲では、現在でも積水ハウスの戸建て住宅の売上の主力は鉄骨造であり、全体の約7割~8割程度を占めているとされています。
一方で、木造の「シャーウッド」も、1995年の発売以来、その高い品質とデザイン性で着実にシェアを伸ばしています。
特に、先述した「ベルバーン」の美しい質感や、木造ならではの暖かさを重視する層から絶大な支持を集めており、現在では積水ハウスの確固たるもう一つの柱となっています。
「木造の割合が鉄骨より少ない」=「品質が低い」というわけでは決してありません。
鉄骨の「ダイナミックフレーム・システム」も、木造の「シャーウッドハイブリッド構造」も、どちらも積水ハウスが誇る最高水準の技術を結集したものであり、同等に素晴らしい構法です。
割合はあくまで市場の傾向として捉え、ご自身の価値観にどちらが合うかでご判断いただくのが良いかと思います。
積水ハウスの鉄骨と木造はどっちがいい?後悔しない判断基準
ここまでは、両者の「結論」と「後悔」に焦点を当ててきました。
ここからは、技術的な側面や具体的な仕様に踏み込み、「積水ハウス鉄骨木造どっち」かをご自身で判断いただくための、8つの具体的な比較ポイントを詳細に解説していきます。
あなたの「こだわり」がどちらの構造に向いているか、一緒に確認していきましょう。
鉄骨の柱が叶える大空間
設計の自由度、特に「柱のない大空間(大スパン)」の実現能力において、結論から申し上げると鉄骨造の圧勝です。
両者の設計自由度を最も分かりやすく分けるのが、柱なしで実現できる「最大スパン」です。
▼最大スパン(柱なしで飛ばせる距離)の比較
- 鉄骨造 (1-2F ダイナミックフレーム): 最大 7m
- 木造 (シャーウッド): 最大 6m
※鉄骨造 (3-4F フレキシブルβ): 最大 9m
「たった1mの差じゃないか」と思われるかもしれませんが、この「1m」の差は、単なる数字以上のものであり、設計の「余裕度」において決定的な違いを生みます。
ある木造(シャーウッド)のオーナーの報告では、規格の限界である6mスパンを実現しようとした結果、梁が非常に太くなり天井設備に制約が出た、といったケースもあるようです。
これは、シャーウッドにとって6mスパンが「限界値」である一方、鉄骨造の7mは「余裕を持った能力値」であることを示唆しています。
この設計上の余裕(マージン)が、オーバーハング(せり出した空間)や大開口、ビルトインガレージといった、鉄骨造が得意とする設計の柔軟性に直結しています。
◆【私の実体験】なぜ鉄骨一択だったか
私が鉄骨造の「イズ」を選んだ最大の理由が、まさにこれです。
我が家はプライバシー確保のために中庭を囲む「コートハウス」という間取りを採用しているのですが、その上で「柱のないLDK」を絶対に実現したかったのです。
この希望を叶えるには、どうしても木造の6mスパンでは足りず、幅7mを超える空間設計が可能な鉄骨造(イズ)一択となりました。
もし、あなたが私と同じように「幅6mを超える柱のない空間」や「柱のないLDK」を絶対に実現したいのであれば、この時点で「積水ハウス鉄骨木造どっち」の悩みは解消し、鉄骨造が答えとなります。
鉄骨のグレードと断熱仕様
鉄骨造を選択した場合、次に知っておくべきは「グレード(商品名)」と「断熱仕様」です。
鉄骨のグレード(商品ラインナップ)
かつて積水ハウスの鉄骨造には「イズ・ロイエ」や「ビー・サイエ」など、多くの商品名がありました。
しかし、現在は商品体系が整理され、非常にシンプルになっています。
- 「イズ (IS)」: 1・2階建ての軽量鉄骨造の主力商品。私が選んだのもこれです。独自の「ダイナミックフレーム・システム」を採用しています。
- 「β(ベータ)」: 3・4階建ての重量鉄骨造。都市部の多層階住宅や賃貸併用住宅(ベレオ)などで採用される「フレキシブルβシステム」です。
基本的には、2階建てまでなら「イズ」、3階建て以上なら「β」と覚えておけば問題ありません。
「寒さ」に対抗する断熱仕様
先ほど「鉄骨の後悔は寒さ」と述べた通り、鉄骨造を選ぶ際は断熱仕様が非常に重要になります。
標準仕様は「ぐるりん断熱」ですが、積水ハウスは鉄骨造に対し、さらに上位の断熱仕様(グレード)を用意しています。
▼鉄骨造の主な断熱仕様(例)
- 標準仕様:「ぐるりん断熱」(省エネ基準は十分クリア)
- ハイグレード仕様:(より高性能な断熱材やサッシを使用)
- プレミアム仕様:(最高レベルの断熱性能を目指す仕様)
もしあなたが寒冷地にお住まいであったり、「冬の暖かさ」や「快適性」を木造(シャーウッド)と同等、あるいはそれ以上に求めたりするのであれば、標準仕様ではなく、これらの上位グレードの断熱仕様を選択することを強くお勧めします。
もちろん、これには数十万円~百万円単位での追加コストが発生します。
この追加費用を初期段階で見積もりに含めておかないと、「契約後に費用が膨らんだ」という「後悔」に繋がりますので、ご注意ください。
木造のグレードとベルバーン
一方、木造(シャーウッド)を選んだ場合の「グレード(商品名)」と、その最大の特徴である「ベルバーン」について解説します。
木造のグレード(商品ラインナップ)
積水ハウスの木造ブランドは「シャーウッド (Shawood)」に統一されています。
シャーウッドは、その「構法(シャーウッドハイブリッド構造)」を指す総称であり、その中にはデザインやコンセプトの異なる、多彩な商品ラインナップ(グレード)が存在します。
- グラヴィス・ステージ (Gravis Stage): シャーウッドのフラッグシップモデル。最上級の仕様とデザイン。
- ザ・グラヴィス (The Gravis): 「グラヴィス・ステージ」に次ぐ上級モデル。
- 里楽 (Riraku): 日本の伝統美と現代の暮らしを融合させた、和モダンなデザインが特徴。
- M'axio(マキシオ): スタイリッシュな片流れ屋根など、モダンデザインに特化。
これらの中から、ご自身の好みのデザインテイストやコンセプトに合った商品(グレード)を選んでいくことになります。
シャーウッド専用外壁「ベルバーン」
そして、これらのシャーウッド全商品で標準的に採用される(あるいは選択できる)のが、専用の陶版外壁「ベルバーン」です。
これはシャーウッドを選ぶ最大の動機の一つであり、鉄骨造の「ダインコンクリート」と並ぶ、積水ハウスの顔とも言える外壁材です。
ベルバーンの最大の特徴は、一般的なサイディングやダインコンクリートが「塗装」で色や耐久性を維持しているのに対し、ベルバーンは粘土を焼き固めた「陶器」そのものである、という点です。
これにより、以下のような圧倒的なメリットが生まれます。
▼ベルバーン(陶版外壁)のメリット
- 圧倒的な耐候性: 陶器なので、紫外線による色褪せや変色が原理的にほとんど起こりません。
- メンテナンスフリー性: 塗装の塗り替えが原則不要(あるいは極めて長期にわたり不要)とされています。
- 独特の美観: 焼き物ならではの温かみのある土肌の質感や、光の当たり方で変わる豊かな表情は、他の外壁材では得難い高級感があります。
この「何十年経っても色褪せない美観」と「塗装メンテナンス費用がかからない」という長期的な経済メリットに強く惹かれた場合、あなたの選択は自動的に「木造(シャーウッド)」に決まります。
外壁比較:ダイン vs ベルバーン
ここで、両構法の「顔」である二大外壁材、「ダインコンクリート(鉄骨用)」と「ベルバーン(木造用)」を直接比較してみましょう。
この外壁材の好みで構法を決める、という方も非常に多いです。
| 比較項目 | ダインコンクリート (鉄骨造用) | ベルバーン (木造用) |
|---|---|---|
| 構法 | 鉄骨造 (イズ・β) 専用 | 木造 (シャーウッド) 専用 |
| 主原料 | コンクリート (セメント、骨材) | 陶器 (粘土、釉薬など) |
| 製造法 | オートクレーブ養生 (高温高圧蒸気) | 焼成 (約1100℃の高温で焼く) |
| デザイン | 彫りが深く、重厚感・高級感 | 焼き物ならではの温かみ、質感 |
| 塗装メンテ | 必要 (標準塗装「タフクリア30」で長期対応) | 原則不要 (素材自体がガラス質) |
| シーリング | 必要 (パネル間の目地) | 必要 (パネル間の目地) |
【重要】シーリング(目地)のメンテナンスは両者とも必要
ベルバーンは「メンテナンスフリー」と誤解されがちですが、塗装が不要なだけで、パネルとパネルのつなぎ目にある「シーリング(目地)」は、ダインコンクリートと同様に経年で劣化します。
積水ハウスは高耐久なシーリング材を使用していますが、それでも将来的な点検や補修(打ち替え)は必要になる可能性があり、そのための足場代も含めたメンテナンス費用は発生します。
この点は誤解のないようご注意ください。
デザインの好みは人それぞれですが、「重厚感と彫りの深さ」を求めるならダインコンクリート(鉄骨)。
「焼き物の質感と長期的な美観(色褪せのなさ)」を求めるならベルバーン(木造)。
これが一つの大きな判断基準となります。
耐震性:「シーカス」とハイブリッド
地震大国・日本において、家の「耐震性」は最も重要な性能の一つです。
積水ハウスの鉄骨と木造、地震に本当に強いのはどちらなのでしょうか?
結論から申し上げますと、「どちらも耐震等級3(最高等級)に標準で対応しており、同等に最高レベルで強い」というのが私の見解です(※プランや地域、仕様により異なる場合があります)。
ただし、地震の揺れに対する「アプローチ(設計思想)」が、両者で根本的に異なります。
鉄骨造のアプローチ:「制震(せいしん)」
鉄骨造(イズ)には、積水ハウス独自の地震動エネルギー吸収システム「シーカス(SHEQAS)」が標準搭載されています。
これは、建物の倒壊を防ぐ「耐震」性能に加えて、地震の揺れそのものを「吸収」し、建物の変形を抑制する「制震」という概念を導入したものです。
構造フレームに組み込まれたK字型の「シーカスダンパー」が、地震のエネルギーを熱エネルギーに変換して吸収・放散。
これにより、建物の変形量を最大で1/2に抑え、構造体だけでなく、内外装の損傷をも大幅に軽減します。
一度きりの本震だけでなく、その後に何度も襲ってくる「繰り返しの余震」にも強さを発揮する設計思想です。
◆北川の工場見学 体験談
私が積水ハウスに決めた理由の一つに、この「シーカス」の性能を「体感」したことがあります。
工場見学で、シーカスが搭載された実大の建物に入り、家族4人で「震度7」の揺れを体験したのです。
凄まじい揺れにもかかわらず、建物はびくともしませんでした。
さらに驚いたのは、スタッフの方曰く「この実験棟は、すでに9000回以上(※公式データでは245回)、同じ震度7の揺れを加えています」という事実です。
何度も大地震をくらっても平然と建ち続ける圧倒的な頑丈さを目の当たりにし、「これ以上の安心材料はない」と本気で痛感しました。
木造のアプローチ:「耐震(たいしん)」
一方、木造(シャーウッド)は、「シーカス」のような制震ダンパーには頼らず、強固な「シャーウッドハイブリッド構造」そのものの「剛性」で、地震の力に正面から耐える「耐震構造」です。
日本の伝統的な「木造軸組工法」をベースに、積水ハウスの技術で進化させた独自の構造で、柱と梁で支える「自由度」と、壁(面)で支えるモノコック構造の「強さ」を融合させています。
具体的には、在来工法の4倍の強度を持つとされる高耐力壁「ツインSPウォール」や、柱と基礎を直接緊結する「基礎ダイレクトジョイント」、高強度の金属製金物で部材を緊結する「MJ接合システム」など、木造の弱点を徹底的に克服した先進技術で、高い耐震性を確保しています。
どちらも積水ハウスの技術の粋を集めた構造であり、耐震性に関して不安を感じる必要は低いでしょう。
選ぶ基準は、むしろ「シーカス」という制震システムに魅力を感じるか、木造の「剛性」を信じるか、という思想的な好みにも左右されるかもしれません。
リフォームと将来の制約
この項目は、両者の「後悔ポイント」とも直結する、非常に重要な比較項目です。
先ほど「シャーウッドの後悔は『制約』」で触れましたが、鉄骨造と比較してさらに深く掘り下げます。
結論として、どちらも「一般的な在来工法の住宅のような自由なリフォーム」は期待しにくいのが実情です。
そして、この問題は両者にとって最大の「後悔ポイント」となる可能性があります。
木造(シャーウッド)の制約:「法的・技術的なロックイン」
改めて強調しますが、シャーウッドは「型式適合認定」を受けた独自工法です。
この専門性の高さゆえに、積水ハウス以外のリフォーム会社や工務店では、その構造を理解して適切にメンテナンスやリフォームを行うことが技術的に不可能です。
これは「家を建てるところから潰すところまで、積水ハウスと添い遂げなければならない」ことを意味します。
将来、他社の安価なリフォームを選びたくなっても、その「選択肢」が構造に関しては存在しないという、非常に大きな長期的リスクと言えます。
鉄骨造の制約:「構造的・費用的な制約」
では鉄骨造ならリフォームが自由かというと、そう簡単な話ではありません。
鉄骨造のオーナーからも「リフォームするのが難しい」という後悔の声は報告されています。
その理由は、以下の通りです。
- 構造上の制約(1-2階建て): 「ダイナミックフレーム・システム」では、構造上重要な柱や梁、地震に対抗する「ブレース(筋交い)」が入った壁は、簡単には取り払えません。
- 費用の割高感: リフォーム費用が木造より割高になる傾向があります。鉄骨の下地に対応した工法や積水ハウス純正部材が必要となり、一般的なリフォームと比べて費用が高くなるケースがあります。
- 保証の問題: 積水ハウス以外の業者に依頼すると、建物の「保証」が切れてしまうリスクがあります。
【例外】3・4階建て(βシステム)のリフォーム自由度
ただし、鉄骨造の中でも3・4階建てで採用される「フレキシブルβシステム」は、話が別です。
これは柱と梁で空間を構成する「重量鉄骨ラーメン構造」であり、柱の本数を少なくできるため、むしろ将来的なリノベーションやリフォームに柔軟に対応できるよう設計されています。
間仕切り壁の変更が容易なため、1-2階建ての「ダイナミックフレーム・システム」とは区別して考える必要があります。
どちらを選んでも、一般的な在来工法の住宅のような「街の工務店で気軽にリフォーム」というのは難しいのが積水ハウスの住宅です。
この点は、契約前に必ず理解しておく必要があります。
積水ハウスの鉄骨・木造に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 鉄骨の「シーカス」と木造の「ハイブリッド構造」、結局どっちが地震に強いですか?
A. これは非常によくいただく質問ですが、「どちらも耐震等級3(最高等級)で、同等に最高レベルで強い」というのが回答になります。
ただし、地震へのアプローチが全く違います。
鉄骨の「シーカス」は、揺れを熱エネルギーに変えて『吸収』する「制震」です。
これにより、本震だけでなく繰り返す余震にも強く、建物の変形(=内外装のダメージ)を最小限に抑えます。
一方、木造の「シャーウッドハイブリッド構造」は、強固な構造体の『剛性』で地震の力に正面から「耐える」耐震です。
私自身は、工場見学で震度7を体験し、シーカスの「揺れをいなす」性能に心底感動しましたが、シャーウッドの剛性も非常に強力です。
どちらも人命を守るという点において、甲乙つけがたい素晴らしい技術です。
Q2. 鉄骨の「寒さ」は、断熱オプションで本当に解消できますか?
A. はい、「コストをかければ解消に近づけることは可能」です。
積水ハウスは鉄骨造に「標準仕様」だけでなく「ハイグレード仕様」や「プレミアム仕様」といった、より高性能な断熱オプションを用意しています。
最上位の仕様を選べば、木造を凌駕する断熱性能を目指すことも理論上は可能です。
ただし、木材そのものが持つ「熱を伝えにくい」という本質的な特性(=足元が冷えにくい、触れた時に冷たくない)は、断熱材を分厚くしても得難い感覚的な快適性です。
「標準仕様同士」で比較すれば、やはり木造(シャーウッド)の方が「暖かさを感じやすい」のは事実だと思います。
鉄骨を選ぶ際は、断熱性能にどこまでコストをかけるか、契約前の計画が非常に重要です。
Q3. シャーウッドの「リフォームが他社でできない」は、具体的に何ができないのですか?
A. これは非常に重要なポイントなので、正確にお答えします。
「できない」のは、主に「構造躯体」に関わる大規模なリフォームやメンテナンスです。
例えば、壁紙(クロス)の張り替えや、キッチン・お風呂の設備交換、給湯器の交換といった、構造に関わらない「内装」や「設備」の工事は、技術的には他社でも可能です。
(ただし、他社に依頼すると積水ハウスの保証が切れるリスクはあります)
しかし、「壁を抜いて部屋を二つ繋げたい」「子ども部屋を増築したい」といった、家の強さに直結する「構造躯体」に手を入れる工事は、独自工法である「型式適合認定」の壁があり、積水ハウス以外の業者では構造計算や申請ができず、事実上不可能です。
この「小さなリフォームはできるが、大きなリフォームは積水ハウス一択」という点を誤解すると、将来のライフプラン設計が大きく狂う可能性があるので、十分にご注意ください。
Q4. 結局、北川さんはなぜ鉄骨(イズ)を選んだのですか?
A. 私の場合は非常に明確で、「設計の自由度(大スパン)」が、他のすべての要素(寒さ、コスト)よりも「最優先」だったからです。
私の希望は、プライバシーを完全に確保できる「コートハウス(中庭型)」とシーカス、重厚なダインコンクリート壁でした。
これらを実現するためには、どうしても鉄骨造(イズ)が必須だったのです。
このように、ご自身の「絶対に譲れない条件」を明確にすることが、後悔しない選択への一番の近道だと思います。
積水ハウスで鉄骨と木造どっちを選ぶべきかの最終判断
ここまで、積水ハウスの鉄骨造と木造(シャーウッド)を、あらゆる側面から徹底的に比較・分析してきました。
どちらも日本の住宅における最高品質の選択肢であり、どちらを選んでも「積水ハウスオーナー」としての高い満足感は得られるでしょう。
しかし、その特性は対照的です。
「設計の自由度(スパン)」と「防蟻性」という構造的な絶対安心感を追求するならば鉄骨造が優位です。
一方で、「日々の快適性(断熱性)」と「ベルバーンの意匠性」を追求するならば木造(シャーウッド)が優位です。
これらの分析結果を踏まえ、後悔しないための最終的な選択指針を、私、北川晴夫から提言させていただきます。
【鉄骨造】を選ぶべき人
- 「空間」を最優先する人: 幅7mを超える柱のないLDK、ビルトインガレージ、ダイナミックな吹き抜けなど、木造の6mの限界を超えるプランを絶対に実現したい場合。
- 3階建て・4階建てを建てる人: この場合、採用される「フレキシブルβシステム」はリフォームの自由度が高く、将来的なメリットが大きくなります。
- 「シロアリ」が絶対に許容できない人: 構造体(鉄骨)がシロアリの食害に遭うリスクを、根本的にゼロにしたいという安心感を最重要視する場合。
◆ 覚悟すべきこと:
「冬の寒さ」に対処するため、標準仕様以上の断熱オプションに追加費用を投じること。
そして、気温変化に伴う「キーン」という金属音を受け入れることです。
【木造(シャーウッド)】を選ぶべき人
- 「快適性」を最優先する人: 「冬の暖かさ」や足元の冷えなど、日々の生活における肌感覚の快適性を何よりも重視したい場合。
- 「ベルバーン」のデザインに惚れ込んだ人: シャーウッドでしか選べない陶版外壁「ベルバーン」の独特の風合いと、色褪せないという長期的な美観に最高の価値を見出す場合。
- 鉄骨特有の金属音が気になる人: 「キーン」という音や「キシキシ」というきしみ音の可能性を排除し、静かな住環境を求める場合。
◆ 覚悟すべきこと:
非常に高額な初期費用。
そして、特に構造に関わるメンテナンスや大規模リフォームについては、基本的に他社は選べず、将来にわたって積水ハウスに委ねるという「長期的なパートナーシップ」契約を結ぶ覚悟です。
◆北川の最終アドバイス
「積水ハウスの鉄骨と木造はどっちがいい?」——この究極の選択に、唯一の正解はありません。
ここまで技術的な違いを詳細に解説してきましたが、私が家づくりを通して痛感したのは、最後は「人」で決まるということです。
私が積水ハウスに人生最大の買い物を託した最大の理由は、担当の橋爪店長をはじめとする、関わるすべての人の「誠実さ」と「圧倒的なプロ意識」に感動したからに他なりません。
(ご参考:私が積水ハウスに決めた全理由 - すべては「人」だった)
鉄骨も木造も、積水ハウスの一流の担当者は、両方のメリット・デメリットを(おそらく私以上に)熟知しています。
あなたの不安や理想、そして「妥協できない点」と「妥協できる点」を、まずは信頼できる担当者にすべて打ち明けてみてください。
あなたの家族の幸せを、あなた以上に真剣に考え、鉄骨と木造、どちらが最適なのかを導いてくれる担当者と出会うこと。
それこそが、「積水ハウス鉄骨木造どっち」問題の最良の答えを見つける、唯一の方法だと私は確信しています。





